家庭教師ファースト教育コラム中学受験

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【社会編】中学受験「社会」の勉強方法を、現役東大生が解説!

  • 中学受験
  • 2021.11.05
  • 現役東大生ライター H

中学受験を控えた皆さん。
どうしたら成績が上がるのか分からない、勉強しているのに身についている手ごたえがあまりない、と悩んではいませんか?
 
今回は中学受験を実際に経験した筆者が、社会の勉強法についてお伝えしていこうと思います。
社会は、勉強法のコツさえつかめれば成績を上げることができます。
この記事を読んで、少しでも参考になることがあれば幸いです。
 
参考までに、筆者の簡単な中学受験の経験について以下に示しておきます。
 
〈筆者について〉
小4から通塾。塾の先生にすすめられ、小5から中学受験の対策を始める。
通っていた塾が個人の小さい塾だったため十分な対策コースが無く、自分で参考書などを選びながら勉強した。
公立中高一貫校と私立の2校の対策を並行して行い、どちらも合格。
現在は東京大学に在籍し、小学生に対して中学受験指導の経験あり。

中学受験で社会を本気で勉強すべきワケ

中学受験で社会を本気で勉強すべきワケ

社会より算数が好きだから社会は勉強したくない!
暗記は苦手だから社会で点数が取れない!
このように、「社会は少し勉強すればいい」「後でやればいい」と考えてはいませんか?
 
筆者の場合もどちらかというと算数や理科のほうが好きだったので、社会の勉強法で悩んでいました。しかし、社会を本気で勉強しないことは非常にもったいないです。
なぜ、社会を本気で勉強した方がいいのでしょうか。

社会で大コケを防ぐ

まず、社会といえば暗記科目ですよね。
もちろん暗記がすべてではないのですが、正直なところ、他の科目と比べて暗記の割合が大きくなっています。
基本的に暗記科目は、覚えたら覚えた分だけ点数をとることができます。
つまり、やったらやった分だけ点数になりやすいということです。
 
算数や国語の場合、問題との相性がありますし、どれだけ得意でも本番で失敗してしまう可能性が少なからずあります。
しかし、社会は大きく失点するということが少ないのが特徴です。
よって、社会の地盤を固めておくことで本番に大コケしてしまう事態を防ぐことができます。

社会は点数が上がりやすい

また、算数などに比べて、短期間で点数が上がりやすいのも特徴です。
算数の場合、コツコツと計算練習して地道に力を上げていく必要がありますが、社会の場合、覚えることさえできれば1日や2日でも十分な勉強効果を上げることができます。
中学受験で高い点数をとる人は社会の点数も十分に高いことが多いです。
つまり、中学受験に合格するには、社会の学力を十分に身につけることが必要になります。
 
それでも、「暗記が苦手だから自分に社会は向いていない」と思っている方もいると思います。
実は、ほとんどの人において暗記できる脳の容量の大きさはほぼ等しいということが知られています。
つまり、人によって暗記できる量が違う、ということはほとんどないはずなのです。
ではなぜ、暗記が得意な人と苦手な人がいるのでしょうか。
それは、得意な人と苦手な人とで「暗記の方法」が違うからです。
 
次の項で、その方法についてお伝えします。

効率が良い中学受験社会の勉強法

効率が良い中学受験社会の勉強法

効果的な暗記法

まず、効果的な暗記の方法についてです。
これをすれば暗記が得意になる!という方法があれば簡単なのですが、実際そんないい話はありません。
それではどうすればいいのか、それは自分に合った暗記法を見つけることです。
 
暗記が得意な人は、何をすれば自分が覚えやすいか、たくさん覚えることができるか、ということを研究し、分析しています。
その方法というのは人によって違ってきます。
ですので、暗記が得意な人の方法をマネしただけでは十分な効果を得ることは難しいです。
それでは暗記の方法にはどのようなものがあるでしょうか。
 
良く知られているものだと、
黙読する、音読する、ノートにまとめる、単語帳をつくる、音声を聞く、・・・
などがあります。
これらを試してみて、自分に合ったものを実践してみてください。
一般的には、五感すべてをフル活用した方が覚えやすいといわれています。
 
人間は目から最も情報が得られやすい、と言われていますが、そこに耳からの情報、つまり音声をプラスすることでさらに覚えやすくなることが見込めます。
テキストを読んだだけではなかなか覚えられない、という人は耳を使うことも一つの手かもしれません。
その時に、ただ音読するだけでなく、リズムをつけたりするともっと覚えやすくなります
また、本を読むときであっても、文字だけを覚えようとするより絵やイラストと紐づけしておくと覚えやすくなる傾向があります。
 
筆者の場合は、見るだけでなく手も動かせとよく言われましたが、字があまりきれいではなくノートを見返す気にならなかったのと、自分の手で書いてもあまり効果がないなと感じていたので、ひたすらテキストをじっくり見て覚えていました。
ここは本当に人それぞれなので、自分に合ったものを見つけてみてください。

