家庭教師ファースト教育コラム勉強のコツ

家庭教師ファースト教育コラム勉強のコツ

「中1ギャップ」を防ぐには?中学入学前の対策と勉強法

  • 勉強のコツ
  • 2024.02.20
  • 家庭教師ライター H.K

本記事では「中1ギャップ」の概要と、中1ギャップが起こらないようにするための対策、また、小学校から中学校への接続をスムーズにするために入学前に出来ることをご紹介していきます。小学生や中学生のお子さんがいる方、小学校や中学校の教員をされている方等、幅広い方のご参考になりますと幸いです。

なお、勉強のやり方に困った際には、私たち家庭教師にもぜひご相談ください!

はじめに

中1ギャップ

「小1プロブレム(小1の壁)」や「中1ギャップ」という言葉をご存じでしょうか。前者は、小学校入学後、小学校の生活に適応することが出来ず、落ち着かない状態となってしまう状況を指します。

後者は、簡単に考えると小1プロブレムの中学生バージョンで、中学校入学後、小学校生活との違いからギャップを感じ、中学校生活に適応することが難しい状況を指します。両者に共通しているのは、生活環境が大きく変わる節目の年ということであり、それまで過ごしてきた生活スタイルや学校環境の変化によって生じる現象であると言われています。

小1プロブレムについては、幼稚園から小学校という遊びを中心とした生活から学びを中心とした生活になるため、その状況の変化から周囲の大人や教員も気に掛けて対応に当たりますが、中1ギャップについては、子どもがある程度成長してきていることや、学びを中心とした生活というスタイル自体には大きな変化が無いことから、小1プロブレムほどは注視されないこともあります。

しかし、中学生は、思春期に差し掛かることで様々な葛藤を経験する発達段階であり、掘り下げて見ていくと小1プロブレムより問題が複雑化しているケースも耳にします。そのため、中1ギャップについても軽視することは出来ず、中学校入学前からの対策が必要になります。

中1ギャップとは?

中1ギャップとは?

中1ギャップを防ぐ対策を知るためには、中1ギャップについて詳しく知っておく必要があります。本章に限りませんが、小学6年生や中学1年生の姿を想像して頂くと課題がイメージしやすいかと思いますので、子どもの様子を思い浮かべながら目を通して頂けたらと思います。

中1ギャップに関する概要

中1ギャップとは、中学校入学後、小学校からの学習内容や生活スタイルの変化に慣れることが出来ず、それまでの学習や生活環境との違いにギャップを感じて精神的に不安定になったり、不登校になったりすることを言います。

その背景としては、生活スタイルの変化に加え、所属する集団の単位がそもそも変化するということがあり、子ども個人としての要因と、集団の中の子どもとしての要因が挙げられます。

中1ギャップと一言でまとめても、どのようなことが要因となって中1ギャップに繋がっているのかということは個人によって異なり、要因もパターンも含めて考えると様々な対策が必要になると予想が出来ます。

なぜ中1ギャップが起きるのかということですが、小1プロブレムという問題もあるように、環境が大きく変化するタイミングでその変化の影響を受けやすい人が一定数います。これは、小学生や中学生に限ったことではなく、学習スタイルがさらに大きく変化する高等学校から大学、生活スタイルがガラリと変化する大学から社会人の節目においても共通のことが言えます。

現象に名前が付けられていることにより、それぞれが特別なこと、重大な問題と捉えられがちですが、長い人生の生涯を見てみると誰にでも起こり得る可能性はあり、それも一度ではないことも考えられます。

小1プロブレムや中1ギャップが増加している背景があるため、教育現場では大きく取り上げるべき課題となっていますが、中1ギャップが起きているからといって周囲の大人が過剰に反応することが必ずしも良いとは断言出来ません。

反対に、冒頭でも述べたように中学生という思春期に差し掛かる時期であり、周囲の大人からしたら少しの刺激であっても、発した一言、取った言動で子どもの気持ちを大きく揺らしてしまうこともあります。

