家庭教師ファースト教育コラム大学受験

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【大学受験】志望校の選び方と、知っておくべき基礎知識

  • 大学受験
  • 2021.08.25
  • 学習アドバイザーR.S

どういう風に志望校を選べばいいのか?
 
大学受験の場合は将来の職業・就職に直結することが多く人生の分岐点となるのでより慎重な選択が必要といえます。「将来のために何を学びたいか」以外にも、入学難易度や学費、キャンパスの所在地など志望校を選ぶ上で多くの判断要素があります。
 
今回は志望校を選ぶ・調べる上で前提となる重要な大学入試の周辺知識・情報を紹介していきたいと思います。後悔しない志望校選びのためにも受験生はもちろん、その保護者の方々も是非参考にしてください。

大学の種類(国立・公立・私立の違いって何?)

大学の種類(国立・公立・私立の違いって何?)

志望校を選ぶ前に、まずは大学について知っておきましょう。大学は大きく分けて国が管轄する「国立大学」、都道府県、市区町村が管轄する「公立大学」、各団体が運営する「私立大学」があります。2021年現在は、国立大学が82校、公立大学が93校、私立大学が592校あり、全国で800校弱の大学があります。上記以外にも職業教育を行う「専門職大学」、防衛大学校や気象大学校などの「文部省管轄外の大学校」があります。

国立大学

各都道府県に一つ以上はある国立大学法人が運営する、国管轄の大学です。

学生数は私立大学よりも少ないため「教員一人あたりの学生数」も少なく、また研究費額も多く割り当てられることが多いため、私立大学に比べ研究費が多く使えて教育の目が行き届いていると言えます。各都道府県名の名前を冠している大学も多く、私立大学と比べ難関な大学が多いです。

一般試験の場合、前期、後期と私立大学に比べ受験するチャンスが圧倒的に少なく、一般的に共通テスト+個別試験が課され、勉強する科目数も多く、約7割の学校で5教科7科目以上課されます。学費が安いのも国立人気の一つの要素です。国立の場合理系でも文系でも一律の学費のため、例えば私立医学部だと6年間で約2000~4000万円とかなり学費がかかるのですが、国立医学部と比べると学費の差が顕著にあらわれます。詳しくは後述します。

公立大学

都道府県や市区町村の地方公共団体や公立大学法人が運営する公立学校です。
地方公共団体が運営しているため地元に住んでいる人は学費が安くなることもあります。最近では長野県にある公立諏訪東京理科大学のように、経営難に陥った私立の大学を公立大学法人が買い取り、新しい公立大学に移行するといったケースも増えています。「公立」というブランド力で志願者を増やし、定員割れに悩む地方の私立大学を救済する狙いがあります。

公立大学は国立大学と同様に一般試験の場合、共通テスト+個別試験というパターンが多いので私立大学と比べると勉強する科目は比較的多いといえます。また公立大学では前期試験、後期試験に加え「中期試験」もあります。

私立大学

民間の各団体が運営する私立大学は全国約600弱あります。

私立学校の特徴は学校ごとに様々です。入試方法も例えば学部ごとの科目試験を課すパターンや共通テストのみで判断するパターン、また学校の独自試験と共通テストの両方を課すパターン、民間の英語資格を利用するパターンなど一般試験一つとっても多種多様な入試形式があります。ただ共通テストは必須にならないことが多く、そのため国公立大学と比べ勉強する科目数は少ないと言えます。

難易度に関しては国公立よりもピンキリです。定員割れを起こしていて誰でも入学できるような難易度の低い大学もあれば、早稲田大学、慶応義塾大学を始めとした首都圏にある高倍率で非常に難易度の高い大学もあります。試験日程も各大学の学部によって異なりますので、日程さえバッティングしなければ、同じ大学を何回も受験することが可能です。また一般入試の他に推薦入試やAO入試に力を入れている学校も多くあります。

大学の学費について

大学の学費について

学費は志望校を決める上で重要な要素です。受験生本人ではなく、保護者様の方が関心があるところだと思います。

「学費」に含まれる主な項目は、授業料、施設設備費、実験実習費、教材費などがあります。他にも一時的にかかる費用として「入学金」と「受験料」があります。

受験料について

大学入試共通テストの受験料は、3教科以上で18,000円、2教科以下で12,000円です。国立の二次試験の受験料は17,000円です。私立大学の受験料は学校ごとによって異なりますが、多くの学校で約35,000円程度で設定されています(医学・歯学系は4~6万ほど)