インプットとアウトプット

「インプット」と「アウトプット」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
一般に、知識を覚えることをインプット、その知識を使うことをアウトプットと言います。
つまり、暗記がインプット、問題演習がアウトプットになります。
勉強するにあたって、このインプットとアウトプットは両方とも欠かせません
インプットだけでも完璧にすれば、良い点数が取れるように思えるかもしれませんが、実際アウトプットまですることが必要です。
 
問題を解くことを建築に例えてみましょう。
インプットするというのは、ノコギリやハンマーなどの道具を取り揃えていくことです。
アウトプットするというのは、それらの道具の使い方を学ぶことです。
どれだけ良い道具が与えられたからと言って、すぐに家を建てろと言われても無理があります。
暗記だけして臨む試験も、同じようなものです。
暗記してインプットしたら、必ずアウトプット、つまり問題をたくさん解いて練習することを忘れないようにしましょう。
このインプットとアウトプットの2つを組み合わせることで、点数アップを目指すことができます。
 
今まで暗記だけして終わっていた、逆に、十分に覚えていない状態で問題演習ばかり取り組んでいたという方は上記のことを意識してみるといいかもしれません。

楽しく勉強する

これは社会に限ったことではありませんが、勉強は頭を使って疲れるし、一人で黙々と机に向かわなければならないのであまり好きではないという人も多いと思います。
勉強がつらくなってしまったら、楽しく勉強することを考えましょう
 
例えば、成績に応じてご褒美を用意する、などはよくある例だと思います。
また、社会の場合だと歴史について学ぶことができる漫画、すごろくなど、娯楽の要素が入ったものを使うのも良いです。
さらに、一人で勉強するよりライバルと切磋琢磨する方が、競争心が芽生えて頑張ることができます。
時には、わからないところを教えあったりして、学びを深めるのも有意義です。
 
筆者の場合は歴史を覚えるのがつらくなってしまった時があり、そんな時は無理して問題集を解かずに、歴史の漫画を読んだり、歴史の題材を扱ったボードゲームなどで遊んだりして学ぶことを意識していました。
ゲーム感覚でできると、楽しく学べて一石二鳥ですよね。

過去問を大切に

中学受験の社会は、学校によって雰囲気や出題範囲、傾向がまるで異なります。
本格的な問題演習を始める前に、過去問を解いてみて志望校の出題傾向を把握しましょう。
もちろん、最初に解くときは高い点数をとる必要はありません。
あくまでどんな問題が出るのかをつかむことが目的です。
 
過去問を解いて出題傾向が把握できたら、どのような問題演習をすればよいのかも見えてくるはずです。
効果的だと思う参考書を選んで取り組むようにしましょう。

スキマ時間を活用する

社会は算数や国語などと違って暗記がメインになるので、スキマ時間をうまく活用することができます。
例えば、移動中、ちょっとした休み時間、寝る前の10分など、スキマに生じる時間を使ってできることを見つけてみましょう。
 
年号暗記のポケットサイズの本など、スキマ時間に覚えるにはもってこいです。
少しの時間も無駄にしたくない、という意識で生活することが大切です。
 
とはいっても、自分だけではなかなか勉強方法は定着しないもの。
そんな時は第三者から意見を貰う事も重要です。
なかなか成果が出ない時には、家庭教師を付けることも検討してみてはいかがでしょうか。

中学受験社会<歴史>の攻略法

中学受験社会<歴史>の攻略法

人物のプロフィールを把握しよう

歴史の問題を解くうえで、どうしても知っておく必要のある基礎知識があります。
人物名や年代などです。
まず、歴史上の人物の名前は正確に覚えるようにしましょう。
名前がどうしてもなかなか覚えられないという方は、先の「効率を上げる勉強法」に示した方法などを試してみてください。
 
人の名前が覚えられたら、次はその人が活躍した年代、どこの地域で活躍したか、なにをして有名になったかなど、背景知識に興味を持ってみてください
その人のことを知るつもりで、どうしてこんなことをしたのだろう、どんな人がこの人に感謝しただろうか、逆に不利益を被った人は誰だろう、など考えてみると面白いはずです。
とても有名な人であれば伝記もあるはずなので、読んでみると勉強になると思います。
 
実際の入試においても、史実をもとに自分で考えて答えるような問題も出題されています。
日頃から歴史上の人物について自分なりの考察をしておくと試験でも答えやすくなると思います。

歴史の「縦と横」

それぞれの人物について把握できたら、今度は歴史の「縦と横」を意識します。
ここでいう「縦」は一国での時代の流れ、「横」は各国で同時代に起きた出来事を並べることです。
 
まず「縦」の流れをつかむためには、時代の移り変わりを把握し、それぞれの人物がどの時代で活躍したかを知る必要があります。
ただ覚えるだけではつまらないので、
(1)なぜその人物がその時代で活躍したのか
(2)その人物の台頭はなぜ起きたか
(3)その人がのちに与えた影響、または次に台頭した人物
を考えてみるとストーリー仕立てで頭に入るのではないでしょうか。
歴史を覚える際にはストーリーで覚えることが重要です。
 
