家庭教師ファースト教育コラム大学受験

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現役音大生が語る音大受験~対策方法から志望校の選び方まで~

  • 大学受験
  • 最終更新日:2024.02.27
  • 現役音大生ライター M

この記事をご覧の皆さんは、きっと将来音大への進学を視野に入れているのではないかと思います。今回は、現役音大生である筆者が、音楽大学へ進学を検討している皆さんにとって有益な情報を提供できればと思います。

なお、受験勉強にお悩みの際には是非私たち家庭教師にもご相談ください!

音楽大学を目指すにあたって

音楽大学を目指すにあたって

音楽大学を目指すことは周りから少なからず反対が生じることがあります。音楽科がある高校ではあまり感じないかもしれませんが、普通科高校からの音楽大学進学となると周りから少し異質な存在に見られるかもしれません。

そもそも、音楽を生業とすることに対してあまり良いイメージを持たれないことがしばしばあります。その理由としては、やはりお金が関わってきます。将来の「安定」を考えたときに親の立場を考えると、公務員のような「安定」した職を求めてくるでしょう。

音楽と聞くと、バンドやミュージシャン、歌手、ピアニスト、演奏家、楽団員のような職業が一般的に考えられることが多いです。

そのどれもが印象として、大変狭き道であるということです。どの分野においても、プロフェッショナルと言われるまでになるには大変な労力と努力を要します。

私自身が高校の音楽科の先生に言われたことは、「音楽の道に進みたいと言った人には、まず否定から入る」と言われました。有名アーティストのバックミュージシャンになりたい!将来は世界で活躍する演奏者になりたい!という夢や希望を思い描いている人にとっては確かに良い気持ちにはならないでしょう。

しかし、現実問題として音楽大学の4年間を終え卒業したタイミングで、演奏の依頼のお仕事は舞い降りては来ません。ましてや世間から見れば、無名な名もなき“楽器が演奏できる人“という認識でしょう。

将来、音楽教員や音楽療法士、音楽教室講師などを目指している人は別として、人前で演奏する将来像を思い描いている人にとっては大変厳しい道であるということをよく心に刻んでおいてください。

国公立・私立大学の音楽大学

国公立・私立大学

国公立・私立の学費の違い

音楽大学と一言で言うとお嬢様学校のような印象を持たれるかもしれません。その要因の一つが学費の高さです。志望校を選ぶときに一番大きな点がこの「学費」であると感じます。

まず、ご家庭の経済状況や保護者の方とよく相談し音楽大学進学への理解についてよく話し合ってください。

音楽大学と名がつく大学は関東圏を中心に存在しています。そして、そのほとんどが私立大学です。日本には国公立の4つの芸術大学(東京・愛知・京都・沖縄)が存在しています。

そのほかには、教育大学などの音楽コースや教員養成コースとして音楽科を設けている大学もあります。

国公立では年間約50万円の学費で済みますが、私立ではその約4倍以上(200万円)の学費がかかっていきます。学費の視点から大学を選ぶのも一つの選択肢として言えるでしょう。

国公立・私立の音大受験事情

国公立・私立における入試形態の違いについて理解していきましょう。国公立では、共通テストなどの学力試験を受けるのが第一条件です。器楽や声楽などの実技試験のみでは受験はできません。受験希望(特に教育大学系統)の大学の学力も必要となってきます。

また、受験者の技術的な平均レベルが高い印象を受けます。

そして、芸術大学では非常に高い倍率のため浪人を覚悟してでも受験する方が多くいます。多くの方は浪人を経験して高い競争を勝ち進んでいます。また、合格が叶わなかった芸大受験生たちは滑り止めとして私立の大学を受けていることが多いです。

私立では、昨今の受験者数減少に伴い様々な入試形態が存在しています。一般入試、AO入試、推薦入試などが存在し、早ければ8〜9月ごろから入試が始まります。多いところでは1〜2ヶ月に一回のペースで入学者選抜が行われています。

また、夏や冬休みに一週間ほどの夏期・冬期講習が行われています。学校見学から実際に大学の講師陣の指導を受けられる良い機会となっています。受験におけるアドバイスなどももらえるため受けたい大学の体験レッスンや講習会があれば積極的に参加しましょう。

そして、私立音楽大学では演奏技術を学ぶ以外に音楽療法コースやバレエコース、演奏会の裏方やライブのスタッフ、レコーディングや音響を学ぶコースなど演奏会を円滑に進め舞台に携わる運営側の専門的な勉強をするコースもあります。

器楽や声楽の方は、大学の先生に定期的なレッスンを受講する際にかかるレッスン代、地方に住む方はレッスンを受けに行くまでの交通費などもかかってきます。大学に入学後のお金はもちろんですが、入るまでのお金もかかってくるのでその点もしっかりと視野に入れていきましょう。

