家庭教師ファースト教育コラム音楽・楽器

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ピアノを習う上で「保護者」が果たす役割とは?~知っておきたい心構え~

  • 音楽・楽器
  • 2023.12.12
  • 音楽家庭教師ライター H.K

習い事が多種多様になっている昨今、音楽関係の習い事として昔からメジャーであったピアノやヴァイオリンに加え、管楽器や声楽(合唱)といった音楽関係の習い事も主流になってきました。しかし、やはり最もメジャーとされるのはピアノであり、音楽関係の習い事が増加してきた中でも、人気が高い習い事と言えます。

しかし、ピアノに限ったことではありませんが、楽器を必要とする習い事は、習い事の中でも道具や環境といった観点からお子さんの「やってみたい」という気持ちだけでは始めることが難しい部分があり、保護者の方の理解や協力が他の習い事と比較するとかなり必要かと思います。

そこで、本記事では「ピアノを習う上で保護者が果たす役割」にフォーカスし、お子さんがピアノを習う上でどのような心構えや行動が必要となるのか、様々な状況に応じた内容をご紹介していきます。

お子さんがピアノを習うことを検討されている方、既に習っていて今後について迷われている方等、幅広い方のお役に立てる内容をご紹介しますので、該当する部分や気になる部分を中心に目を通して頂けたらと思います。

なお、ファーストでは私も含めたピアノの家庭教師を紹介しています。先生との相性を確認してから始めることができるので、是非検討の一つに入れていただけると幸いです。

お子さんがピアノを習う上で保護者の方に必要なこと

お子さんがピアノを習う上で保護者の方に必要なこと

お子さんが「ピアノを習いたい」と伝えてきた時、「家にピアノが無いのに…」、「どこの教室に通うのが良いのか…」といった様々な疑問が出てくると推測します。ピアノは、習い事として教室に通っている時間だけでの上達は難しく、自宅での練習が必要と考えると、レッスン時の環境だけではなく、練習時の環境整備も必要となる習い事です。

その過程において、保護者の方が果たす役割は大きく、お子さんのピアノの上達や、音楽的な成長に保護者の方の協力は必要不可欠です。その内容については、「こうあるべき」と決まっているものではなく、あくまでもプラスアルファの部分になります。

すなわち、保護者の方に必要なこととして挙げますが、本記事で述べる全てのことをしなければ、お子さんがピアノを習うことが出来ないというわけではないため、あくまでも一例として可能な範囲で実際の場面に活かして頂けたらと思います。また、反対に、挙げる内容の中で通う教室として望ましくないとしていることもあるため、その点についても教室の運営に沿って頂けますと幸いです。

その上で、保護者の方に最も必要となることは、お子さんがピアノを習い続けるための環境の整備です。考えやすいこととしては、ピアノを練習するための環境作りが挙げられます。ピアノに限ったことではありませんが、練習が上達の鍵になる習い事においては、実際に通っている時間だけではなく、その他の練習時間が非常に重要になります。

その練習も、良い環境とそうではない環境を比較した場合、練習内容や方法にもよりますが、やはり良い環境の中で練習出来る方が上達は早いです。したがって、練習環境を整備することが最も必要なことであり、良い環境で練習し続けることが出来るように心掛けて頂けたらと思います。

そして、レッスン時も保護者の方の力が必要になる場面が時々あり、レッスンを動画に収めたり、担当講師からレッスンの状況や、次回までの課題の説明を受けたりといったことが挙げられます。しかし、レッスン時のことについては、各教室の運営方針があるため、規則や担当講師の指示に沿って臨機応変に対応しましょう。

この他、コンクールや発表会の参加についても、お子さんの練習だけではなく保護者の方の力が必要となり、レッスン時、レッスン以外の場面でも細かい部分で様々な役割を担うこととなります。

