家庭教師ファースト教育コラム中学受験

家庭教師ファースト教育コラム中学受験

【中学受験】志望校はどうやって決める?志望校の選び方と中学受験の基礎知識

  • 中学受験
  • 2021.08.23
  • 学習アドバイザーR.S

中学受験をする際に、志望校はどうやって決めればいいのか?
 
中学受験を目指すご家庭にとって、志望校選びは一大事だと思います。実際、校風や進学実績、共学か別学か、部活動の実績などなど、学校選びの基準はいくつもあるので、どう決めればいいのだろう?と迷ったり、悩んだりするご家庭は多いと思います。
 
今回は志望校を選ぶ上で前提となる情報や入試周辺の知識を紹介していきたいと思います。後悔しない志望校選びのためにも是非参考にしてください。

近年の中学受験の動向について

近年の中学受験の動向について

現在全国に私立中学は800校弱あります。そのうち東京都が一番多く200校弱と圧倒的に多く、次いで神奈川や大阪が約60校となっております。私立学校の数に比例して最も中学受験が過熱している地域は「首都圏」で次いで「関西圏」です。

首都圏の中学受験の動向

首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県)の中学受験者数はここ数年増加傾向で、2020年度の国私立の受験者数は5万人弱となり、首都圏の小学生の約17%にあたります。これに近年増えている「公立中高一貫校」の受験者数も加算すると、首都圏小学生の約22%と推計されるので、およそ5人に1人が中学受験している計算になります。

こうした中学受験者が近年増えている理由としては2021年度以降の「大学入試改革」が一つの要因と言われています。将来の大学受験への不安から「大学入試対応に定評のある私立中学へ通わせたい」、また「大学受験を避けられる私立の大学付属校へ通わせたい」といった傾向が増えています。

また、新型コロナウイルスの影響下で経済情勢が落ち込んでいるにも関わらず受験者が減らなかったのは、私立校はオンライン授業をはじめとしたICT教育が充実していることもあり、公立校よりもこの情勢下でもしっかり対応してくれるということが一因としてあげられると思います。

上位難関校についてはおよそ例年通りの受験者数ですが、中堅校の中には男女共学化を行い一気に人気校となった学校もあります(広尾学園、東京都市大学等々力、三田国際など)

付属校の中でも共学化により受験者数を増やした学校もあり、例えば法政大学第二が2018年から女子生徒の募集を始め共学化した結果、受験者数が大幅増に成功しています。

また公立一貫校の受験者数も、新設校の増加に伴い増えています。近年ではさいたま市立大宮国際(埼玉県)や東葛飾(千葉)などが新設され、元々高校も進学校で人気の高かったことも相まって中学受験でも高倍率になっています。

関西圏の中学受験の動向

関西圏(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の2府4県)の中学受験者数は2021年度で約6万1000人であり、少子化や近年のコロナ禍の状況下にも関わらず、中学受験する割合は増加傾向です。受験者数が増えている理由は勿論前述の「大学入試改革」の影響もありますが、私立大学の定員厳格化に伴う私大受験の難化による漠然とした不安も影響しているといえます。その影響で大学入試に強い私立校へ進学を希望する生徒や、大学受験を回避して内部進学できる付属校の受験も非常に人気となっています。

関西圏(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の2府4県)の中学受験者数は2021年度で約6万1000人であり、少子化や近年のコロナ禍の状況下にも関わらず、中学受験する割合は増加傾向です。受験者数が増えている理由は勿論前述の「大学入試改革」の影響もありますが、私立大学の定員厳格化に伴う私大受験の難化による漠然とした不安も影響しているといえます。その影響で大学入試に強い私立校へ進学を希望する生徒や、大学受験を回避して内部進学できる付属校の受験も非常に人気となっています。

学校の種類(私立・国立・公立中高一貫校)

学校の種類(私立・国立・公立中高一貫校)

学校の種類について中学受験の場合大きく分けて、「私立」、「国立」、「公立一貫校」の3種類に分かれます。

私立中学

それぞれが別の学校で学ぶ「男子校」「女子校」と、男女が一緒に学ぶ「共学」にはそれぞれ特徴があります。

男子校・女子高の場合は異性の目を気にせず伸び伸びと学生生活が送れるのがメリットです。また男女それぞれの理解の仕方に合わせた指導を行い、効率的に学習を進める学校も多いので進学実績の高い学校も多いです。全国に私立中学はおよそ700~800校あり、特に首都圏、関西圏に集中しています。学校ごとに独自の教育方針やカリキュラムを持ち、独自性が強い半面、生徒への面倒見のよさが特徴です。私立校の中にも難関大の進学実績が豊富な進学校や、大学までエスカレーター式に内部進学できる付属校があります。

