家庭教師ファースト教育コラム理科・科学の雑学

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理科室にある実験器具の意外な値段【14選】

  • 理科・科学の雑学
  • 2023.11.27
  • 現役阪大生ライターS

みなさんは小学校・中学校・高校で、教室や体育館、家庭科室などに置いてあるものの値段を考えたことがありますか。普段何気なく目にしているものでも、それを買おうと思うと意外な値段がするかもしれません。

例えばみなさんの所属しているクラスの教室を考えてみましょう。そこにはどんな備品があったでしょうか。

まず初めに思いつくのは「黒板」でしょう。現在もほとんどの学校で、授業には黒板を用いています。黒板と言っても、タイプが主に二つに分類できます。1つ目は壁にがっちり固定するタイプの黒板です。中学校の黒板はほとんどこれです。そして2つ目は可動式の2枚ペアになった黒板です。一部の高校やほとんどの大学の大講義室の黒板は、上下にスライドできる可動式のものであることが多いです。さて、それぞれのタイプの黒板、一体どれくらいの値段がするでしょうか?

黒板の値段

黒板の値段

まずは実験には使いませんが、黒板の値段から紹介していきます。

1つ目の固定式の黒板、この平均価格は大体10万円くらいです。それに対して2つ目の可動式黒板はさらに高く、平均で25万円もします。25万円と言うと、大卒の新入社員が働いて1か月で稼ぐ金額くらいです。めちゃくちゃ高いですよね。

黒板はサイズも大きいし、素材も特殊なのでこれくらいの値段はしますが、教室の備品の全部が全部こんな値段になるということはありません。

例えば、黒板に書いた文字を消すための「黒板消し」ってありますよね。これは1つ約300円です。みなさんのお小遣いでも買えるレベルではないでしょうか。

さらに、黒板に文字を書くときに使う「チョーク」、こちらの値段はチョーク一本当たり約7円です。色のついたものになると20円くらいになりますが、白色の場合は10円にも満たないのです。

チョークをよく折って先生にこっぴどく怒られた経験のある人、いるのではないでしょうか。私もその一人です。しかしこの値段の現実を知ってしまうと、なんだか怒られて損した気分になりますよね。

そんな感じで、学校の備品の値段というのは、結構バカ高かったり、意外と安かったりするものです。値段についての知識を持ち合わせて学校生活を送るのは楽しいと思いませんか。

そこで今回は理科室にあるものの値段を、みなさんが一度は見たことがあるような物にできるだけ絞って紹介します。なぜ理科室を選んだかと言うと、多くの備品の値段が全然印象と違っていたからです。

きっとこの記事を読み進めると、みなさんは

「あの器具ってお小遣いで買えるんだ」

「雑に扱っていたものが、こんなに高いなんて知らなかった」

などの感想を抱くと思います。

それでは早速実験器具の説明と、その値段が一体どれくらいするのか、全部で13個の道具にわたって紹介することにしましょう。

実験をするとき、友達との話のネタにもなると思います。きっとその授業の時間もより一層楽しいものになるでしょう。せひ最後まで読んでいってください。

試験管の値段

試験管の値段

2つめは、理科の実験器具の代表格、知らない人はいないであろう「試験管」です。

試験管は、実験の様々な目的で使われます。一番多いのは、化合物を試験管にたくさん入れて、それを振って混ぜることで化学反応を促進するために使われます。他にも、薬品を一時的に保存しておくために使ったり、ラベルを張って試験管にある特定の役割を持たせたりでき、非常に幅広い用途で用いられています。

試験管の値段は一体どれくらいするでしょうか。予想してみてください。私は中学時代の理科の先生に、「試験管は高いから絶対に割らないように気を付けてね」と何度も念を押されていたのを覚えています。そのせいか、初め私は試験管一本の値段は1万円以上するものとばかり思っていました。

しかし実際はそんなに高くはなく、学校で使うガラス製のものは平均価格1本300円で買うことができるようです。

試験管って理科の実験でよく割れますよね。当時は「高いのになんでこんなによく割れるんだろう」と思っていましたが、実際はそこまで高くないというオチでした。

ただ、値段は割とピンキリで、衝撃に強く変形しない丈夫な試験管になると一本数千円するものもあるようです。それらは基本的に研究機関向けで、学校の予算で買えるようなものではないそうです。

