家庭教師ファースト教育コラム勉強のコツ

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【ノートの取り方】現役東大生が教える、授業用・復習用ノートの作り方

  • 勉強のコツ
  • 2021.09.20
  • 現役東大生ライター Y

皆さんは学校や塾での授業をどのようにノートにまとめているでしょうか。
 
授業で取り扱った内容を全て覚えておくのは余程の天才しかできませんから、大半の人間はノートの取り方が今後の復習のできや成績に直結します。
しかし、だからといってノートを懇切丁寧に取ればいいわけでもありません。ノートをいかに丁寧に綺麗に書くかに終始してしまい、授業中の肝心なことを聞き逃してしまったり、ノートがきれいに書けたことに満足してその後見直さなかったりすると、まさに本末転倒です。
 
今から挙げていくノートの取り方のコツを掴んで、ぜひ勉強を効率よく進めていってください。
なお、この記事を読んでも「自分に合ったノートの取り方がわからない!」という事であれば、家庭教師を付けて相談してみるのも一つの手かもしれません。

成績が上がるノートの取り方

成績が上がるノートの取り方

作るノートは二種類

まずはじめに、本気でその科目の成績をあげようと思った時に作るノートは二種類になります。「授業用勉強ノート」と「復習ノート」です。
 
「授業用ノート」はその名の通り授業中に黒板に書いてあることや、先生がおっしゃったことをまとめるノートです。
「復習ノート」とは、授業用ノートを見直して勉強をしてみた時にわからなかったことや実際に問題を解いてみてわからなかったことなどをまとめて、テスト前などに効率よく復習して穴を埋めることができるノートのことです。
 
どちらも大切なものなので、順に書き方を説明していきます。

授業用ノートの作り方編

授業用ノートの作り方編

科目ごとにまとめてノートを取る

これは基本的なところで、その科目ごとに一つずつノートを作って取るということです。
たまに一冊のノートに国語と数学のように複数の科目について書く人がいますが、それはやめましょう。
何故なら、授業中や家で昔の授業のノートを見直す時に、どこに書いてあったのか忘れてしまい、それを探す時間が非常にもったいないからです。
 
それでもノートを持っていくのを忘れてしまうことがある人は、ルーズリーフに書くと良いでしょう。
現在はルーズリーフをファイリングするファイルも非常に多くの種類があるので、ルーズリーフ一枚一枚に書いた後にそのファイルに一気にまとめておくと見やすいでしょう。

ノートは見開きで使う

ノートは一枚一枚で使うよりも、見開き二枚で使ったほうが良いでしょう。
先生の黒板の書き方はまちまちなので一概にこうだとは言えませんが、黒板はノート1ページと違ってかなり横長のデザインになっているところが多いと思います。
皆さんがノートを取りやすくなるように考慮して「縦長」に黒板を取ってくださる先生はいいですが、そうでなく黒板を目一杯使って板書をする先生もいるでしょう。
その時に、その板書を改めて縦長のデザインにいちいち落とし込めるのは、時間と労力がもったいないです。
ですので、あらかじめ横長に使うために、見開きでノートを使うといいでしょう。

授業に沿ってプリントを保存する

プリントを、授業の板書と板書の間の配られたタイミングや、言及されたタイミングでノートに貼り付ける、といった保存の仕方をすることを指します。
プリントは、授業を進める上で必要だからこそ先生方は配っているので、ノートと同じくらい重要なものです。
プリントを捨ててしまっていた、というような人はもちろん保存すべきなのですが、よくいるのはプリントだけ別のファイルにまとめて保管する人です。
 
このようにプリントをまとめて保管してしまうと、授業のどの文脈でそのプリントを参照したのか分からなくなり、見直した時にいちいちそれを確認する必要があるのでとても億劫です。
新たに一つファイルを作って持ち歩かなければいけなくなってもしまう、といった面倒を解消する意味も込めて、一つにまとめて保管するのはやめて、ノートに授業の流れと合わせて貼るって保存することをおすすめします。