お子さんが取り組む習い事であっても保護者の方の力が必要となる習い事は多々ありますが、ピアノはその中でも保護者の方の支えの下で継続出来る部分があるため、お子さんの年齢に関わらず、習い事として取り組んでいる間は保護者の方の力が必要と捉えて頂くと良いかと思います

本章では、お子さんがピアノを習う上で保護者の方に必要なこととしていくつか簡単に例を挙げながらご紹介してきました。次章からは、本章で挙げた内容を中心に詳細を解説すると共に、内容によっては継続年数に応じた対応についてもみていきます。

必要なこと~環境編~

必要なこと~環境編~

ピアノを習う上で、保護者の方が果たす役割として最も大きいと言えるのが環境の整備です。英会話や塾であれば自室で、スポーツ系の習い事であれば公園や地域の公共施設の体育館で宿題や練習を行うことが出来ますが、ピアノの場合は自宅に練習環境があることが習い始める上での第一歩になります。

とは言っても、ピアノを習っている人の全員が自宅にグランドピアノを置いているのか、自宅に防音設備を施しているのかと言うと、必ずしもそうとは限りません。ピアノを習う上で、グランドピアノを所有していることがマストではありませんし、ましてや防音環境が整っているケースはそれほど多くはありません。

それでは、どのように環境整備を行うべきなのかということですが、どのような形であっても、まずは練習出来る道具や機材がある状態にすることが重要です。ピアノの設置については、物理的な場所についての問題もありますが、決して安いものではないため、金銭的な問題もあります。

つまり、ピアノを習いたいと言われてから、あるいは、お試し期間(体験期間)を大幅に超えてから考えることになると負担が大きくなるため、事前に情報を持っておくことが心構えとして大切になります。本記事では、環境としてピアノ本体のこと、ピアノを設置する場所に分けてご紹介します。

ピアノ本体について

はじめに、ピアノ本体についてですが、先にも述べたようにピアノは安い買い物というわけではないため、「本当に続くのか心配」、「買っても使わなかったら…」と考えると、簡単に購入に踏み切ることは難しいかと思います。

結論から述べると、初めからピアノそのものを購入する必要はありません。もちろん、「初めからしっかりしたピアノで練習して欲しい」という場合は購入するべきですし、どのようなことにおいても本物に触れているからこそ得られる学びがあるため、購入することにメリットは様々あります。

だからと言って、すぐに購入出来るものではありませんし、通う教室によりますが、初めから購入を推奨してくるケースはそれほど多くはありません。購入に不安がある場合は、電子ピアノの購入、電子ピアノが難しい場合は電子キーボートの購入をおすすめします。

機能の充実度や購入先のメーカーにもよりますが、電子ピアノの場合は、グランドピアノの約10分の1の価格で購入することが出来ます。電子キーボードの場合は、さらに費用の負担は少なくなるため、購入に対するハードルが比較的低いと言えます。

電子ピアノと電子キーボードの違いですが、最も異なる点としては鍵盤の数で、電子ピアノは鍵盤の数が88鍵あることに対し(本来ピアノにある数と同様)、電子キーボードの場合は88鍵より少ないことが多いです。

習い始めの時期は、それほど広い音域の曲を演奏しないため、電子キーボードの鍵盤数でも問題ありませんが、上達して曲が難しくなっていくと鍵盤数が足りない事態が起こり得ます。そして、鍵盤以外で異なる点として、ペダルの有無が挙げられます。

ピアノは、通常ペダルが3つ付いており、電子ピアノの場合でも基本的には3つ、3つ付いていない場合でも主要な2つのペダルは付いていることがほとんどです。これが、電子キーボードの場合は、キーボードそのものしかないため、ペダルが付いていないことが多いです。

鍵盤と同様に、習い始めの頃はペダルを使用する機会があまり無いため問題には感じませんが、上達のペースによっては習い始めてから数年しないうちにペダルを使う曲を練習することになる場合があり、結果として習い始めてからそれほど経たないうちに電子ピアノを購入することになる可能性があります。

