家庭教師ファースト教育コラム高校受験

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【社会編】高校受験「社会」の勉強方法を、現役東大生が解説

  • 高校受験
  • 現役東大生ライター Y

高校受験の社会では、「歴史」「地理」「公民」が勉強範囲となり、小学校の頃に皆さんがやった内容よりも広くなっています。
そのため、暗記に頼らざるを得ない部分も多くなり、苦手意識を持つ人も多いかもしれません。
しかし、暗記が必要ということは裏を返せば「覚えるイコール得点に繋がる」ということです。
すなわち、コスパが良い科目であると言えるのです。
 
この記事では、社会をどのように勉強していけばいいのか私自身の経験を踏まえて紹介していきます。
苦手意識を持たずに、より効率的な勉強の仕方で確実に得点をあげていけるようにしましょう。
 
なお、家庭教師ファーストには私も含め現役大学生・社会人やプロの家庭教師も多数在籍しています。
家庭教師を付けて相談してみるのも一つの手かもしれません。

高校受験の社会を学ぶ前の心構え

高校受験の社会を学ぶ前の心構え

高校受験は英語と数学をはじめに完成させる

これは皆さん陥りがちなミスですが、まずは数学や英語を固めましょう
高校受験は大学受験とは違って、数学や英語の配点が理科や社会より高いことは一部の進学校を除いてあまりありませんが、それでも英語や数学で特に差がつくのは確かです。
 
何故英語や数学で差がついてしまうのかというと、学ぶべき基礎知識が多く習得に時間がかかるため、勉強した分だけ人によって得点能力に差ができやすい科目だからです。
そのため、英語や数学で差をつけるor差をつけられないように、早いうちから準備しておく必要があります。
 
人によって個人差はあると思いますが、中学校生活の前半のうち(中学二年生前半まで)は英語や数学の勉強に時間を優先的に割いて良いでしょう。
社会科目は、後からでも十分完成に持っていける科目です。
現に、私が勉強を始めたのも中学二年生の三学期からでしたが、全国模試などでも十分志望校に届くくらいの点数は取ることができました。
 
もちろん個人差はありますので、どうしても英語や数学が間に合わないという人は、社会も同時並行して早めから進めておくのもひとつの手です。
逆に早く英語や数学が完成した人は、すぐに社会や理科に取り組んでもいいでしょう。
あくまでも自分の科目ごとの得意不得意を考えて、最も自分が本番で得点を取れる方法を選んで、逆算的に勉強に取り組んでください
 
また、塾に通っている・家庭教師を付けている方は、先生に勉強のバランスを聞いてみるのもいいでしょう。
高校受験をする方は、受験が初めてだという方も多くいると思います。
まずは大人の意見を聞いてみて、そこからプランを組み立てていくのが安全でしょう。

社会をどれだけの完成度にすべきか把握しておく

これは自分が受ける高校がどこなのかによって、求められる社会の完成度が変わってきます。
それを把握しておくということです。
社会は知識の幅が広いので、それに伴ってレベルの幅も大きく異なってきます。
自分がどこまで詳細に知っておくべきなのか、あらかじめ過去問などをみて理解しておくことが重要です。

歴史や公民についての漫画を読んでおく

いきなり教科書なり資料集なりで文字に触れても覚えにくいので、時間的余裕のある方はあらかじめ世界史についての漫画を読んでおくといいでしょう。
漫画は詳細ではありませんが、世界史の流れを大雑把にイラストに基づいて視覚的に理解することができます。
 
また、漫画だけで世界史をマスターできるわけでは決してありませんが、一度見たことのある内容を改めて学習すると「これは読んだことあるな」と思って理解しやすく勉強のハードルも下がるでしょう。
何より、勉強を漫画で手助けできるということがお得な気分になります笑。
 
実は私は高校生になってからそうした歴史系の漫画に触れたのですが、とてもわかりやすく大学受験の時の勉強にも大いに役立ちました。
その時に「どうして中学校のうちから読んでおかなかったんだろう」と後悔した思い出があるので、強くおすすめしたいです。

高校受験社会<歴史>の勉強方法

高校受験社会<歴史>の勉強方法

歴史の縦の流れ

まずは縦の流れを意識して勉強していきましょう。
日本で起こった出来事には、いうまでもなく全て理由があり、その積み重ねが今の日本の歴史を形成しています。 
まずは単語や年号などに囚われず、何故この出来事が起こったのかや、ある出来事とある出来事どうしの因果関係などに着目しましょう。
 