実体験をもとに、音大受験の大学選びについて解説

実体験をもとに大学選びについて

大学を選ぶ基準とは

ここからは具体的な大学を選ぶ基準についてお話ししていきます。

1. 習いたい先生で選ぶ

音楽大学を選ぶ上で一番大切なことは、“習いたい先生のいる大学”を選ぶことです。一般大学では将来の夢や進路、偏差値や学部学科などで大学を選びますが、音楽大学では偏差値という概念はあまり存在しません。学力よりも音楽的なセンスや実技における演奏技術を重視します。

そして、習いたい先生がよくわからない方は大学のパンフレットなどから名前を調べたり、Youtubeなどから演奏動画を視聴したり、既に師事している先生のご紹介などで探していきましょう。

音楽を学ぶ上では師匠と弟子のような師弟関係が存在しています。習いたい先生、師匠の音楽的技術やセンスに憧れや理解がないと演奏技術向上は難しいと考えています。

もちろん、先生の言ったことが全て正しいというわけではありませんが少しでも自分の中の引き出しや考えが広がれば、この先生に師事してよかったと感じることでしょう。

2.学費の問題

国公立と私立の学費の違いは先ほど触れた通りです。国公立では学費が安い分受験者数も多くなります。しかし、私立では学費は高額ですが大学独自の奨学金制度や特待生制度を設けていることが多いです。高い成績で入学ができると入学金が免除されることもあるので是非調べてみてください。オープンキャンパスなどの説明会で聞いてみるのも良いと思います。

私自身は、習いたい先生がいる大学を選びそこが私立大学でした。特待生を目指し受験をしましたが叶いませんでした。

学費については、小学生の頃からプロの演奏家を目指していることを公言してきたためもあり、自分のやりたいことを後押ししてくれている両親でしたので、4年間の学費は負担してくれました。

3.練習環境

せっかく志望校に入学することができたとしても思う存分練習できる環境がないと意味がありません。特に自宅で音を出すことができない楽器の皆さんはしっかりと確認する必要があるでしょう。練習室の数や使用できる時間帯なども確認して大学生活をイメージしていきましょう。

そして、年功序列のように学年が上の先輩方が練習室を占領しているケースも見られるのでその大学の雰囲気もしっかりと確認しましょう。

4.大学の特色、雰囲気

習いたい先生が複数の大学で教鞭を取られている場合も少なくありません。その際は実際に先生からの助言をいただくと良いでしょう。学生の質などは実際にご指導されている立場からお話を聞くのが一番良いと思います。

また、複数の大学のオープンキャンパスに行くことは大変重要だと感じます。

高校一年の夏、とある大学のオープンキャンパスに行ったときの実体験を少しお話しします。

地方に住んでいた私は、とにかく音楽コースのある大学や音大のパンフレットを取り寄せていました。そのどれもが魅力的な写真や学生たちの様子が載っていました。そして、その大学特有のカリキュラムなど大学ごとのカラーの違いなども感じることができました。

その中で実際に、数箇所の大学のオープンキャンパスに行きました。当時の第一志望であった大学のオープンキャンパスを楽しみに向かう道中に自分の中で違和感を覚え始めました。

確かに、パンフレットで見た景色は目の前にあるものの全く心が惹かれなかったのです。

説明会が始まり、4年間をここで過ごすことを考えていくうちにここは自分に合っていないと感じました。

このような経験もあり、大学選びでは必ず現地に行き、その雰囲気を実際に肌で感じることが大切だと思います。ネームバリューがあったとしても、実際に自分がそこで4年間学んでいけるかは別問題です。

音楽大学の入試科目

音楽大学の入試科目

学科以外の試験について

音楽大学に限らず、音楽コースのある大学も共通して学力試験以外の以下の内容が必要となってくることが多いです。

  1. 専攻楽器による実技試験
  2. ピアノ以外の専攻楽器による副科ピアノ試験
  3. 楽典
  4. 聴音・視唱
  5. 面接

以上が音楽の専門的な試験となっていきます。

一つずつ簡単にご説明していきます。

1. 専攻楽器・声楽による実技試験

こちらは、自分の専攻する楽器による試験です。入試要項に課題曲や自由曲などが載っています。当日指定や任意による一曲など楽器や大学により異なってくるのでよく確認しておきましょう。

2. ピアノ以外の専攻楽器による副科ピアノ試験

ピアノ専攻以外の楽器の方は、入学試験でピアノも弾くことが多いです。私立大学では専攻楽器のみできれば良いという大学もありますが、教育大学や芸術大学を目指すみなさんは避けては通れない道ですので、早めの対策を行う方が良いです。

また、入学後も必修科目として1〜2年間は必ずピアノのレッスンがあるので、入試科目でピアノがなかった人もピアノは避けては通れません。

3. 楽典

楽典は、音楽の理論体系を学ぶ科目です。楽譜の表し方や、音程、調判定、楽語などが代表例です。大学ごとに出題方式が異なるため、過去問などで対策をしましょう。

4. 聴音・視唱

一般的にソルフェージュと言われるものです。聴音では、ピアノで弾いた音を楽譜に書き取る試験です。これはとにかく何度もやり訓練するしかありません。ピアノの先生やソルフェージュを教えている先生などから教えてもらう場合がよくあります。一人で行うには少し無理があるかもしれませんが専門的な教材は売られているので楽器店やインターネットで調べてみても良いと思います。