■有名な私立中学■

◇進学校
(首都圏)開成、麻布、武蔵、桜蔭、女子学院、雙葉、聖光学院、渋谷教育学園幕張、駒場東邦
(関西圏)灘、甲陽学院、東大寺学園、西大和学園、洛南、大阪聖光学院
(その他地域)ラ・サール、久留米大付設、ノートルダム清心、青雲、広島学院

◇付属校
(首都圏)早稲田、早稲田実業、早稲田大学高等学院、早稲田本庄、慶應義塾中等部、慶應義塾普通部、慶應義塾湘南藤沢、明大明治、青山学院、立教池袋、中央大学附属、法政大学第二
(関西圏)関西大学第一、関西大学中等部、関西学院中学部、同志社中学校、同志社香里、立命館中学校、立命館宇治

国立中学

国立中学は各都道府県の国立大学に附属した中学です。大学教育学部付属の研究機関という位置づけで大学が新しい教育方法を研究し、地域のモデル校となることを目的とした教育機関です。また大学の教育実習の受け入れ先にもなっています。

大学付属校ではありますが、高校が併設されている場合も含め、その大学に内部進学できるわけではありません。お茶の水女子大付属など併設の大学に特別な推薦枠を持っている学校もありますが、内部進学が多数派となるような私立の付属校とは大きく異なります。また地域のモデル校としての役割があるため公立中学校との間で定期的な教員の異動があるのも特徴の一つです。

また国立校のタイプとして、全国的にみると小中の義務教育9年間を一貫とした学校が多く、中高一貫校、小中高一貫校は少数派です。首都圏の場合、東京都の国立中学は多数が「中高一貫タイプ」なのに対し、神奈川、千葉、埼玉は「小中一貫タイプ」です。小中一貫タイプだと高校受験をしなければならず、さらに近年では中高一貫校人気や、公立一貫校の台頭もあって人気や難易度はやや下降気味です。

■参考東京都内の国立中学■

東京都には国立中学が8校あります。

(Ⅰ)東京学芸大学附属竹早(学芸大竹早)、東京学芸大学附属世田谷(学芸大世田谷)、東京学芸大学附属小金井(学芸大小金井)、東京学芸大附属国際中等教育学校(学芸大国際)
学芸大の付属校はいずれも小中高の一貫校です。小学校から中学校へは基本的に内部進学できますが、高校へ内部進学できる枠は半分ほどしかなく、残りは外部に出るため別の高校を受験をします。学力レベルが高い生徒が多いため、生徒の多くが都立トップ校に進学しています。近年は中高一貫校の人気が高いため、学芸大附属の人気は落ちており、また都立の公立一貫校も台頭してきたこともあって、学芸大竹早の受験層は都立小石川に、学芸大世田谷の受験層は都立桜修館に、学芸大小金井の受験層は都立三鷹中等に流れている傾向がみられます。その影響もあってか学芸大附属高校の東大の合格実績も数年前と比べると大幅に減少しています。学芸大国際のみ他の学芸大系列と異なり、高度なグローバル教育が特徴で帰国生の積極的な受け入れを推進しています。

(Ⅱ)筑波大学附属(筑附)
東京教育大学附属からの流れを組む歴史ある首都圏のトップ校です。小学校から中学校へは約8~9割、中学校から高校へは約8~9割の生徒が内部進学しますが、内部進学のための試験が課されます。中学入試、高校入試はいずれもの難関でトップレベルの学力をもった生徒が入学してくるため、多くの生徒が卒業後、難関大へと進学しています。

(Ⅲ)筑波大学附属駒場(筑駒)
日本で唯一の国立中高一貫の男子校です。東大への高い進学率を誇り、開成や灘と同様全国屈指のトップ進学校として知られています。都立の公立一貫校の台頭で前述の学芸大附属、筑附は昔より人気や進学実績はやや落ちていますが、筑駒だけは独特な存在感があるためか、依然と入試難易度、進学実績はトップレベルを維持しています。

(Ⅳ)お茶の水女子大学附属
小学校、中学校は共学で、高校から女子校のため女子生徒は基本的に内部進学で高校に上がりますが、男子生徒は外部に進学するため高校受験をしなければいけません。また前述のとおり、お茶の水女子大への特別推薦枠が10名ほどありますが、高校入試の際はトップレベルの女子生徒が集められているため、多くの学生が他の難関大へと進学するケースが多いです。