文字は余白をとって大きく書く

ノートに書く文字は丁寧すぎず手早く書ける文字で、かつ大きく見やすいように書きましょう。
丁寧に書かなくていい理由は、ノートは自分だけがわかれば良いし、授業の展開は速いので丁寧に書いていると追いつかなくなってしまうからです。
また大きい文字で書くのは、後々見直した時に見やすくするためです。
小さな文字でびっしり書くのは、書いた直後は達成感こそあるかもしれませんが、文字の細かい本を読むのは根気がいるように、後で自分のノートを見直す時に大変な作業になってしまいます。
 
そして、ノートは余白をあえて作って書きましょう
これは後で詳しく言及しますが、先生がおっしゃったことや自分が気になったことを記入するスペースを残しておくためです。
びっしりキツキツに書いた後、授業がしばらく経ってから先生が少し前の内容について説明した時などにそこにかけないと困ってしまいますし、そもそも余白がないと文字が読みにくく、見直す気力も削いでしまいます。

自分が分かるように授業の内容を再編する

授業の内容を一言一句書く必要は全くありません。
要は自分の分かるように書ければ良いのです。
それでは、自分が分かるようにノートを取るにはどのようにすれば良いのか、その方法を紹介します。

①黒板の文字はすべての文字まで書く必要はない

黒板に先生が書いた文字は、必ずしも全て書く必要はありません
黒板の内容はクラスの全員が分かるように書いているものなので、自分がわかっていることについては書く必要はありません。
そうしてできた時間を、以下のことができるように使ってください。

②先生がおっしゃったことを書く

授業の中には黒板には書かれなかったけれども、先生がおっしゃったことで、自分が授業内容を理解するために重要である発言があります。
そういったものは、自分で判断して必ず書いておくようにしましょう。
書くスペースは、前に述べたように文字と文字の余白を開けておけば十分確保できます。

③授業の内容を噛み砕いて書く

授業で扱った内容を先生が言った通りに書くのではなく、その後復習する自分が分かるであろう内容に噛み砕いて書くべきです。
何度も言っていますがノートは自分が復習するために書くものだからです。そのために以下の二つを意識してください。

A)簡潔かつ主語述語、接続語をはっきりと書く。
内容が一目で分かるように簡潔に書くということは問題ないでしょう。
しかしその時に陥りがちなミスとして単語のみの羅列になってしまうことがあります。
単語のみだと授業の流れが完全には汲めないので復習に時間がかかります。
 
例えば古文のノートに、

身分の把握。
敬語の重要性。

と書いてあったとします。これでは「身分の把握」と「敬語の重要性」の関係性がわかりません。
しかしこれが、

身分が把握できる。
故に敬語は重要だ。

と書いてある場合はどうでしょうか。
これならば、「身分が把握できる。」と「故に敬語は重要だ。」の関係が、「身分が把握できるから古文において敬語は重要なのだ。」というものであると簡単に理解できます。
 
このように文章の主語述語接続語をはっきりさせるだけで一目で入ってくる情報量と正確性がまったく違ってきます。
 
B)矢印などを使って図形的にわかりやすく書く。
簡潔かつ主語述語、接続語をはっきりと書くことに加えて、矢印などの図形を入れることでよりわかりやすくします。

例えば日本史のノートで、

743年 墾田永年私財法が作られる。
    ↓
土地の所有が進んだ。

というふうに書いてあったならば、「墾田永年私財法が作られる。」ことと、「土地の所有が進んだ。」ことの関係は、「墾田永年私財法が原因で土地の所有が進んだ。」ということだと一眼でわかります。
 
このように図形を使うと授業の流れが一眼でよく分かるようになります。
しかし図形を使うには一つ注意が必要です。
それは図形の意味はぱっと見では一つには決まらないので、自分の中で一つに統一しなければいけないことです。
例えば上で例に出した矢印でも、それが時間の経過を表しているのか、それともそれ故に、という原因理由の関係を表しているのかは、人によって違うでしょう。
そういった図形は、「自分の中でこう言う意味なのだ」とあらかじめ確定しておくことで、その後の復習で図形の意味について迷って混乱してしまうような事態は避けられるでしょう。