視唱では、コールユーブンゲンという教材を日本で採用している場合が多いです。大学によって異なりますが、あらかじめ数曲指定されているので当日指定なのか任意による数曲なのかは確認しておきましょう。

また、新曲視唱をコールユーブンゲンとは別に課題としてある大学もあります。新曲視唱は名前の通り、新しい曲で入試当日までどんな曲かはわかりません。その場で楽譜を渡され、数分間の予見(楽譜を見ることができるが、声に出してはいけない)があり、予見終了後に歌い始めるという試験です。

これも、とにかく何度も訓練していくしかありません。視唱の教材や聴音の教材を視唱として行うこともできるので自分に合った一冊を探してみてください。

5. 面接

面接では、志望動機や将来の夢といった一般大学と内容はあまり変わらない印象です。しっかりと音楽の道を志した理由が自分の中で明確にあれば問題はないと思います。

学校の授業との両立

音楽大学を目指す人にとって一番苦労することは高校における授業との両立です。私自身は普通科高校からの進学者であったため、音楽と学校の授業の線引きに多少苦労しました。私は数学の授業があまり好きではなかったため、どうしてこんな勉強をしなければいけないのかということを考える時期もありました。

しかし、音楽とはあまり関係がないように見えて、小学校から高校にかけて学んできた内容を音楽に活かせることができます。

当時苦手だった数学は、理論的な楽譜や規則性のあるリズムの読み取り、また現代音楽において数学的な作品も多いため、演奏する上での考えの助けとなっています。

国語のような文学であれば、音楽を作っていく上でストーリー性を持たせ、情景を想像することの助けになります。

また、社会で学んだ歴史はクラシック音楽の原点であるヨーロッパ圏のことも学びます。音楽作品単体の視点からだけではなく、その当時の社会的背景や文化を理解しているとより深い読み込みができると思います。

このように、今まで学んできたことは音楽をする上で意外なところで役に立っていたりします。音楽だけではなく広く浅く様々な知識が自分の音楽作りに影響を与えるので“音楽をやるための勉強”だと思って学校の勉強と両立していってください。

音楽大学に入ると、数学の授業や化学、物理といった授業はもちろんありません!

一生の間で高校でしかやらないと考えるとあっという間です。音楽に対する熱量を落とさないように勉強にもしっかりと向き合いましょう。

最後に

最後に

音楽大学進学を迷われている方へ

音楽大学に行こうか一般大学に行こうか迷われている方は、将来のなりたい自分像をよく考えてみましょう。音楽で食べていくことは決して簡単ではありませんが大学生の4年間を音楽に捧げて一生分の音楽をやりきって、卒業後は音楽と全く違う道に進む選択肢も大いにあります。

実際、卒業後の進路として音楽と全く関係のない仕事をしている方も多くいらっしゃいます。

また、音楽大学に進学しなくてもサークル活動で吹奏楽やオーケストラのサークル団体はどこの大学にも存在するので音楽はどこでもできるのが現状です。

勉強と音楽どっちを取るか迷われている方は、自分は将来何がしたいのかをよりイメージする必要があります。

とりあえず勉強をして大学を出て、それでも音楽を学びたいと感じているのであれば自分でお金を貯めて音大に入り直すのも一つの手段です。今の状況で将来の可能性を潰さないようにしましょう。

高等教育機関において芸術の音楽を専門的に学び芸術性・音楽性を培っていくのか、あるいは別の分野を学びながら音楽を楽しむのかの違いでしかありません。

音楽は全ての人に平等であり、心の支えとなる存在です。

自分の将来をよく考え、よく悩み自分の進路選択をしてください。

音楽大学進学を決めている方へ

まず、音楽大学進学を後押ししてくれたご両親に感謝をしましょう。これから莫大な学費や生活費がかかってきます。今、自分は音楽ができていることは親の存在があってからこそです。

音楽の道を志す上で紆余曲折があった方もなかった方も音楽に対する気持ちは誰もが同じはずです。純粋に音楽が好き、音楽を通して何かを学びたい、教えたいという強い気持ちがあれば大丈夫です。

将来が不安になり、挫折することもあるでしょう。しかし、そんな時に寄り添ってくれるのは音楽です。音楽は日常に溢れています。そんな素敵な音楽を共に学んでいきましょう。

また、お勉強の事で困ったことがあった際には、是非私たち家庭教師にもご相談ください!

この記事を書いたのは

現役音大生ライター M

家庭教師ファーストの登録家庭教師。昭和音楽大学音楽学部在籍。小学生~高校生まで指導経験あり。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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