(Ⅴ)東京大学教育学部附属
中等教育機関では世界的に珍しい双生児研究を行っている東大教育学部の研究学校です。そのため入学試験には毎年双生児枠があります。自主性を重んじたのびのびした雰囲気があり、大学進学もその自主性に任されているので、他の都内の国立校と比べると進学実績は高くありません。

公立中高一貫校

公立の中高一貫校は中学と高校で学習内容が分断されたり、指導内容が重複することを避けるために導入されました。公立の中高一貫校は主に「中等教育学校」と「併設型」があります。中等教育学校の場合、中学入試のみで高校からの募集は行わず、6年間同じ学友と切れ目のないカリキュラムで学ぶことができます。併設型の場合は中学と高校が併設されているタイプで、高校からの生徒募集も行っているため、高校入試を突破した新しい学友から刺激を受けて互いに切磋琢磨できる環境で学ぶことができます。

入試形式は適性検査や作文が課されます。学校によっては面接や抽選、二次検査を実施する場合もあります。適性検査は国私立の科目ごとの入試とは異なり、国語、算数、理科、社会の知識を総合的に使う教科横断型の試験なので、適性検査の特性を踏まえた対策が必要となります。

■主な公立一貫校■

◇中等教育学校
市立札幌開成中等教育学校(北海道)、仙台青陵中等教育学校(宮城)、小石川中等教育学校(東京)、三鷹中等教育学校(東京)、相模原中等教育学校(神奈川)、燕中等教育学校(新潟)、芦屋国際中等教育学校(兵庫)、広島中等教育学校(広島)、岡山大安寺中等教育学校(岡山)、宇和島南中等教育学校(愛媛)、輝翔館中等教育学校(福岡)

◇併設型
仙台二華中学校(宮城)、県立千葉中学(千葉)、両国高等学校附属(東京)、都立武蔵高等学校附属(東京)、横浜市立南高等学校附属(神奈川)、市立浦和中学(埼玉)、清水南高等学校中等部(静岡)、富田林中学校(大阪)、洛北高等学校附属(京都)、桐蔭中学校(和歌山)、守山中学校(滋賀)、岡山操山中学校(岡山)、県立広島中学校(広島)、城之内中学校(徳島)、宮崎西高等学校附属中学校(宮崎)、開邦中学校(沖縄)

参考:なぜ公立中高一貫校は「適性検査」?
公立中高一貫校の受験の場合、「入試」という言葉は使いません。なぜなら学校教育法によって、公立中学校は入試による学力検査を禁じられているからです。そのため公立中高一貫校は、「学力を測るテストではなく、資料を読み取り課題を発見する思考力や、作文などを通して考える力、表現力をみるための検査」として適性検査を行っています。思考力、表現力を重視しているため記述問題が多く、一般的な学力検査と異なり答えが一つにならない問題も多いのが特徴です。

偏差値と模擬試験

偏差値と模擬試験

志望校を決める上で、必ず考慮しなければいけないのが偏差値(学力)です。ただ中学受験の偏差値は、高校受験や大学受験の偏差値と少し感覚が違うので、特に中学受験を経験していない保護者の方は注意しなければいけません。

「偏差値40」と聞くと、どういうイメージを持つでしょうか。例えば中学受験を目指す息子が初めて模試を受けた結果、偏差値40だったので、あまりの低さにショックで中学受験を断念してしまったという話を耳にしたことあります。こういった保護者の方の多くは自身が中学受験を経験したことがなく、自身の高校受験や大学受験の時の偏差値の感覚を基準にしていることが多くみられます。

偏差値とは?

偏差値とはテストを受けた母集団の中で自分がどの位置にいるかを表したものです。

例えば偏差値50はちょうど真ん中で、母集団が100人いたら50位です。この母集団の考え方が重要で、高校受験の場合は中学生のほぼ全員が受験するため、勉強がかなりできる人も全く勉強しない人も母集団に含まれます。

中学受験の場合は、小学生全員はそもそも受験せず、受験するのはわずか10%弱ぐらいです。さらにこの10%弱の母集団は「中学受験をする」という熱意を持った小学生で、且つ学力的にも全小学生の中で上位に位置していることが多いです。母集団が小学生全体の上澄み10%と仮定すると、この母集団の中で高偏差値を出すのは難しく、小学校のテストでいつも100点取るような子でも、初めて受けた模試で偏差値40台だったというのは珍しいことではありません。