このように考えると、電子ピアノと電子キーボードの購入で迷われる場合は、それほど遠くない将来を考えて電子ピアノを購入することもひとつの選択肢となります。電子ピアノの場合、基本的に音量調整が自由に出来たり、イヤホン・ヘッドホンの装着が可能であったりするため、防音の観点だけではなく、時間を気にせず練習出来る点もメリットです。

電子キーボードのメリットは、物理的な面でも費用の面でも購入のハードルが低いことが挙げられます。物理的な側面としては、設置場所に困らないことが利点であり、固定で設置しておかなくても良いため、練習したい時に設置して練習することが出来ます。

保管時は、立てかけておくことも出来るため、必要とする場所の範囲が狭いことが特徴です。費用の面については、電子ピアノと同様に機能やメーカーによりますが、概ね電子ピアノの10分の1の価格で購入することが出来ます。機能が充実して88鍵揃っているものもありますが、そのような場合でも約5分の1以下の価格で購入出来るため、費用に関するハードルの低さも大きなメリットです。

また、電子ピアノ、電子キーボードどちらにおいても「電子では練習にならないのでは…」という声を耳にすることがありますが、技術の進歩は目覚ましく、アップライトピアノやグランドピアノを再現した電子ピアノが販売されています。価格は、通常の電子ピアノと比較すると高くなりますが、「アップライトピアノやグランドピアノの購入は難しい…でも、本物に近い形で練習して欲しい」という場合には最適です。

続いて、アップライトピアノやグランドピアノですが、アップライトピアノとグランドピアノで最も異なる点は、楽器本来の良さです。メーカーや種類によって異なる点は多々あるため、ひとつを挙げることは難しいですが、鍵盤のタッチや音の響きの充実度が大きく異なります。

最も本物のピアノとすると、それはグランドピアノになりますが、日々の練習はアップライトピアノでも十分行うことが出来ます。機能的な面は、グランドピアノと大きな差は無いため、電子ピアノと電子キーボードのように、鍵盤の数やペダルの数を気にして購入するといった必要はありません。

そして、アップライトピアノの最大のメリットは、設置場所の範囲をそれほど大きく取らないことです。形状を考えた時、グランドピアノは突出した部分があるため、コンパクトな物であっても設置場所はそれなりの幅を必要としますが、アップライトピアノは弦を縦に並べている構造であるため、グランドピアノで突出している分の幅が少なくなっています。

グランドピアノを設置するとなると、それだけで1部屋が埋まってしまう可能性がありますが、アップライトピアノは設置したとしても、その他のスペースを十分に活用出来る広さが残るため、設置場所にそれほど困らないことは非常に大きなメリットです。

グランドピアノを購入するメリットは、何と言っても日々本番と大きく変わらない状態で練習出来ることが挙げられます。同じピアノでも、アップライトピアノとは鍵盤のタッチが異なるため、より本物の形で、本番にも近い形で練習を行うことが出来ます。

アップライトピアノ、グランドピアノ共に、習い始めから購入することはハードルが高いため、お子さんの意向や上達のペース、指導講師と相談しながら考えて頂けたらと思います。どのような形であっても、ピアノの購入を考える際は、考える過程で楽器店に現物を見に行き、実際の設置場所を想像しながら検討してみてください。

ピアノを設置する場所について

ピアノを設置する場所について

本項では、ピアノを設置する場所についてみていきますが、設置場所で最も気になる点は防音環境かと思います。電子ピアノや電子キーボードで練習を行う場合は、それほどシビアになる部分ではありませんが、アップライトピアノやグランドピアノで行う場合は、近隣住民の方への配慮が必要です。

多くの家庭で実施出来ることは、10時から18時の間というように練習時間を守ることや、窓、ドアは完全に閉め切る対策が挙げられます。ここにプラスアルファで出来る対策としては、ピアノ周りの床に毛布を引く、部屋を防音設備にする等があります。