国公立大学の学費

多くの方のイメージ通り学費の安さで言うと、国公立文系理系>私立文系>私立理系ですので学費を実際払う保護者の方々にすると国立に通ってもらった方が家計的にもありがたいのではないでしょうか。

国立大学の初年度納付金は国が定める標準額だと「81万7800円」です。(入学料28万2000円+授業料53万5800円)実習費や施設費など学校ごとによって異なりますが、大きく差が出るということはないです。また公立大学は国立大学とほぼ同じですが地域出身者の場合は、入学金に関して少し安くなる優遇制度が設けられていることが多いです。

私立大学の学費

私立大学の場合、初年度納付金は全体の平均こそ約130万円ですが、学部によって大きく開きがあります

私立文系学部の平均は約115万円、私立理系学部の平均は150万円、理系でも医歯系学部の平均は約480万円となっています。

私立理系の学費を学部ごとに並べると、医学部・歯学部>薬学部>理工学部>農学部の順番で高いです。私立文系の学部は理系ほど差はないですが、国際系学部、芸術系学部は若干高くなることが多いです。

私立大学=学費が高いというイメージは実際間違っていないのですが、学部毎に開きがあったり、また特待生や給費生制度を実施している私立学校では国立よりも安くなる場合もあるので、事前に良く調べる必要があります。

学部や学科の決め方

学部や学科の決め方

将来の目標を軸に決める

将来の目標とする職業、就きたい仕事が決まっている場合は進学したい学部学科は選択しやすいと思います。

例えば、医師になりたい、薬剤師になりたいという場合はそれぞれ医学部、薬学部に進学する必要があります。また学校の先生になりたいという場合は他学部でも教職課程はとれますが教育学部の方が近道になります。弁護士や公認会計士といった特定の学問を専攻することが必須でない職業でも、学問と密接に関係し資格取得を目指しやすい場合もあるので、職業と学問の関連性をよく調べておきましょう

自分が学びたいことを軸に決める

「将来を考える」といっても、将来就きたい仕事が決まっていないという受験生も多いと思います。その場合は「自分が何を学びたいか」を軸に行きたい大学を選ぶことをオススメします。

同じような名前の学部でも大学によって特徴があり、例えば有名大学であっても自分が専攻したい分野を取り扱っていないという場合もあります。志望大学にどのような教授がいるかも判断材料になると思います。もちろん大学名は就職活動の際、有利不利になることもありますが、それと同時に学生時代に何に力を入れていたかも重要視されています。(最近は「ガクチカ」と言われているそうです。)大学名だけに囚われず、本当に学びたいことは何かを考えて学部を選びましょう。

主な学部の解説

■ 参考:主な学部 ■

<文系>

(Ⅰ)法学部

法学部は憲法、民法、刑法、商法、行政法などの様々な法律について学ぶ学部です。主に「法学」と「政治学」で構成されており、社会秩序のためルール作りをする「政治」とそれを体系的にまとめた「法」の両面から、法的な考え方を身につけることを目的としています。法曹(弁護士や検察官など)を目指す人向けの学部というイメージがあると思いますが、それ以外にも国家公務員や地方公務員、民間の金融機関に就職する人も多いです。文系学部でも比較的偏差値が高いことが多いです。

 

(Ⅱ)経済学部

経済学部で学ぶ内容は主にミクロ経済学、マクロ経済学などの「理論経済学」、その理論を基に実践的に学ぶ「応用経済学」、経済思想や経済史などの「経済学の歴史と思想」の3つに分かれます。経済学部の中に経営学科が内包されている場合と、経済学部と経営学部が別々になっている場合があります。経済学部は社会全体の経済活動を学ぶのに対し、経営学部(科)では企業や組織の経済活動に焦点を当てて学ぶところに違いがあります。また商学部は経営学部と似通っている点もありますが、企業経営の中でも特に商取引を中心に制度、仕組みを学べるのが特徴です。

 

(Ⅲ)文学部

文学部は文学、哲学、心理学、歴史学、考古学などの人文科学系統を学べる学部です。人間と文化の本質を研究し、人間の多様な営みを総合的に学べます。言語や歴史、人間の思想や行動など学べる分野が幅広いのが特徴です。人間の行動や心理等の分野は大学によっては「心理学部」、「人間科学部」みたいに社会学系の学部で設置されていることもあります。

 

(Ⅳ)教育学部

教育学部は「教員養成系」と「教育学系」の大きく二つに分かれます。「教員養成系」は主に学校教員を養成することを目的とし、「教育学系」は教育とその関連領域に関する研究が主な目的です。卒業生の進路は、教員免許を取得し学校教員になる人も多いのですが、教育学の研究者や一般企業への就職、公務員になる人もいます。イメージ通り教員を目指す人が多いので教育実習など教師としてのスキルを身に付けるための実習が多いことも教育学部の特徴です。