また模試の種類によっても偏差値の出方は異なります。模試によって難易度も違いますし、受験者層の学力の違いがあるためです。有名な中学受験の模試は4つありますが、例えばある都内の学校を一つ例にとってみると…

(例)巣鴨中学
・SAPIX:偏差値48
・四谷大塚:偏差値55
・日能研:偏差値56
・首都圏:偏差値66
※ちなみに高校受験時の巣鴨高校の偏差値は73です。

上記の通りかなりバラつきがあり、一番低く出ているSAPIXと、一番高く出ている首都圏模試とでは18も差があります。各塾が主催している模試の受験生はその塾へ通っている生徒が受験層の大半を占めます。したがって、難関校受験者の多いSAPIXの模試だと偏差値は出にくくなっています

模擬試験の種類

模試を受ければ受けるほど、生徒にとってストレスが増えることになりそうですが、入試本番に近い緊張感を持って受験できるため、「試験慣れ」するためには絶好の機会です。ただむやみに数だけこなしたり、自分のレベルに合っていない模試を受験するのは非効率で、自分のためになりません。自分の実力や志望校に合わせて模試を受けて、自分自身がライバルと比べてみてどのポジションにいるのか、また受験後自分の苦手な分野はどこなのかを分析するなどして模試を有効活用していきましょう。

■参考:模擬試験
中学受験の模試で特に有名なのが、首都圏模試センターの「統一合判」、日能研の「合格判定テスト」、四谷大塚の「合不合判定テスト」、SAPIXの「サピックスオープン」があります。それぞれ受験層、難易度が異なりますので、どの模試が自分に合っているか参考にしてください。

(1)「統一合判(首都圏模試センター)」
首都圏模試センターが主催している首都圏最大級の受験者を誇る模試です。中堅以下の学校を目指す生徒には最適の模試で、合格判定も中堅以下の学校に限っては他の模試より精度が高いです。また他の塾主催の模試だと在籍している塾生の割合が高くなりますが、受験生に偏りがないことも首都圏模試の特徴です。難易度も比較的易しめなので初めて模試を受験する生徒にとっては最適の模試です。他の模試よりも偏差値が高くでるので、子供のモチベーションを上げるために他の模試と組み合わせて受けるのもオススメです。

(2)「合格判定テスト(日能研)」
日能研が主催しているので、受験生の多くが日能研に通う生徒さんですが、塾生だけでなく誰もが受けられる公開模試です。結果が翌日にwebで配信されるため、熱が冷めないうちにスピーディーに復習ができるのが特徴です。また教科別の弱点など細かく分析された資料も返却されるので、それをもとに復習・弱点強化もできます。中堅から難関校を目指す生徒が受験することが多く、問題難易度も高めです。

(3)「合不合判定テスト(四谷大塚)」
中学受験業界の老舗である四谷大塚主催の国内最大級の模擬試験です。受験者数が多い分、合否判定の精度が高いため信憑性の高い模試と言えます。四谷大塚の塾生のみならず幅広い受験者層を確保しています。上位校、難関校を目指す生徒にとって相性の良い模試で、多くのサピックスの塾生が受験していましたが、サピックスの模試ができてからは、そちらに受験生が流れてしまい難関志望の受験生が減少していると言われています。問題難易度は中~高程度でバランスよく出題される模試です。

(4)「サピックスオープン(SAPIX)」
難関校に高い実績を誇るSAPIXが主催する模擬試験です。SAPIXは在籍する生徒のレベルも高く、御三家クラスなど最難関中学を目指す受験生が多いため、その分他の公開模試より低い偏差値や平均点が出やすくなります。そのため中堅校を目指す生徒がそのことを知らないで受験すると、成績をみてショックを受けてしまうということもあるようです。テスト内容で特徴的なのが試験内容を「Aタイプ」、「Bタイプ」の2種類に分けて出題されることです。Aタイプの試験は「知識の確認と正確な処理能力」を見るタイプの問題で、Bタイプは「思考力、記述力」を測る問題です。難易度の高いB問題対策ばかりに気を取られ、基本的な知識を問うA問題を落としてしまうと、どの学校の志望校判定も低く出てしまうので、時間配分を含めた戦略が必要になります。

併願校の選び方

併願校の選び方

受験校を決める際、第一志望校よりも併願校を決める方が難しいことがあります。生徒の希望・目標があれば優先しつつ、学力や入試日程・過去問の傾向など、幅広い視点で併願校を検討することが大切です。