毛布については、「そんなに簡単なことで良いのか?」と思われる方がいるかもしれませんが、毛布を引くと音の響きが吸収されるため、引かずに演奏するよりも全体として音量を抑えることが出来ます。ただし、ものすごく強力な吸収効果があるわけではないため、毛布を引く=完全な防音効果が得られることにならない点は注意が必要です。

防音設備については、工事費用が高いことから、防音が施されたボックスを部屋の中に置く形が部屋全体の工事を行うよりも手軽として普及しています。しかし、メーカーによって価格にばらつきがあることや、大掛かりな工事と比較して手軽ではあっても、余裕をもってアップライトピアノ1台購入出来る価格であるため、ピアノを購入してさらに防音ボックスもというのはハードルが高いかと思います。

先にも述べましたが、基本的には出来る範囲の中でなるべく音が外部に漏れないように注意を払う形で、おおよそは問題なく練習を行うことが出来ます。それでも難しい場合は、ピアノによってサイレントモードが備わっている場合があり、ピアノ購入時にそのような機能が付いているものを選ぶことも可能です。様々な状況を総合し、ベストな環境を考えてみてください。

本章では、保護者の方が果たす役割として最も大きいピアノを習う上で必要な環境についてご紹介してきました。楽器や設備のことを考えると、ピアノを習うことが難しいことのように感じますが、楽器についても設備についても様々な選択肢があるため、実際に目で見て確かめながら整えて頂けたらと思います。

必要なこと~レッスン編~

必要なこと~レッスン編~

続いての心構えが必要なこととして、レッスンに関係することについてみていきます。ここでご紹介するのは、教室選びに関することと、レッスン時の保護者の方の対応に関することです。どちらも、ピアノを習う上では必ず通る道ですので、情報として知っておいて頂けたらと思います。

教室選びについて

1つ目は教室選びですが、教室は、大きく分けると、講師が個人で指導を行っている場所、企業が展開している場所、講師が生徒の自宅に出張する場合があります。ピアノは、講師と生徒が1対1となる個人レッスンが主流であるため、どの教室を選んだとしても基本的には決まった時間しっかり指導を受けることが出来ます。

それでは、大きく3種類の教室形態がある中で、それぞれどのような点が異なるのかということですが、講師を選択出来るか否かという点と、本番の規模が大きめか小さめかという点が挙げられます。

はじめに前者ですが、企業が展開している教室、講師が生徒の自宅に出張するタイプでは、そこで指導している講師が大勢いるため、お子さんに合う講師から指導を受けることが出来ます。

完全に相性を合致させることは難しいですが、お子さんの性格を考慮して講師を紹介してくれたり、学校の予定やその他の習い事とのスケジュールを考慮してくれたりすることがあります。事前に情報を伝えておくことで、教室側がベストな講師を提案してくれることもあれば、体験レッスンを受けてみた感想を基に決定することもあります。

その一方で、講師が個人で指導を行っている教室は、その教室には基本的にその講師しか指導出来る講師が居ないため、講師が大勢居る教室のように選ぶことは出来ません。「講師を選ぶ」という言い方に違和感を感じる方がいるかもしれませんが、1対1の指導が続くとなると、お子さんと講師、保護者の方と講師の関係性は非常に重要です。

習っていく過程で講師交代を希望することも出来ますが、講師によって指導方針や使用教材が異なることでお子さんが対応していくことが大変になってしまうため、可能な限り習い始めて数年は同じ講師から指導を受けることが望ましいです。このようなことから、教室選びのひとつの視点として、良好な関係を築くことが出来る講師であるか否かが重要なポイントとなります。

そして、本番の規模についてですが、ピアノ教室は年に1回発表会を行っている場所が多くあります。発表会の実施自体に大きな差はありませんが、講師が個人で指導を行っている場合は、その教室に在籍している生徒の中で参加希望がある生徒に限定されることに対し、企業が展開している教室、講師が出張で指導を行っている教室は複数人の講師が合同で行うため、必然的に参加する生徒数が多くなります。