中学校入学後に小学校までとは異なる言動が増加したからといって、問い詰めたり過剰に反応したりするのではなく、周囲の大人は冷静に、見守るようなスタンスで子どもと共に中1ギャップに向き合うことが重要であると考えられます。

しかし、実際に中1ギャップになっている状況を目の当たりにすると、見守っているだけでは心もとなかったり、見守りながらも手を差し伸べたりした方が良いケースもあるため、次項では要因ごとに生じる中1ギャップについてご紹介し、次章でその対策について見ていきたいと思います。

勉強についていくことが難しい

勉強についていくことが難しい

中1ギャップの中で比較的高い割合で見られるのが、勉強のつまずきに対する内容かと思います。勉強の内容が難しくなることも要因ですが、教科によって授業担当の教員が変わる方法になることも環境の変化という観点では、中1ギャップの大きな要因になっていることが考えられます。

多くの中学校が教科担任制(担当制)という方法を取って授業を行っていますが、小学校までは特別な教科以外全て担任の先生が授業を行っていたものが、中学校に入学すると同時に教科ごとに教員が変わることで、授業の進め方や課題の取り組み方、定期テストの形式等に対して戸惑いを感じる場合が多いです。

また、テストの形式も、小学校まではそれぞれの単元が終わるタイミングで裏表1枚のペーパーテストを行うことが一般的だったことに対し、中学校以降は「テスト期間」と呼ばれる期間にまとめてほとんどの教科のテストを行うことになるため、この点も小学校までとは大きく変わり、慣れるまでに時間が掛かる部分であると考えられます。

「テスト勉強」と改めて勉強をすることなく、ある程度の点数を取ることが出来ていた小学校時代があっても、中学校のテストにおいて同じように進んでいくことは難しく、点数が伸び悩むことについても中1ギャップの要因と考えることが出来ます。

このように、純粋に勉強の内容が難しくなってついていくことが難しいと感じている場合と、自分に合ったスタイルの勉強が出来ていないことで勉強に集中しきれない場合があるため、よく見極めて適切な対策に繋げて頂けたらと思います。

友人関係を円滑に構築出来ない

友人関係を円滑に構築出来ない

続いての中1ギャップを引き起こす要因ですが、友人関係の円滑な構築について挙げます。ここまでも何度か述べてきていますが、中学生という時期は発達過程が早ければ思春期真っ只中、特別早くは無くても思春期に差し掛かる年齢で、「自分とはどのような人物か」といった部分から自分と関わりがある周囲の人との関係の構築を深く考える時期です。

小学校までは、遊びやクラス活動等を通じて友人関係が比較的簡単に構築出来ていたものが、中学校になると自発的に行動しなければ友人関係の構築は難しい状況となり、小学校までとの違いに初めは戸惑う可能性があります。

その一方で、小学校までには無かった部活動が加わり、クラスの中で友人関係を築くよりも、部活動の仲間と友人関係を築くことが多くなり、小学校までとは親密な関係性になることも考えられます。

自分について内省する機会も増え、付き合っていきたいと考える友人にも変化が見られるため、小学校までのように会話したら、一度遊んだらすぐ友人関係になるというようなスピード感は無くなります。しかし、その分自分に合うスピード感で焦らずに構築出来るメリットもあるため、入学後は戸惑う部分もあるかと思いますが、温かく見守る姿勢が大切です。

上下関係に悩む

続いての要因として、「上下関係に悩む」ことも中1ギャップとして考えられます。ここで言う上下関係とは、先輩、後輩の関係です。小学校までは、クラブ活動があったとしても、先輩、後輩のような明確な区切りをつけて子ども同士が関わることは少なく、学年が異なっていても同級生と変わらない距離感で関わっていたかと思います。