ノートに使う色は原則二色にする

授業用ノートに使う色は基本的に二色(黒とそれ以外の色)にしましょう
たまにカラフルに色を使う人がいますが、まず意味がありません。
何故なら仮に赤青黄色緑の四色を使っていたとすると、どの色で書いた文章が一番重要なのかわからなくなってしまう可能性が高いからです。
しかも後で見直したときに色がチカチカしてわかりにくい上に、ペンシルケースはその分かさばるし、色をこまめに変えるだけ時間と労力も使うので、何もいいことはありません。
 
私はベースの色はもちろん黒ですが、色をつけたいときには青を使うことをおすすめします。
何故なら、先生に提出したり・丸つけを余儀なくされたときには、往々にして赤ペンを使うからです。
赤の文字に赤い丸だとわかりづらくなってしまうため、青を使うことでわかりやすくしてあげるといいと思います。

ノートはトピックの範囲が大きさに従って、左から順に書く

これは横書きのノートを想定していますので、縦書きならば「左から順に」を「上から順に」に変えてください。
これは先に例を出す方がわかりやすいと思います。

古典
 古文
  文法I
   ・単語
    読む
    降る
    〜〜〜〜
   ・熟語
      さらに〜ず
    〜〜〜〜

古典の授業用ノートがこのようになっていたとします。
この時、より大きなトピックから順に左に書いているのがわかるでしょうか。

古典>古文>文法I>・単語&・熟語>〜〜〜〜

というように、古典が示している範囲よりも古文が示す範囲の方が狭く、古文が示すそれよりも文法Iの示すそれの方が狭く…となっていることがわかると思います。
何故このように書くのかというと、そのトピックがどれくらいの大きさなのかわかりやすくするためです。
 
例えば、「・単語」と「・熟語」がどちらが大きいのか、それとも同じなのか。
例を見てみると同じところから記述が始まっているので、トピックの大きさとしては同じなんだということがひと目でわかります。
このようにひと目でトピックの大きさがわかるように書いておくと、今自分がどこを勉強しているのか自覚しながら学べるようになって効率が上がります
 
以上で授業用ノートの書き方のコツは終わりです!
ぜひ見やすくきれいなノートをとってください!

復習ノートの作り方編

復習ノートの作り方編

復習ノートは、今まで自分が習ってきたことや問題を解く中でわからなかったことと、その解法を記しておきます。
一つにまとめておくと、テスト前やすきま時間で効率よく復習することができますし、テスト直前に見ることで「自分はこれだけやってきたから大丈夫に決まっている!」という精神を安定させる力も持っていますので、成績を上げたい方はぜひ作ることをおすすめします。
 
以下に、復習ノートを作る上で大切なことを挙げていきます。

作っただけで満足せず、必ず見直す

復習ノートを作る上で最も大切なことでありながら、意外と皆さん陥りがちなミスが、書いて満足して見直すことをしないことです。
何故書いて満足してしまうかというと、書いたことで自分が完璧に覚えたと錯覚しているからです。
あとで書きますが、復習ノートは間違えた瞬間に書くものなので、その時はもちろん記憶が新鮮です。
しかし、そこで見直さないと単に書いただけで、ただミスをしてそのまま何もしなかったのと同じことになってしまいます。
 
私も地理の復習ノートを作った時に、初めてだったこともあって見直すのを忘れてしまいました。
しばらくしてノートを見直してみると、そこには同じテーマで間違えた箇所が何度も記入されていました。
一度書いたことがあったのにもかかわらずです。
これはまさにノートの内容をまるで覚えていなかった証拠であり、書くだけではダメであることを痛感しました。

科目ごとにまとめてノートを取る

これは授業用ノートと重複してしまいますが、基本的なところで、その科目ごとに一つずつノートを作るということです。
何故なのかはもちろん科目ごとに復習できるようにするためです。