なので、みなさんがもし理科の実験で試験管を割ってしまっても、そこまで萎縮する必要はなく、堂々と先生に「試験管割っちゃいました」と素直に白状しましょう。

棒型液体温度計の値段

棒型液体温度計の値段

3つめは、ガラスでできており、中の液体の水位によって温度を測定する「棒型液体温度計」です。

役割は単純で、液体の温度を測定するためにあります。よく用いられる場面としては、温度上昇による溶解度の変化の実験・相変化する温度の測定などがあります。どちらの実験も温度変化がかなり激しい実験です。水温は0℃~100℃まで変化するので、棒型液体温度計はその変化の幅に対応できる仕組みになっています。

液体温度計も、中学時代に割った人がこっぴどく怒られていたのを覚えています。今思えば私の学校は器具の破損に厳しいところだったのかもしれません。

この液体温度計、どれくらいの値段がすると思いますか。私は例によって数千円くらいするのではないかと勝手に思っていました。

しかし、これも平均価格わずか300円。ものによっては100円で買えるものもありました。

液体温度計の液体にはアルコールを使っているものが多いので、液体温度計の材料はガラスとアルコールが主であるということになります。これが、ここまで安価であった理由なのです。

二又試験管の値段

4つ目は、少しマニアックな実験器具になります。もしかしたら見たことすらない人もいるかもしれません。

二又試験管はその名の通り、途中から底の方に向けて2つに枝分かれしたような試験管になっています。こんなの何に使うのかと思うかもしれませんが、意外と入試問題頻出の実験を行うときに使います。

二又試験管の目的は、2つの物質を一気に反応させ、発生する気体を閉じ込めておくのが目的です。左側と右側にあらかじめ物質を分けていれておき、口に栓をしてふさぎます。そして本体を傾けて片方の試験管に物質を集めるようにします。すると反応した時に気体が発生しても、それが外に逃げることはありません。きちんと試験管内に閉じ込められています。

二又試験管の値段、予想がつくでしょうか。

「普通の試験管が300円だったから、その2倍の600円くらいじゃないか」

ふむふむ、なるほど鋭い考えですが、実際はもっと高いです。実に平均価格約1500円、この値段なら割って怒られても納得です。

ガラスをあの形に鋳造するのが難しかったり、需要が普通の試験管に比べて少なかったりすることから、価格が高めになっているようです。

丸底フラスコの値段

丸底フラスコの値段

5つ目は、フラスコの中で一番よく使われるものである「丸底フラスコ」です。これはみなさんご存じですね。

丸底フラスコは、どんな目的で一体その形に設計されたのでしょうか。主な長所として、「圧力・温度変化に強い」ことがあります。他のフラスコは、内部の圧力が大きく変化すると簡単に割れてしまいます。丸底フラスコの場合は、その円形の構造によって、内部の気体からガラスにかかる圧力が分散されて割れにくくなる仕組みになっています。なので、気体同士の反応を行う実験・液体を入れて強く熱する実験などに用いられます。

丸底フラスコは、その容積の大きさからそこそこの値段がつけられています。平均価格約1200円。妥当といったところでしょうか。

三角フラスコの値段

三角フラスコの値段

6つ目は、フラスコつながりで「三角フラスコ」を紹介します。

三角フラスコも、ある目的達成のために設計されています。その意図を推測できるでしょうか。

三角フラスコは、底面が平らで、上部に行くにつれて細くなっているような構造になっています。なので、液体を入れてまんべんなく熱を加えることができます。さらに気体の収集もスムーズに行えます。揮発性の高い物質に熱を加えるときなどでも、底が広いのでゆっくりと熱を加えていくことができます。

三角フラスコの値段は、丸底フラスコとそれほど変わりません。平均価格約1500円くらいです。三角フラスコはそこが広く安定しているので、誤って割ってしまうことは少ないかもしれません。

ガスバーナーの値段

ガスバーナー

7つ目に紹介するのは、理科の実験で使い方が比較的難しいとされている「ガスバーナー」です。

これまで紹介したものは全て「器具」だったので使い方はいたってシンプルでしたが、ガスバーナーはリボルバーや栓の操作が加わってそう簡単に使いこなすことはできません。といっても別に苦労して覚えるほどではありません。元栓を開け、ガスの栓を少し開けて火をつけます。ガスバーナーに引火したら、空気の調節ねじを回して火の加減を調整します。終わるときにしっかり元栓を閉めるのも忘れてはいけませんよね。

目的はいたって簡単。物質を加熱するための火を作ることです。

ガスバーナーの値段は、実験用となるとそこそこになります。平均価格は約3000円となっています。火の調整を細かく行うために、調整ネジに労力が注がれています。それから火を扱う道具なので、安全性を完全に保証できるまでいくつもの検定を受ける必要があるので値段も高くなっています。