しかし、中学校に入学すると、部活動への入部に関係無く学年が異なる生徒が関わる場面では先輩、後輩という上下関係が存在し、同じ子ども同士でも敬語を使うことや、それぞれの立場としての振る舞いや行動も変化することとなって、戸惑いを感じるケースが多々あります。

そこまで上下関係にこだわりがない、厳しくない環境であれば小学校までの学校生活とそれほど大きなギャップは感じませんが、上下関係を厳しくしている環境では、入学後や入部後からすぐに上下関係を意識した生活をしなければならず、慣れるまでの時間が確保されないこともギャップを感じる要因であると考えられます。

勉強面や友人関係の面については、中学校入学後に違いは見られたとしても小学校の時から続いていることではありますが、上下関係については中学校に入学して初めて経験することという子どもが多いため、この点も慣れるまでに時間を要する部分です。

以前と比較すると、上下関係に厳しすぎる風潮は好まれなくなり、先輩、後輩という関係性は保ちながらも、お互いに会話がしやすい環境の中で部活動が運営されるようになってきているところが多いですが、今もなお変わらずに上下関係明確にしている部活動や場面も少なからずあるため、それぞれのペースで慣れていくことが必要になります。

このような状態を考えると、部活動には入部しない方が良いのではないかと考える方も一定数いることが推測出来、実際に所属する子どもの割合も減少傾向ではありますが、この点は所属の有無が自由であるからこそ、個人の判断に委ねられる部分が大きいです。

上下関係については、中学校、高等学校で経験しないとしても、社会人になってから対応する力は必要となるため、部活動のうちから学んでおくことが出来るという点では、慣れるまでに時間を要することではあったとしても、今後に活かすことが出来る力として身につけることが出来ます。

また、部活動に入部することで新たな経験が出来ることも多いため、上下関係に躊躇して入部を諦めるという方向ではなく、どちらかというと、どのようにしたら入部した後に少しでも上下関係に悩まない日々を送ることが出来るのかという方向に考え、中学校以降ならではの経験も出来るように支援することが重要です。

価値観の相違

友人関係の構築に続く部分と関係してきますが、価値観が他者と異なることを目の当たりにする機会が増えるということも中1ギャップの1つになり得ると考えられます。

十人十色という言葉があるように、人間は皆異なる価値観を持っており、それは小学校の頃からありますが、中学校に入学して自分の意見をより明確に持ったり、発信したりすることが増えるため、「○○さんとはこれまで気が合っていたのに…」と感じることが増えるように思います。

ただし、価値観が異なることは決して悪いことではなく、自分と異なる人間であれば相違が起きることは当然と考えられます。しかし、中学生の発達段階を考えると、「友人と意見が違うのが不安」、自分の考えが少数派であれば「自分は間違っているのか」と悩みに繋がる可能性があります。

「みんな違ってみんないい」という言葉があるように、自分と他者は完全に別の人間で、大人に向かって成長しているからこそ、これまで仲良く出来ていてもそれぞれに考え方があるというような考えに至るまでは、中1ギャップに繋がらないような注意が必要です。

先々を見通さなければいけない

中1ギャップに繋がる最後の要因として挙げるのは、先々を見通した生活をしなければいけなくなることです。中々想像がつかないという方がいらっしゃるかもしれませんが、簡単に言うと進路について考えることが付いてまわるということになります。

小学校までは、中学校受験をしなければ内申(成績評価)や受験について考える機会はあまりなく、比較的自由に伸び伸び過ごすことが出来ますが、中学校に入学すると「受験」というワードが頭の中に出てきます。

受験が初めての経験であり、人生の中で見ても大きなイベントであることから心理的負荷が高く、小学校までとは勉強に対する捉え方が異なるため、中1ギャップとして表れることが多いです。

「先が分からない」、「見通しを持つことが出来ない」ということは誰でも不安になる要素であり、反対に少しずつでも先々について目標や目的を持って考えたり行動したり出来るようになると安心感に繋がります。