偏差値(学力)

併願校決める際、もちろん偏差値は重要な要素ですが、偏差値だけで決めてしまうのはお勧めしません。校風もわからずに実際入学したら「思っていたので違った…」と後悔する人は毎年散見されます。ただやはり最終的には偏差値を基準の一つとして頼らざるを得ないのも事実です。一般的に受験校は自分の持っている偏差値±5~10の範囲内で検討することが多いです。例えば現状偏差値が55なら、挑戦校が60~65、滑り止めが45~50というイメージです。

併願校を決める時期と過去問対策

6年生の9~12月に受験した模試の結果をもとに第一志望校及び併願校を決めていきます。しっかりと併願校を抑えるには本命の対策だけでなく併願校の対策も必要になります。併願校を決める時期を考慮して、10月くらいに併願校の過去問に取り組めるのが理想です。入試問題の出題傾向が第一志望と似ている学校だと対策しやすいと思いますが、傾向が違う学校ばかり併願すると併願校の対策をする時間ばかり取られてしまい非効率なので、入試問題の傾向も併願校を選定する際、視野に入れておきましょう。

入試日程

入試の日程によっても併願できる学校が変わってきます。入試の時期は地域によって異なり、首都圏では千葉と埼玉は1月から始まり、東京・神奈川は2月上旬に集中します。東京・神奈川の学校を本命に置いて、1月に入試が行われる千葉・埼玉の学校をお試し校として受験するというパターンが多いです。

入試日程を複数回設けている学校もあります。御三家のような超難関校は1回限りの一発勝負ですが、それ以外の学校では通常、試験を2~4回程度、複数回に渡って行っています。第一志望の学校と問題傾向も似ていて、校風も合いそうだが、第一志望と入試日程が重なってしまっている…という場合はその学校の2回目以降の試験日を調べてみましょう。

ただし、注意しなければいけないのが、複数回日程を設けている学校は2回目以降の日程の方が入試難易度が高い傾向があります。例えば男子御三家の一つの「開成中学」は2/1に試験があり、よく併願されやすい同じ男子校の「海城中学」も2/1に1回目の試験がありますが、開成志望の子はバッティングするため2/3の2回目の入試日程で受験します。そのため1回目よりも2回目の方が難易度が上がり、海城が本命の子にとっては1回目よりも2回目の試験で合格する方が難しいといえます。

受験校の数は平均で約4~5校と言われています。ただ連日の受験になったり、一日で2校受験するダブルヘッダーが続いたりすると体力的にも精神的にも負担がかかるので、ある程度ゆとりを持って受験できるように日程調整を行うのが望ましいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

志望校を選定する上で教育方針や通学のしやすさ、進学実績や部活動の実績など様々な要素があります。何を重視するかによって志望校を選ぶ際、親子で意見が衝突するなんてことはよくあります。やはり保護者と子供のジェネレーション・ギャップによるところも多いのですが、受験したい学校をどのような基準で選ぶのか、保護者と生徒でその考え方が違うことによるところが多いでしょう。

子供が志望校に対して憧れる点を頭ごなしに否定したり、あるいは杞憂に過ぎないことを言ったりしてはモチベーションを下げてしまいます。一方で親として「~にはこの学校が合うと思うよ、なぜなら…」としっかりと理由をつけて、意見を言ってあげる必要もあります。また「中学校生活においてどうしてもこれだけは譲れない点」というのを子供に確認するのも良いと思います。

保護者と子供ともに志望校を選ぶ上で、「校風」や「在校生の雰囲気」を重要視していると方が多いと思います。学校の雰囲気を知るには、文化祭や学校説明会などを機に実際に学校に足を運ぶのが一番です。また実際に通っている在校生やOB・OGの先輩に話を聞けると、さらに学校の雰囲気、特徴について知ることができるでしょう。

特に併願校はあまり調べなかったり、実際に説明会などにも行かずに決めてしまう家庭もありますが、「実際に通う可能性がある」ことを忘れず、受験する学校は必ず一度は訪れるようにしましょう。色々な学校を訪れ、「子供にとってのベストな学校」を親子で考えていきましょう。
 
家庭教師ファーストでは中学受験の指導も行っております。
一度ご検討いただけると幸いです。

この記事を書いたのは

学習アドバイザーR.S

家庭教師ファーストの学習アドバイザー。受験情報・教材情報に精通。好きな飲み物はカルピス

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

記事を検索

カテゴリー

新しい記事

人気の記事

TOPへ戻る