ノートに使う色は原則二色にする

これも授業用ノートに書いたことと理由は変わりません。
復習はいかに効率よくするかが大切ですのでより見やすいノートにしましょう。
 
ただし、各大陸の気候分布などの、様々な色を使って図形的に表現しなければならないものは別です。
これに限っては色をたくさん使って、自分がわかやすいように丁寧に描きましょう。

文字は余白をとって大きく書く

授業用ノートと同じく、復習ノートも大きな文字で余白を取って書きましょう。
文字を大きく書くのは授業用ノートと同じ理由で、あとで見返した時に見やすくするためです。
余白を大きく取るのは、あとで関連した単元が出てきた時にプラスアルファで情報を書き込めるようにするためです。
 
例えば、数学の問題などは、軌跡の解き方でもベクトルの解き方でも解けることがあるように、様々な解法が存在する場合があります。
また、日本史や世界史でも、後々の世界で大きな影響を及ぼした出来事や、歴史を通じてある共通点を持った出来事などが多くあります。
こうした複数の単元にまたがったテーマは非常に重要なものであり、それ故に問題にもよく出てきやすいものでもあります。
そうした重要テーマを書きもらさないためにも、余白をあらかじめ空けておいて、あとの書き込みができるようにしておきましょう。

間違った該当箇所をより詳しく書く

これは、問題を解いたり知識をインプットしたりする中で、わからなかった箇所をあとで参照を簡単にできるように詳細に書いておくということです。

例えば、
数学の教科書「○○」の56ページのある問題で解の公式がわからなかったとしたら、ノートには

解の公式=~~~~~~
教科書○○ p56 第一問⑵

などというふうに書いておきます。
こうすると、あとで復習する際に教科書「○○」のp56を参照すればいいのだ、とすぐにわかります。
これをいちいち書くのは面倒な作業に思われるかもしれませんが、自分がどういう問題のどういう流れで間違えてしまったのかまで復習ノートに書くのは難しく、書いたとしても冗長になりわかりにくくなりがちです。
そのため、このように参照元を書いておくことで、簡潔かつ何故自分が間違えたのかまで網羅することができます。
これも忘れずにやりましょう。

間違えた箇所は箇条書きで、その場で書いていく

問題を解いたり知識をインプットしたりしていく中で、わからなかったところは間違えたその場で復習ノートに書いていきましょう
間違えるところは人によってまちまちでしょうから、文脈などを気にしなくていいように「箇条書き」で書いておくとノートの整合性が取れておすすめです。
 
何故間違えたその場で書いていくべきかというと、「その時」が一番自分がわからなかったところをより詳細に書くことができるからです。
人間は忘れる生き物なので、一度わからなかったところを放っておくと、何がわからなかったのかがわからなくなってしまったり、最悪の場合どこがわからなかった箇所なのかもわからなくなったりすることがあります。
わからないところを解決せずにそのままにしておくと、十中八九もう一度間違えます
それを何度も続けていると同じところを何度も間違えて、その度に考えることになり、時間と労力が無駄になってしまい効率が悪くなります。
何を間違えたのか、どこを間違えたのかをその場で詳しく記入しておくことで、より効率の良い復習をしてください。
 
以上で復習ノートの書き方のコツは終わりです!

さいごに

成績が上がるノートの書き方のコツは以上になります。
授業用ノートだけでなく、復習用にもう一つノートを用意するのは意外だった方もいらっしゃったかもしれません。
 
しかし、どちらのノートでも共通していることがひとつあります。
それは、「いかに効率よく復習ができるノートを作るか」です。
ノートは書くものではなくあとで見るものなので、それを常に意識してノート作りに取り組んでいってください。
 
この記事を読んで皆さんの学習の力に少しでもなれれば幸いです。
なお、ノートの取り方だけでなく「勉強のやり方」に不安があれば、家庭教師に相談するのも良いでしょう。
私も含め現役大学生や社会人・プロの家庭教師が、マンツーマンであなたの勉強をサポートいたします。

この記事を書いたのは

現役東大生ライター Y

家庭教師ファーストの登録教師。東京大学法学部に在学中。国語全般、特に現代文が得意です。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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