「この先をどのように考えているのか」周囲の大人としては気に掛かる部分ではありますが、中学校入学後はまず環境の変化に慣れることが大切であり、先々のことはそこからそれぞれ無理の無いペースで考えることが出来るように見守って頂けたらと思います。

中1ギャップを防ぐための対策

中1ギャップを防ぐための対策

本章では、前章で挙げた中1ギャップを起こしやすい要因に対する対策についてみていきます。どの要因についても、実際の場面で起こるように状況が明確であるほど理解しやすい部分がありますが、幅広い方に当てはまる対策を取り上げるため、イメージが湧かない方は実際の状況を想像しながら目を通して頂けたらと思います。

勉強についていくことが難しい

はじめに、勉強についていくことが難しい場合ですが、中学校の学習は基本的に学習内容が連鎖的になっているため、ある場所でつまずいたことが他の単元にも影響を及ぼすことがよくあります。

そのような状態になると、勉強に対するモチベーションも低下してしまうため、予習と復習をしっかり行うことをオススメします。4月の初めの方の授業では、オリエンテーションのような授業が続きますが、「はじめが肝心」という言葉があるように簡単な内容の授業であっても復習するように心掛けましょう。

しかし、どれだけ予習、復習に努めていても内容が難しくなるとついていくことが難しくなる場合も考えられます。そのような場合に、「分からないことが恥ずかしい」と子どもが思わないような環境作りをしていることが重要であり、気軽に質問出来る環境を日頃から整えておく必要があります。

「何が理解出来ていないのかすら分からない」という状況になることが一番避けたいことであり、そのような状況になる前に理解出来ていない部分が明確になっている時期があるはずです。その時期にどれだけ理解出来ることを増やしていくのかがポイントになり、勉強に対するギャップの広がりを防ぐことにも繋がります。

その一方で、予習、復習に加えたポイントごとの質問では補いきれない場合もあります。そのような場合は、塾や家庭教師といった利用出来る資源を活用し、勉強に関して不自由、不具合なく過ごすことが出来るようにしましょう。

友人関係を円滑に構築出来ない・価値観の相違

友人関係を円滑に構築出来ない・価値観の相違

友人関係に関することについは、人と人との関わりになるため、あらかじめ対策をして備えるということではありませんが、「自分がどのような友人と付き合っていきたいのか(過ごしていきたいのか)」を明確にしておくことは大切なこととして挙げられます。

中学校以上になると、浅く広く友人関係を築きたいタイプ、反対に深く狭く築きたいタイプ、いわゆる「親友」と呼ばれる様な友人が欲しいと願うタイプとそうではないタイプといったように、友人関係については様々なタイプが見られます。重要なことは、人付き合いをしていく上で自分が大切にしたいことを、ブレずに心の中に持っておくことです。

特に、中学校に入学したばかりの時は、「友人が少ない」と焦ってグループに入ろうとしたり、無理して話しかけたりする傾向がありますが、「波長が合う友人がいれば良い」とはじめから自分の中で思っていると、友人関係の構築に悩むことも減ります。そのため、学校生活を送る中で自問自答し、自分自身が本当に大切にしたいことを大切に過ごして頂けたらと思います。

上下関係に悩む

上下関係については、小学校の間に中々経験出来ることではありませんが、難しく考えず教員に対して敬語で話す習慣をつけておくと練習になります。昔は、学校の教員に対して敬語で会話することが当たり前のような風潮がありましたが、現在は特に小学校において友人感覚で会話する傾向があると耳にします。

幼稚園から小学校に移行したばかりの時は仕方ない部分がありますが、やはりあくまでも教員は教員であり、友人とは異なる存在であるため、会話の中で適切な敬語を用いることが重要です。

小学校において、教員に対し友人との会話と同じ口調で会話することに慣れてしまっていると、中学校に入学した際に、教員に対してはもちろん、上級生に対しても適切な敬語を用いることは難しいです。