 

<理系>

(Ⅴ)理学部

理学部は数学科、物理学科、化学科、生物学科などに分かれています。イメージとしては高校で習う数学や理科の延長でより専門的かつ高度な内容を学べる学部です。実験や研究ももちろん行われますが、「理論」を学ぶというのが理学部の特徴です。大学によっては「理工学部」としてまとめられていることが多く、そこから学科別に分かれているというケースが多いです。

 

(Ⅵ)工学部

工学部は「ものづくり」のためより専門的且つ実践的な知識、技術を学ぶ学部です。電気系や建築系、化学系、企画系など学べる分野が学科別に分かれているのも特徴です。理論色が強い理学部と比べて、より応用的な技術を学ぶことができます。実践的なことが学べて且つ、大学院進学も多いことから就職にも強い学部と言えます。

 

(Ⅶ)農学部

農学部では農学、畜産学、園芸学、農業工学、農業化学、農業経済学など幅広い分野に渡って学べる学部です。身近な食物の生産、加工、流通、販売を網羅的に研究し、農業実習やフィールドワークなど実体験を通じた学びが多いのも特徴です。卒業後の進路は食品業界や製薬業界に進む人が多い他、農業のサポートを行う公務員などを選択する人もいます。

 

(Ⅷ)医学部

医学部では基礎医学、臨床医学、社会医学を中心に学べます。医学部医学科は6年制で、6年次にある卒業試験に合格後に、毎年2月に行われる医師国家試験を受験し、それに合格すれば医師として働くことができます。卒業後は研修医として2年間、大学病院等で臨床研修を受けます。周知のとおり、医学部合格は難関で、且つ進学後も医師になるため膨大な勉強量が必要ですが、国家試験に合格できれば必ず医師として働くことができるので就職に困らないのも特徴です。

 

(Ⅸ)歯学部

歯学部は名前の通り、歯の治療や矯正に関わる医学を学べる学部です。医学部と同様に6年制で5年次に共用試験があり、それに合格後臨床実習を受けて、6年次に歯科医師国家試験を受験します。国家試験に合格後歯科医師として働くことができますが、卒業後1年は研修医として働くことが義務付けられています。

 

(Ⅹ)薬学部

薬学部では6年制と4年制のカリキュラムがあります。6年制の場合は4年次に医学部と同様に共用試験があり、それに合格すると5年次に薬局や病院で実務研修を受けて、6年次には薬剤師国家試験の合格を目指します。4年制の場合は生命科学などの薬学の研究を重点に置いたカリキュラムとなっています。4年制の場合、薬剤師国家試験受験資格は得られませが、卒業後の進路は製薬会社の研究部門や医療行政の専門スタッフなどに就く人もいます。

志望校の選び方~大学の難易度と有名な大学群~

志望校の選び方~大学の難易度と有名な大学群~

志望校の選び方

志望校を選ぶ際、難易度(偏差値)は重要な指標です。学力によって自分の進路選択が左右されるので、多くの受験生が関心あることだと思います。一般的な傾向として上位レベルの大学は最先端の研究施設があり、著名な教授陣を有し、また学生のレベルも高かったりと学べる環境が充実していることが多いです。
安易にレベルが高いからという理由だけで志望校を選ぶのは良くないですが、事実として上位のレベルの大学の方が大学生として学べる環境が良かったり、卒業後の進路が有利に働くことも多いので一つの基準として参考にしていきましょう。

難易度と大学群

大学難易度

(1)東京一工、国公立医学部
(2)旧帝国大学
(3)早慶
(4)MARCH、関関同立
(5)日東駒専
(6)大東亜帝国

東京一工

日本で最上位の国立大学である東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学をまとめたグループです。受験難易度はトップレベルで特に東京大学は頭一つ抜けており、全国トップレベルの進学校の生徒に目標とされています。東大・京大の合格者数は進学校としての能力を示すわかりやすい基準として利用されており、毎年ランキングが発表されているのを目にしたことがある方も多いと思います。

一橋大学は社会学系のみの学部が設置された文系の国立大学で、東京工業大学はその名の通り理系の単科大学です。おそらく大学受験を経験していない人の中には、東大京大は知っていても、一橋大、東工大は知らないという人もいるかと思いますが、それぞれ東大京大に次ぐ文系、理系の最難関大学です。