歴史の中で起きた出来事というのは、単にその直前の出来事だけを原因にしているもののみならず、今までの何世紀にもわたる歴史的背景を考慮した上で議論しないと説明のつかないものも多くあります。
そのため、どういう経緯でその出来事が起こっていったのかを常に意識して学ぶことで知識を集積していくことが求められます。

勉強方法(歴史の縦の流れ)

単語は人物名や出来事の名前などのことです。
本番のテストではこうした単語を書くことが要求されることが多いので、漢字なども含めて正確に書けるようにしましょう
また、年号についても重要です。
本番では出来事を起こった順に並べ替えたり、正誤問題などで順序が逆であることに気づくヒントにしたりさまざまなところで役立ちます。
また、学習過程においても「歴史のたての流れ」を把握する上で、出来事の前後関係を覚えるためにとても重宝します。
 
全てを一年単位で覚えておく必要はありません。
ですが例えば、鎌倉幕府開設が1192年(1185年という説も)といった、一年単位で覚えておくべき重要事項も存在します。

勉強方法(単語と年号)

単語

単語については、まずそれ自体を覚えようとするのではなく、今までやってきた歴史の縦の流れをおさえていく中で同時に覚えるようにしましょう。
何故なら、そうした歴史を紡いでいく上で大切となるのはターニングポイントとなる出来事や重要なキーパーソンであり、そうした出来事や人物は、教科書中に必ず紹介されており目にする機会も多いからです。
こうした単語を覚えるコツとしてはその出来事で何が起こったのか、その人が何をしたのかをセットで覚えることを常に意識することです。
 
例えば先ほどから例に出している1192年鎌倉幕府開設でしたら、「1192年 鎌倉幕府開設 源頼朝」をセットにして覚えれば、出来事名、人物名、年号を全て関連づけてひと手間で覚えることができます。
また、この三つの要素のうちどれか一つでも思い出せば、芋づる式に他の二つについても思い出しやすくなります
 
それでも覚えられない場合は、一問一答集を使って覚えるといいでしょう。
ただしこれは、歴史の縦の流れを覚えていない限りおすすめはできません。
何故なら、そういった流れと分断して単語だけが問題として出てくるので、流れを把握しづらくなるからです。
一問一答集に手を出すのは、「自分は、歴史の流れや繋がりについてはある程度覚えられている!でも具体的な名前や出来事が思い出せない」という段階に至った人のみでいいと思います。
 
一度目、二度目に間違えた問題などをチェックしておくことで、素早く復習することが可能になります
一問一答集も学校で配られる方はいるかもしれませんが、本屋などには様々なレベル別のものが売っています。
自分が今必要なレベルのものを選んで取り組んでください。

年号

年号については、単語と同じく歴史の縦の流れを把握する中で覚えることをおすすめします。
年号は単なる数字なので覚えられないことも多いと思います。
 
実際私も特に苦戦したのがこの年号でした。
出来事は覚えられたけど、いつも年号をわすれてしまうといった方は「語呂合わせ」を使って覚えるといいでしょう。
例えば、鎌倉幕府開設でしたら1192年なので、「い(1)い(1)9(く)2(に)作ろう鎌倉幕府」というふうに覚えます。
 
また、自作の語呂合わせを作るのもいいでしょう。
楽しいですし、その時に苦戦したり驚くほど上手くできたりした時の感情がエピソードとして記憶にストックされます。
その為、テスト中など焦っている時でも「あの時苦労して作ったなあそういえば」などと思い出すことができますし、必ず合っている確証を持って使うことができます。

高校受験社会<地理>の勉強方法

高校受験社会<地理>の勉強方法

日本各地の風景がイメージできると良い

これは必ずなくてはダメ、というわけではありませんが、日本各地の風景をイメージできると、なお勉強が捗(はかど)るということです。
例えば、「山梨県ではぶどうなどの果物栽培が盛んだ」という情報を覚える時には、山梨の果物農家の映像が思い浮かんだほうがしっくり覚えられます。
また、寺社の近くにできた都市についてイメージするなら、成田山新勝寺付近の発展した地域を思い出せたらかなりわかりやすいです。
 
こうしたイメージは自分の経験次第でかなり変わってきますが、ぴったりの経験があればあるほどすっきりと覚えられるでしょう。
まだ中学一年生や二年生の方は、テレビやインターネット上の動画プラットフォームで、旅番組やニュース番組を観ておくといいでしょう。
コンテンツとしても楽しめますし、その中で出てくる風景は印象的に演出されているものが多いため、記憶に残りやすいはずです。
あとでそこについて勉強した時に鮮明に思い出せるでしょう。
 