上下関係に関する直接的な対策を小学校の段階から講じることは難しいですが、上下関係を円滑に築いていく第一歩として敬語の使い方を身に付けておくこと、敬語が難しい場合は丁寧な言葉で目上の方と会話する習慣を身に付けておくことをオススメします。

先々を見通さなければいけない

中学校に入学すると、「進路はどうするのか」ということが比較的早い段階からついて回ります。小学校までとは大きく異なり、自分で自分の今後を決めていくことになりますが、前章で述べたように分からない世界のことは誰でも不安を感じたり、特に自分で何かを決めることが少ない小学校までとは大きな違いを感じたりすることが考えられます。

そこで、中学校に入学する頃から、ぼんやりでも高等学校の名前を調べてみたり、やってみたいことを考えてみたりすることがオススメです。詳しく考える必要は無く、漠然と、出来るか出来ないかも別として、高等学校ごとで校風や力を入れている部分が異なっていることを知るだけでも気持ちは変わります。勉強のモチベーションが変わることもあります。

高等学校のことについて、何も分からない状態から、高等学校の形態は分かる、いくつかの学校の校風は何となく理解しているというだけでも、ただ先々のことについて漠然とした不安を感じている状況より前進出来ているため、精神的な面でも不安要素を減らすことが出来ます。

先々のことについて、自分自身で考えることはついて回りますが、分からないまま何となく過ごしたり、「受験はどうするの」と周囲の大人から尋ねられたりする前に、少しでも自分の中で「この部分は分かっている」ということを増やすことで、「考えなければいけない」、「考えさせられている」という気持ちからのストレス、それまでの生活とのギャップを感じにくく出来ると考えられます。

本章では、前章でご紹介した中1ギャップになりやすい要因について、その対策をみてきました。中学校入学前から出来ることもあれば、入学後に始めた方が良い対策もあります。

どちらにしても、「対策」というやや義務感のある取り組み方にするのではなく、「中学校はどのようなところなのか」、「入学後に楽しく生活を送るためには何が必要なのか」といった前向きな気持ちで移行期間を過ごすことが出来るようにして頂けたらと思います。

小学校から中学校への橋渡しを円滑にするために~勉強編~

小学校から中学校への橋渡しを円滑にするために~勉強編~

前章までは、中1ギャップに繋がりやすい要因と、各要因に対する対策についてみてきましたが、本章ではその中でも勉強面にフォーカスを当てて、中学校入学前から出来ることについてご紹介していきます。

中学校に入学して、勉強面で感じる小学校までとの大きな違いは、やはり教科ごとに教員が変わる授業スタイルであるということ、及びテストが定期テスト制に変化することが最も考えられる理由です。

教科ごとの勉強スタイルを確立する

これら2つのことについて、中学校入学前からどのようなことが出来るのかということですが、前者については、小学校6年生の授業において教科担任制を導入することが効果的であると考えられます。

既に、小学校において教科担任制を導入している学校がありますが、導入していないという学校であっても、全ての教科で導入する必要は無く、それぞれの学校において導入しやすい教科で実施することが望ましいと言えます。

気を付けるべき点は、教科担任制を導入することが目的ではなく、教科ごとに教員が異なる状況において、自分なりの学習スタイルを確立していくことです。板書の取り方(ノートの作り方)やテストの出題方法等、教員が異なることによって様々な部分で適応していく力が必要になります。

中学校に入学していきなり全ての教科において教科担任制となるのは子どもの負担が大きいため、前期なら前期、1学期なら1学期というように、1つの期間の中で様々な教員の授業を受けるという環境に慣れておくと、この部分に関するギャップは少なくなります。

定期テストに慣れる

そして、テストが定期テスト制に変わることについてですが、初めての定期テストで感じる不安や戸惑いは「定期テストとはどのようなものなのか」、「一度にこれだけの教科数を勉強するのか」といったこと等が考えられます。