アルコールランプの値段

アルコールランプの値段

8つ目に紹介するのは「アルコールランプ」です。名前は知っていても、使い方を知らない人も多いのではないでしょうか。理科の実験であまりアルコールランプを使う機会はありません。なぜならガスバーナーでアルコールランプの役割は大体つとまるからです。

アルコールランプの役割は本来ろうそくのように明かりを確保するのが目的ですが、実験になると火を確保するのが目的になります。

しかし、アルコールランプはガスバーナーと違って、火力を調整することはできませんし、きれいな青色の火にはなりません。ただし気軽に火をつけられるのはいい点です。

そんなアルコールランプ、お値段は平均約1500円と、ガスバーナーの半分以下です。

ものもちも良いのでコストパフォーマンスの点では優れています。火をつける芯は消耗していくので、そこはガスバーナーとは違う点です。

電流計の値段

電流計の値段

9つ目は毛色が少し変わります。電気回路の実験で用いる「電流計」です。みなさんが中学・高校の理科の実験で使うのは、電流計の中でも「直流電流計」のタイプがほとんどでしょう。直流とは一方的に回路を流れる電流の事です。その対義語は交流で、電流の向きが周期的に変化する電流の事です。電流の形は三角関数で表される波のような形になっています。

電流計の用途はシンプルで、特定の素子を流れる電流の値を測定するためにあります。

素子というのは、抵抗器・蓄電器・コイルなど、回路に何かしらの電気的な変化を与えるようなパーツの事です。といっても中学・高校の電流測定の実験で使うのは、大半が抵抗器だと思います。

そんな電流計の値段は、平均価格約2500円です。電流計は、電流を受けて、その強さに比例してコイルが回転することで指針の値を示します。内部の作りは繊細なので、値段も高めになっています。

ph試験紙の値段

ph試験紙の値段

10個目はみんな大好き「ph試験紙」です。リトマス紙と並んで、理科の実験では常連の試験用器具ですよね。

試験紙以外にも試験用の薬品はあります。例えばBTB溶液やフェノールフタレイン溶液、メチルオレンジなどが有名です。BTB溶液はみなさんも一度は使ったことがあるでしょう。酸性の溶液に加えると黄色に変化し、塩基性の溶液に加えると青色になる、という実験は必ず通る道です。

さて、ph試験紙はどういうところで使うでしょうか。そもそもphとは何か知っていますか。中学の理科でおそらく習ったと思いますが、一応説明しておきます。

phとは溶液が酸性・中性・塩基性のどのくらいのところにあるかを15段階に分けて測定するものです。値は0~14くらいに分かれていて、試験紙の色がどの値の色に最も近いかを目視で判断してphを測定します。

使いどころとしては理科の実験はもちろんとして、野外の水質調査で使った人もいるのではないでしょうか。私はかつてきれいな川で使うと試験紙の色はほとんど変わりませんが、都市部の川で使ったら色が5,6くらいになった、みたいなアクティビティをやった経験があります。色の変化で水の性質が分かるのは面白いですよね。

そんなph試験紙、値段は付箋よりもちょっと高いくらいです。1塊30円くらいとなっています。紙に溶液を少し浸透させるだけなので、値段としてはそこまで高くはなりません。

ちなみにリトマス紙は1塊200円弱と少し高めです。リトマス紙は、それを作る専用の植物があるので、その分価値があるという感じでしょうか。

教科書の値段

教科書の値段

11個目は、実験器具とは違いますが毎日の理科の授業で必ず使うもの、「教科書」です。

みなさんは教科書がどのようにしてみなさんの手元まで届いているかご存じでしょうか。国公立の中学校に通っている場合、教科書のお金は基本的に国の税金によって賄われています。つまり実質的にみなさんにとっては無料で教科書を手に入れることができているのです。

そんな教科書にも、もともとの値段と言うのは設定されていました。私立の学校や義務教育を外れてくると、教科書のお金はみなさんのご両親が出しています。さて、一体いくらくらいするのでしょうか。

理科の教科書の平均価格は約800円くらいです。理科の教科書は、社会の教科書よりも200円ほど高くなっています。なぜなら理科の教科書を作る際には、たくさんの図を乗せたり、大学の教授が何人も集まって監修をお願いしたりする必要があるからです。

印刷代・人件費が多くかかるので、値段は相対的に高くなっています。しかし、学校に使うという目的がはっきりしているので、理科の専門書のような値段はしません。基本的に教科書代というのは、色々な事情のある家庭でも無理なく負担できるように、良心的な価格で設定されています。