また欲を言えば旅行をしたいところではありますが、皆さんの年齢では単独でいくにはまだハードルが高いので、家族でよく行く人はラッキー程度に思っていてください。
実際私はテレビを良くみる習慣があり、かつ旅行に行くことも多かったので、こうしたイメージが人よりもたくさんあり、覚える上でかなり重宝したという自覚があります。

「何故?」を必ず把握する

地理についてはこれが最も大切であると言えます。
高校受験の地理では、「地誌」を中心に扱うことが多いです。
地域ごとにどういった特色があるのかを「農業」「工業」「その他産業」などの分野別にまとめてあり、それを教科書で順に習っていきます。
その時に大事なのは、その特徴が「何故」その地域でできたのかを自分が説明できるかです。
 
例えば、関東平野で畑作が盛んな理由は、「関東平野の土壌は関東ローム層という火山灰を中心としたもので、水はけがよいため稲作には向かず畑作に向いているから。」
海沿いに重工業の工場が立ち並んでいる理由は、「輸送コストがかかり海外に輸出することが多いため、海沿いだと船舶輸送をする際に輸送コストが抑えられるから。」
このように、農業、工業など分野を問わず理由が必ずあります。
これを覚えなければ意味はありませんし、実際に問題でもこうした理由を正確に把握できているかを問う問題が多数出題されています。

地理の勉強方法

それではどのように勉強していけばいいのかですが、基本的には教科書を基本として勉強していくのがいいと思います。
歴史と同じく文章でわかりやすく書いてあるので、声に出して読めばよく頭に入ってくると思います。
ただし、一つ注意が必要で、教科書には「何故地理的にそうなっているのか」を際立たせては書いていません。
 
例えば、「海沿いに工場がある」「理由は、海外に輸出する際の輸送コスト削減のため」だったならば、「海外に輸出するのに便利なため海沿いに工場があります。」などというふうに書いてあります。
そのため、どこが理由なのかが漫然に読み込んでいては、わからなくなってしまうこともあるので、常に読んでいるときは「何故」がどこにあるのかを意識して読み込むのがいいでしょう

高校受験社会<公民>の勉強方法

高校受験社会<公民>の勉強方法

新聞やニュースに目を通しておく

公民では、内閣、裁判所、国会、憲法など日本の行政や政治、法律の仕組みを学んでいきます。
新聞やニュースに書いてあるような出来事は、公民の範囲に特に関わってくるものです。
 
何故なら公民で学ぶ仕組みは現在社会で使われているものなので、ニュースなどで扱う出来事の中にさまざまな形で顔を出します。
例えば、衆議院議員選挙や参議院議員選挙などは、国会議員の選挙の仕組みに関わってくるのでとても勉強になります。
 
こうしたニュースに日々目を通しておくと、地理の時と同じく勉強した時にその体験が思い出せて大変わかりやすく覚えることができますのでおすすめです。
特に中学一年生二年生のうちは時間的にも余裕があると思うので、今後の教養という意味でも意識的にアンテナを張っておくといいでしょう。

名前だけでなくその「仕組み」を理解する

公民では単語もよく出てきますが、それ以上にその仕組みがどのようなものなのか、メリットとデメリットを理解することが大切です。
例えば、「三権分立」とはどのようなものなのかを簡単に考えると、
「司法、行政、立法を分けることで裁判所、内閣、国会が代表しているもの。アメリカで発展したとされており、当初は国王に権力が集中することを防ぎ互いに牽制し合うことで暴走を防ぐために存在している。」などとなります。
(教科書によっては見解が異なることもあるので、あくまで勉強方法を提示する際の参考として捉えてください。)
 
この場合、「三権分立」という単語だけを覚えても意味はありません。
その内容と、「国王に権力が集中することを防ぎ、互いに牽制し合うことで暴走を防ぐために存在している。」といった目的を把握して整理しておくことが大切です。
 
なお、勉強方法については基本的には他と同じで教科書を読み込むべきです。
理由も他と同じなので省略します。

復習ノートを作ろう

復習ノートを作ろう

歴史、地理、公民に関わらず、間違えたものをまとめる復習ノートを作っておくといいでしょう。
復習ノートを作っておくと、自分が間違ったところだけを効率的に復習できますし、テスト前の休み時間などに見直して精神的な安定剤としても一役買ってくれます。