河合塾の偏差値表で偏差値は65.0~72.5、共通テストのボーダー得点率は85%以上で特に東大京大は90%以上が求められる厳しい戦いになります。

国公立医学部

上記の東京一工と同等かそれ以上の難易度であるのが国公立の医学部医学科です。どこの大学でも医学部は難関ですが、中でも東大理科三類、京大の医学部の難易度は別格で並大抵の努力では合格することが不可能です。東大、京大以外でもいわゆる旧帝大(北海道大学、東北大学、大阪大学、名古屋大学、九州大学)や旧六医大(千葉大学、金沢大学、新潟大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学)と言った歴史・実績のある大学や、首都圏にある東京医科歯科大学などもハイレベルです。

また私立医学部も同様に難関であり、特に私立御三家(慶應大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学)は旧帝大の次に歴史があり難易度も高いです。昔は「私立の医学部はお金があれば入学できる」というイメージがありましたが、近年は難易度も上がってきており、下位レベルの私立医であっても少なくても早慶理工学部に受かるくらいの学力が必要と言われています。もちろん国公立と私立両方合格した場合は学費のこともあるので国公立に進学するケースが多いですが、例えば慶應医学部と国立医学部で両方合格し、学閥やブランドを重視して慶應に進学する人もいるようです。

河合塾の偏差値表で偏差値62.5~72.5、共通テストのボーダー得点率は最低80%以上、トップレベルでは90%以上が求められます。

旧帝国大学

旧帝国大学とは戦前に「帝国大学」として創設された大学群で東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学の7つの大学を指します。前述の東大、京大はもちろん各地域トップの国立大学のため、その地域の多くのトップレベル層の受験生が目指す難関大学です。理系学部の場合他の国公立大学と比べて研究力の高さが魅力的で、北海道大学の農学部、東北大学の工学部、名古屋大学の理学部、大阪大学の医学部、九州大学の工学部に代表されるように世界レベルの研究が行われています。

文系学部の場合も、帝大の立地している都市に本社を置く大手企業への就職や国家公務員総合職に強い点が魅力的と言えます。

河合塾の偏差値表で偏差値57.5~67.5、共通テストのボーダー得点率は80%以上で学部によっては90%近く必要になることもあります。

早慶

私立大学の2トップ、早稲田大学と慶應大学ですが、受験だけでなく大学野球やラグビーなどの「早慶戦」は有名です。歴史があり、政財界や企業にOBも多いので、就職活動の評価においては他の私立大学と比べると一線を画しています。

同窓で組織される慶應の「三田会」、早稲田の「稲門会」は代表的なOB組織です。また早稲田の政治経済学部、慶應の経済学部はともに看板学部とされ、難易度も高く人気があります。他の学部も東大京大を始めとした旧帝大や一橋、東工大などの難関国立大学を併願されることが多く、受験層もハイレベルです。

早稲田文系は英語・国語・社会又は数学、慶應文系は英語・社会又は数学・小論文が多くの学部で課されます。また理系学部は両校とも英語、数学、理科2科目が課されます。国公立大学と比べると共通テスト必須ではないので科目数による負担は少なく、私立専願の多くの受験生が第一志望として設定しやすい反面、科目数が少ない分どの科目も高水準に仕上げる必要があり、且つ前述のとおり全国の東大・京大を目指すレベルの受験生とも競わなければならないのでハイレベルな競争になります。

早慶に次ぐ難易度の上智大学、東京理科大学、国際基督教大学(ICU)と合わせて「早慶上理ICU」という形で表記する予備校もあります。

河合塾の偏差値表では62.5~72.5、早稲田は共通テスト利用入試も行っており90%以上の得点率が求められます。

MARCH

東京都に本部を置く有名私立大学群で、(M)明治大学、(A)青山学院大学、(R)立教大学、(C)中央大学、(H)法政大学の5大学を指します。MARCHは早慶と同様に著名人の出身者が多くいる大学群ですので大学受験の経験がない方でも耳にした方は多いのではないでしょうか。

リクルート進学総研が調査した「関東の高校生が志願したい大学ランキング2020年」ではいずれもベスト10に入っています。(明治1位、青学3位、立教4位、中央7位、法政6位)知名度や大学のブランドもあり、多くの受験生が志望する大学群で早慶や国公立大学の併願でも利用されます。また国公立大学と違い共通テストは必須ではなく、1~3科目と少ない科目数で受験できることもあり、負担がすくなくて目標としやすいイメージを持っている人も多くいますが、その分全国から志願者が殺到し、結果高倍率になるので実際の難易度は当然高いです。