教科書を使うときは、自分のための教科書にお金を払ってくれた人がいることを忘れないようにして、大切に使うようにしましょう。

電子天秤の値段

電子天秤の値段

さて、ここからの3つはなかなか高価格なものを紹介することにします。

そのトップバッターとなるのは「電子天秤」です。別名「電子はかり」と呼ばれたりします。

電子天秤の用途としては、少ない量で小さな重さしか持たないような物質の重さを正確に測定するときに用います。薬包紙に測定したい物質をいれて、電子天秤にそっと置くことで重さが測定できるようになっています。

値段は一体どれくらいするか想像がつきますか。私は個人的に体重計くらいの値段だと思っていたので、数千円くらいだと勝手に予想していました。

しかし、実際は安いものでも約3万円するのです。結構驚きでした。安いものと言うのは、みなさんが学校でよく使うものを想像してもらえればいいと思います。正確と言えば正確に重さをはかることはできるのですが、測定した時によって示す値が変わったりしますよね。私の通っていた中学でもそうでした。

そこの「精度」にかなりこだわった高精度な電子天秤をご存じでしょうか。電子天秤の周りはガラスの板で囲まれていて、空気の循環・不純物による重さの微小な変化も防ぐ仕組みです。さらに内部構造もさらに緻密になっており、値段もかなり変わります。

そのお値段は実に9万円ほど。安いものの3倍以上の値段がついています。高校は私立だったので、実験室の電子天秤はこのタイプでした。これを知っていればもう少し慎重に扱っていたことでしょう。

電子顕微鏡の値段

電子顕微鏡の値段

次は顕微鏡の中でも最も高価な「電子顕微鏡」です。

使ったことはないにしても見たことはある人が多いと思います。私もその一人です。電子顕微鏡の操作が許されたのは理科の先生だけでした。そして調整し終わったらレンズをそっと覗くことだけが許可された、という感じです。

電子顕微鏡の用途としては、とにかくミクロなスケールのものを観察することにあります。最も有名な使い方は、「金属の原子配列を観察する」ということでしょう。するときれいな格子構造をして原子が敷き詰められているのが観察できるのです。他にもカジュアルな使い方として、微生物の動きを観察することなどがあります。

ミクロなものの研究をするときには、ずっとこの電子顕微鏡を触ることになるかもしれません。

そんな電子顕微鏡ですが、その性能を考えても値段は明らかに高いという想像がつきますよね。理科室においてあるものは、大体平均して50万円ほどです。電子の研究を行っているようなところにある、大きさのある電子顕微鏡になると、1000万くらいするものもあるそうです。性能によってかなりピンキリということです。

それだけ高いなら触らせてもらえないのも納得ですね。

人体模型の値段

人体模型の値段

さて、最後に紹介するのは、理科室の奥にひっそりとありがちな「人体模型」です。

人体模型って一体何に使うのでしょうか。正直私が知りたいです。というのも私の経験上、理科の授業で一度も人体模型を使ったことがないからです。勝手に理科室のインテリア的な役割なのかと思っています。

そんなパッとしない人体模型、そんなに高くはなさそうと思いませんか。プラスチックのパーツが組み合わさっただけだし、プラモデル感覚で買えそうですよね。私も初めは5万くらいで買えそうと勝手に思っていました。

しかし察しのいい人なら気づいているかもしれません。トリをつとめるということは、これが最も高い値段のするものだということに。

そうなんです、きちんとした人体模型の値段は1体につきなんと100万円。ちょっと信じられない値段じゃないでしょうか。

色々調べても、あれだけ高価である具体的な理由はどこにも載っていませんでした。もしかしたら、人体模型には何か秘密が隠されているのかもしれませんね。

さいごに

理科室の備品の値段を14個紹介してきました。いかがでしたか。理科が苦手な生徒さんも、視点を変えることで少しは興味を持ってもらえたのではないでしょうか。

最後らへんに紹介したものはなかなか衝撃的だったのではないでしょうか。器具を見る目が変わったかもしれません。こういった風に、周りのものの価値について考えるのは面白いことです。素材の価値観が身に付きますし、友達と話すネタにもなります。

理科が苦手でお困りの際は私たち家庭教師にも是非ご相談ください。

この記事を書いたのは

現役阪大生ライターS

家庭教師ファーストの登録教師。大阪大学工学部に在学中。中学時代から独学で私立TOP校・大阪大に合格。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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