前者の定期テスト自体に対する心配事については、作成する教員によって形態が大きく異なること、小学校では教科書に沿った決まったテストを実施しているため、入学前の段階で不安を払拭することは難しいですが、学期ごとのまとめのテストを定期テストのような形で実施してみることは1つの方法として有効かと思います。

自宅で出来ることとしては、テストが付属になっているドリルを購入し、前もって取り組む日程を決めて実施してみる方法が挙げられます。日程を決めるだけではなく、そこに向けて自分なりに勉強してみる期間を設けると、さらに定期テストに近い形で取り組むことが出来ます。

定期テストの教科数に対する戸惑いについても、上記の方法を実施してみる場合、複数の教科を一度に取り組んでみることが方法の一つです。小学校の授業に沿った勉強をしているだけでは、どうしても中学校の勉強量とは比較出来ない部分が出てきてしまいます。

中学校入学後の勉強に関する環境の変化に備えるため、学校の宿題や授業の予習、復習とは別に長期休暇や学期末等を利用してまとまった勉強をしてみると、中学校入学以降に感じるギャップを少しでも少ない状態に出来るかと思います。

また、教科数が多い場合の勉強方法については、計画的に進めていくことが鍵です。計画性を持って行動することは、勉強だけに必要なことではないため、小学校の場合は長期休暇に課される宿題を計画的に進めたり、終業前には持ち物を計画的に持ち帰ったりする等し、計画的に行動することに慣れておくことも有効な方法です。

事前情報を伝える

本章では、勉強面に関して小学校から中学校への橋渡しを円滑にするための方法をご紹介してきました。中学校は、小学生からすると未知の世界であり、どのような勉強をすることになるのか分からないだけではなく、年上の兄弟や親戚が居なければ定期テストということをそもそも知らない可能性は十分にあり得ます。

そのため、中学校に入学してから「こんなこと初めて知った…」という悪い意味でのギャップを最小限に抑えるため、周囲の大人は少しずつ「中学校とはこんな勉強をするところ」という大枠を伝えていくと良いかと思います。

新たな経験をすることで成長出来る部分も大いにあるため、何もかも事前に教える、事前に備えておく必要はありませんが、それまでの環境や勉強スタイルとギャップが大きすぎると中1ギャップに繋がりかねないため、子どもの性格や適応能力も考慮し、小学校最終年度は特に関わり方を工夫しながら過ごすことが重要です。

おわりに

本記事では、中1ギャップの概要、中1ギャップに繋がる可能性がある要因やその対策、最後に勉強に関して小学校から中学校への橋渡しを円滑にするための方法をご紹介してきました。

前提としては、中1ギャップには個人差があり、全く中1ギャップにならない子どももいれば、大きくダメージを受ける子どももいます。環境の変化への強さ、新た環境への適応のしやすさ等、様々な事が関係しており、中1ギャップにならない方が良い、なる方が悪いと一概には言えません。

大切なのは、中1ギャップになった時にどのようにしたら良いのか、また、あらかじめ性格的になりそうな可能性がある場合には予防のために前もって準備や行動を起こしておくことです。困った際にはぜひ私たち家庭教師にもご相談くださいね!

周囲の大人としては、出来る限り見守る姿勢を大切にすることを考え、ここぞという時にアドバイスをしたり、手を差し伸べたり出来るように日頃から子どもの気持ちに耳を傾けていることが重要です。一人でも多くの子どもが、小学校と中学校の接続を円滑に行うことが出来る一助になりますと幸いです。

この記事を書いたのは

家庭教師ライター H.K

家庭教師ファーストの登録家庭教師。5歳からピアノを始め、ピアノコンクール全国大会に複数回出場、上位入賞経験あり。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

記事を検索

カテゴリー

新しい記事

人気の記事

TOPへ戻る