間違った箇所を具体的に記入する

復習ノートに記入する際には、間違った箇所が具体的に問題集のどこなのかしっかりと記入しましょう。
例えば、2019年〇〇高校第一問⑴などと詳細に書きます。
あとで参照を簡単にできるようにするためです。
 
次に、自分がどのような文脈で間違えてしまったのかを書きましょう。
例えば、「三権分立を書き忘れた。」と単純に書くのではなく、「日本の政治の仕組みの中で三権分立を書き忘れた。三権分立とは、〜〜で、〜〜のためのものだった。」
というように、自分がどう問われて書けなかったのか、その出来事の詳細はどのようなものだったのか、一目で見て分かりやすいように書くといいでしょう。

作って満足せず必ず見直すようにしよう

そして、復習ノートを作ったならば必ず見直すようにしましょう。
ありがちなミスは、作ることに集中してしまい、作ったらそれに満足してしまい全く見直さないというものです。
 
私も、昔復習ノートを作っただけで満足してしまい、あとで同じような問題を解いても全くできなかった…という失敗をしたことがあります。
しかし、そのあと徹底的に見直すようにしたら二度と同じミスをしなくなったので、見直すことさえ怠らなければ、作る労力が報われてお釣りが来るくらい復習効率が上がります。

ノートに使う色は原則二色にする

復習はいかに効率よくするかが大切ですので、より見やすいノートにしましょう。
「色とりどりの方が見やすいだろう」と考えて、たくさんの色を使って書いてしまう人がいますが、まず意味がありません。
 
何故なら、仮に「赤・青・黄・緑の四色」を使っていたとすると、どの色で書いた文章が一番重要なのかわからなくなってしまう可能性が高いからです。
しかも、後で見直したときに色がチカチカしてわかりにくい上に、ペンシルケースはその分かさばるし、色をこまめに変えるだけ時間と労力も使うので、何もいいことはありません。
 
私はベースの色はもちろん黒ですが、色をつけたいときには青を使うことをおすすめします。
何故なら、先生に提出したり丸つけを余儀なくされたときには、往々にして赤ペンを使うからです。
赤の文字に赤い丸だとわかりづらくなってしまうため、青を使うことでわかりやすくしてあげるといいと思います。
 
ただし、各大陸の気候分布などの「様々な色を使って図形的に表現しなければならないもの」は別です。
これに限っては色をたくさん使って自分がわかやすいように丁寧に描きましょう。

文字は余白をとって大きく書く

復習ノートは大きな文字で余白を取って書きましょう
文字を大きく書くのはあとで見返した時に見やすくするためです。
小さな文字で書いてしまうと、書いた時はきっちりしていて満足感があるかもしれませんが、いざ見直すとなった時には文字が読みづらく辟易してしまいます。
 
文字の小さな本を読む時に根気がいることから、容易に想像つくでしょう。
余白を大きく取るのは、あとで関連した単元が出てきた時に、プラスアルファで情報を書き込めるようにするためです。
 
例えば歴史では、後々の世界で大きな影響を及ぼした出来事や、歴史を通じてある共通点を持った出来事などが多くあります。
こうした複数の単元にまたがったテーマは非常に重要なものであり、それ故に問題にもよく出てきやすいものでもあります。
そのため、そうした重要テーマを書きもらさないためにも、余白をあらかじめあけておいて、あとの書き込みができるようにしておきましょう。

さいごに

以上で、高校受験における社会を勉強するコツは終わりになります。
 
冒頭でも話しましたが、社会科目は暗記科目との印象が強く、頭を使わずに覚えなければならないというようなことを言う人もいますが、それは大きく間違っています。
確かに覚えなければならない単語や年号などはたくさんありますが、たくさんあるからこそ何故その出来事が起こったのか、なぜそういった地形、仕組みになっているのかを一つ一つ論理づけて学ばなければ到底覚えることはできません。
 
そして一度おぼえてしまえば必ず本番で解答することが出来るので、マスターすればこれほど心強い科目はありません。
苦手意識を持ってしまう前に、まずは能動的に勉強してみてください。
 
また、社会だけでなく「勉強のやり方」に不安があれば、是非私たち家庭教師に相談してみてください。
私も含め現役大学生や社会人・プロの家庭教師が、マンツーマンで勉強をサポートいたします。

この記事を書いたのは

現役東大生ライター Y

家庭教師ファーストの登録教師。東京大学法学部に在学中。国語全般、特に現代文が得意です。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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