有名がであるが故に、よくネット上では「MARCHは3ヶ月で合格できる」や、塾や予備校の謳い文句で「MARCHに逆転合格できる」というふうに軽んじられたりする傾向がありますが、日本全国の私立大学約600校の中で明確にMARCHよりレベルが高いと言える私立大学は前述の早慶、上智、理科大、ICUの5校だけなので私立大学の中では上位の難易度です。特に現役生が受験を甘くみて、結果MARCHに全部不合格というパターンが毎年見受けられるので、しっかりと合格を勝ち取るためにはそれ相応の学力と対策が必要です。

河合塾の偏差値表では平均で60前後、60台後半の難関学部もあります。共通テスト利用の場合は80%以上の得点率が必要になります。

関関同立

関関同立とは近畿地方にある4つの有名私立大学群で、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の頭文字をとった俗称です。難易度から関西のMARCHと言われ、関西の受験生であれば馴染みのある大学群です。リクルート進学総研が調査した「関西の高校生が志願したい大学ランキング2020年」ではいずれもベスト10に入っている人気大学です。(関西大1位、関学大3位、立命館4位、同志社7位)

関西圏は京大を始め、大阪大、神戸大、大阪市立大、大阪府立大、奈良女子大など多くの難関かつ人気の国公立大学があるため国公立志向の強い地域ではありますが、関関同立はこれらの国公立大学の併願にも利用されるため難易度は高いです。関関同立の中でも、特に同志社が頭一つ抜けて難しいと言われており、複数合格した場合は同志社を進学先に選ぶケースが多いです。

河合塾の偏差値表では平均60前後、共通テスト利用では少なくとも80%弱以上、難関学部であれば90%弱以上必要とされます。

日東駒専

日東駒専とは東京都に本部がある4つの有名私立大学群で日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の4つの頭文字とった俗称です。日東駒専の中でも日本大学は学生数約7万人を誇るマンモス大学で全国的にも知名度は抜群です。スポーツの分野でも力を入れているので大学野球や駅伝などで知ったという方も多いのではないでしょうか。

MARCHの滑り止めとして併願されるケースが多く、昔に受験を経験した方ですと「真ん中ぐらいの大学」というイメージを持っている方も多くいらっしゃるかもしれませんが、近年私立大学の定員厳格化の影響もあって一般試験の難易度は上がっています。MARCHに受かったけど、日大は不合格だった、東洋は不合格だったという生徒も近年では珍しくありません。ただ早慶やMARCHを第一志望とする受験生は多いですが、それと比べて日東駒専を第一志望にする受験生は少なく、前述のとおり「滑り止め」のイメージが先行し「受かって当然」と舐めてしまって失敗する受験生は毎年一定数いる印象です。

また関西圏では日東駒専と同じくらいのレベル帯と言われている「産近甲龍」という大学群もあります。(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)

河合塾の偏差値表では平均で50~55、中には60弱の難関学部もあります。共通テスト利用の場合でも70~80%の得点率は必要になってきます。

大東亜帝国

大東亜帝国とは関東圏にある5つの大学群で、大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学を指します。前述の早慶、MARCH、日東駒専と比べると知名度は高くなく、難易度も日東駒専の下という位置づけです。そのため、「誰でも入れる大学」と感じる受験生は多いですが、近年は私立大学の定員厳格化の影響で一般試験の難易度も上がってきており、倍率も3倍前後あるので実状としては合格者より不合格者の方が多く、昔のイメージほど簡単な大学ではなくなってきています。

河合塾の偏差値表では平均50前後です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

志望校を選ぶ場合、どうしても大学名やブランドに目が行きがちですが、実際は「どの学部で何を学びたいか」といった卒業後の進路を見据え、「学費」や「難易度」といった現実的な要素を含めて色々な視点から決めていく必要があります。併願校を選ぶ場合も、あてずっぽうに決めてしまうのではなく「実際に進学する可能性がある」ということを視野にいれて選びましょう。

第一志望不合格で第二、第三志望の併願校に進学するとなった場合、進学先をよく調べずに受験した結果、想像していた大学生活と違っていたと後悔するケースもあります。学園祭やオープンキャンパスで実際に大学を訪れ、雰囲気を肌で感じたり、志望する大学に通っている先輩の話をきいたり、ホームページを調べるなどして後悔のない進路選択できるように情報収集をしっかりしましょう。

この記事を書いたのは

学習アドバイザーR.S

家庭教師ファーストの学習アドバイザー。受験情報・教材情報に精通。好きな飲み物はカルピス

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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