規模が大きい方が良い、小さい方は良くないということはありませんが、それぞれにメリットやデメリットがあるため、お子さんの性格やピアノを習う方向性を考えながら、教室選びの視点に組み込むと良いです。

規模が大きい場合は、自分が演奏するだけではなく、自分と同世代の生徒や、先輩生徒の上手な演奏を聴く機会にもなるため、今後習っていく上での刺激を受けることが出来ます。その反面、大勢の前で演奏することになるため、相当な緊張やプレッシャーを経験することになります。

一方で、規模が小さめの場合は、顔見知りの生徒が多い中で演奏出来るため、過度な緊張状態には陥らず、安心出来る環境の中で演奏することが出来ます。その反面、「馴れ」が生じてくる可能性があるため、お子さん自身が演奏についての刺激を受けたり、向上心を持つ機会になったりするか否かはお子さんのモチベーションに掛かってしまいます。

このように、講師の選択や本番の規模の大小にはそれぞれにメリットとデメリットがあり、運営している講師や展開している企業の方針によっても変わってきます。どの教室においても、基本的には体験レッスンを行っているため、様々な教室を見学したり体験したりして、お子さんが「ここで習いたい」と思える教室を選択して頂けたらと思います。

レッスン時の保護者の方の対応について

本項では、レッスン時の保護者の方の対応についてみていきます。レッスン時間は教室によって異なりますが、基本的には週に1回、30分から1時間講師の指導を受けます。レッスンは、保護者の方の同伴を自由としているところが多いですが、場合によっては同伴を求められる教室もあります。

同伴ではない場合は、必要に応じて送迎のみで問題ありませんが、同伴が必要な場合は、決められた時間内のレッスンを見学します。場合によっては、レッスンの状況を動画で撮影するよう指示が出ることもあります。これは、レッスンの内容を家庭での練習で復習しやすくするためです。

多くの習い事は、お子さんを送り出すとその間の時間は保護者の方が自由に行動出来る場合が多いですが、ピアノの場合はお子さんがレッスンを受けている時間を共に過ごす場合があるため、この点は頭に入れてスケジュールを組む必要があります。

本章では、ピアノを習う上で環境編の次に重要なレッスンに関する内容についてみてきました。「自宅から一番近い教室」、「評判が良い教室」で選びがちですが、それぞれの教室で特徴が異なるため、通いやすさにプラスして本章でご紹介した視点も盛り込みながら教室選びをしてみてください。

必要なこと~その他~

必要なこと~その他~

最後に、「その他」として、環境やレッスンには含まれない部分で保護者の方が果たす役割についてご紹介します。この項目は、ピアノを習っている上で全員が通るべき過程ではないため、必要状況に応じて目を通して頂けたらと思います。

本番時の衣装について

「レッスン編」の部分で述べたように、多くの教室では年に1回のペースで発表会を実施している場所が多く、参加は任意とされていることもありますが、人前で演奏する機会の確保から参加を勧められることがあります。

その際に必要となるのが、本番のための衣装の準備です。衣装に指定が無い教室がほとんどですが、ステージマナーとして正装で参加することになります。シックな正装からドレスまで衣装の種類は様々ですが、お子さんの成長もありますし、その時演奏する曲によって衣装を変えたいとなると、毎年その分の費用が掛かります。

正装だからと言って衣装で魅せるわけではないため、価格が高い衣装=良い物とはなりませんが、演奏する曲によっては「肩周りの動きが制限されない物」、「伸縮性がある生地の物」といったように演奏のしやすさに影響があるため、この点も事前に知っておくと良いです。

「環境編」の内容からも分かるように、保護者の方の果たす役割としては、お子さんの年齢から考えても経済的な面がどうしても大きくなってしまいます。物凄く費用負担が大きい習い事まではいきませんが、ある程度の保護者の方からの支えが無ければ継続することは難しい習い事であるため、この点は事前に知って理解しておくと円滑に進みます。

コンクールの参加について

「その他」の2つ目として、コンクールの参加についてご紹介します。ピアノを習い始める際に、中々ここまで考えて始めることは無いかもしれませんが、習い続けていくうちに、お子さん自身が年に1回の本番では物足りなくなったり、講師からコンクールへの参加を勧められたりすることがあります。

参加の選択は自由ですので、状況によっては断念や見送ることも出来ますが、ここでは参加すると決めた場合のその後の流れや動きについてみていきます。練習に関しては、講師が指導を行うため、保護者の方が果たす役割としては事務手続きです。

講師からコンクールへの参加を勧められる場合、講師によりますが、お子さんに合ったコンクールを提示してくれることが多いため、その中から講師、お子さんと相談して参加を決めたコンクールについて調べていきます。

講師が参加要項を持っていたり、事務手続きに関する詳細を知っていたりする場合は、その手続きの流れに従って進めていきます。一方で、参加要項が手元に無かったり、手続きの流れが分からなかったりする場合は、インターネットでコンクール名から詳細を調べたり、楽器店で要項を探したりします。

コンクールの多くは、予選や地区大会から本選、全国大会へと勝ち上がっていく形式が多いため、まずは予選や地区大会の日程を調べることから始まります。コンクールの実態として、上位大会に進むほど開催日程が少なくなる傾向にあり、初めの大会は開催地区が同じ場所でも、日程が複数設定されていることがあります。どの日程の本番に向けて練習を行うのか、講師と相談して決めていきます。

また、参加部門が年齢やレベルによってかなり細かく分けられているコンクールもあり、その部門によって曲の長さの指定があったり、課題曲を演奏する指定があったりするため、この点についても細かく見ておく必要があります。その後、参加要項に基づいて申し込みを行うと共に費用の納入が完了すると、参加証や当日の流れに関するお知らせが届き、本番当日を迎えるという流れが一般的です。

コンクールは、発表会とは異なり、通っている教室や担当講師からお知らせがもらえるものではありません。あくまでもお子さんと保護者の方の意思での参加ということになるため、情報は自らキャッチしなければいけない点に注意が必要です。

コンクールの参加については、参加することが良いという決まりはありません。参加に当たっては、このように保護者の方の果たすべき役割が大きくなったり、これまで以上に練習時間も必要としたりと、簡単にはいかない部分があることも事実です。

しかし、その分、プロの音楽家の方(審査員)から演奏についてコメントをもらうことが出来たり、様々な演奏者の演奏を聴いて刺激を受けたりすることは出来るため、講師やお子さんと相談しながら決めていくことが重要になります。

おわりに

本記事では、「ピアノを習う上で保護者が果たす役割とは?知っておきたい心構え」というテーマについて、環境面に関する内容、レッスンに関する内容、その他という3つの観点からご紹介してきました。

習い事であるため、最も頑張るのはお子さんですが、ピアノはお子さん自身だけでは習い続けることが難しい部分があるため、ここまで見てきたように適宜保護者の方の支えが必要となります。

基本的には、その他の習い事と物凄く大きな差があるわけではないですが、本格的に続けるとなった場合に環境調整の面でも費用の面でも保護者の方が果たす役割が大きいため、この点を知っておくことで見通しを立てて習い続けることが出来るかと思います。本記事に記載した情報が、ひとつでも多くお役に立てれば幸いです。練習方法に悩んだ際には是非私たち家庭教師にもご相談くださいね!

この記事を書いたのは

音楽家庭教師ライター H.K

家庭教師ファーストの登録家庭教師。5歳からピアノを始め、ピアノコンクール全国大会に複数回出場、上位入賞経験あり。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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