また、なかなか流れがつかめないという方は、年号を暗記してしまうのも一つの手です。
ぜひ、語呂合わせなどで覚えてしまってください。
実際に、詳しい年号まで暗記していないと答えるのが難しい問題も出題されるので、年号の暗記は重要です。
全部は覚えきれないという人は、江戸から明治など、元号が変わる前後の出来事の年号を覚えることから始めるのをお勧めします。
元号が変わるタイミングがわかれば、歴史の大きな流れをつかむことができます。
 
次に「横」を並べます。
日本で同時期に何が起こったか、また政治と文化の関連を把握するのはもちろん、他国でその時期に何が起きたかを知っておく必要があります。
しかし、中学受験の歴史は圧倒的に日本史分野が多いです。
ですので、他国の動向は有名なものだけつかんでおけば問題ないです。

中学受験社会<地理>の攻略法

中学受験社会<地理>の攻略法

地図と仲良くなろう

地理は、とにかく日本地図をじっと眺めて、何も見なくても何となく頭に浮かぶようにしましょう。
日常的に地図を見る機会はそんなに多くないと思うので、例えばトイレに貼ったりして強制的に地図を見る時間を作り出すのも良いかもしれません。
覚えるべきポイントとしては、都道府県はもちろん、県庁所在地、山脈、川などの地形です。
名称だけ覚えても使える知識にはなかなかならないので、位置も一緒に覚えるようにしてください。
 
覚えられたぞ、と思ったら白地図に書き込んで確認するのも一つの手です。
自分で書こうとすると、覚えたつもりでも詰めが甘いのが浮き彫りになると思います。
何度か覚えなおして、きちんと地図上で書き表せるようにしましょう。

人々の暮らしと結びつける

地形を覚えたらそれで終わりではありません。
次に、地形と人々の暮らしの関係性を考えます
 
例えば、日本海側は冬に積雪しますが、それは人々の暮らしにどのような影響を与えるでしょうか。
山地ではどのような産業が発展しているのでしょうか。
工業地帯はなぜ太平洋ベルトと呼ばれるように分布しているのでしょうか。
 
普段からそういったことを考えておくと、入試の時にスラスラ記述できるようになります。
覚えるだけでなく、その理由も一緒に考える習慣を身につけましょう

中学受験社会<公民>の攻略法

中学受験社会<公民>の攻略法

憲法を知ろう

公民では様々な法律について問われることが多いです。
その中でも、憲法は最も基本的なものになります。
 
まずは、憲法の内容を把握しましょう。
全文を読む必要はないので、テキスト等を使って憲法について学習しましょう。
そのなかで、知らない単語がたくさん出てくると思います。
 
そのたびに、辞書やインターネットで調べたり先生に聞いたりして理解し、簡単なイメージを持つようにしましょう。
特に公民で出てくる言葉は複雑なものばかりですので、身近な大人の人に説明してもらうのが効率的です。

自分の言葉で説明できるように

公民を学ぶ際に大切なのは、学習したことを自分の言葉でかみ砕いて説明できるようにすることです。
法律の条文を覚えても、その内容を理解していなければ意味を成しません。
覚えたことを妹や弟に説明すると思って、自分なりに説明する練習をしてみましょう。
言葉で説明するのが難しいときは、図を使ったりするのもいいかもしれません。
 
また、公民分野は現代史と絡めて出題されることも多いです。
法律が、自分たちの生活にどう影響しているのか、または最近の出来事とどう関係しているのか、ということにも着目してみましょう。

中学受験社会の近年の出題傾向

中学受験社会の近年の出題傾向

近年の出題傾向として、歴史、地理、公民がすべて結びついたような融合問題が多くみられます
特に公立校では思考力を問う融合問題が多く出題されますし、私立でも、細かい知識まで問う問題はもちろん、自由記述のような出題も増えてきています。
また、表やグラフの読み取り問題も依然としてよく出題される問題の一つです。
 
これらの点からも、各分野をバランスよく学び、それぞれの関連性を意識する、さらに思考力、読解力を同時に養うことも重要です。
この力は簡単には養うことができないので、記述を多く含む問題集、思考力を鍛える問題集などを使用して演習を積んでいきましょう。
 
さらに、時事問題が多く出題されるのも一つの特徴です。
テキストだけをこなしているのではなかなか時事問題に対処できないので、日頃からニュースや新聞に目を通すことが望ましいです。
とはいえ、ニュースを見る時間があまり取れない、新聞は言葉が難しくて読む気にならない、という方も多いと思いますので、大人に頼るのも有効です。
身近な先生や、おうちの方と最近あった出来事についてディスカッションすると、自然と時事問題が把握できるうえ、思考力も身につきます。
 
また、日常生活で常にアンテナを張るようにしましょう。
これは社会に限った話ではないですが、普段の生活の中で「なんで?」「どうして?」という疑問を見つけ、解決することは学力を高めるうえでとても重要です。
わからないことはわからないとあきらめず、身近な人に聞くなどしてとことん追求していきましょう。

おすすめの問題集、参考書

おすすめの問題集、参考書

最後に、おすすめの問題集、参考書をいくつかご紹介します。

(1)中学入試まんが攻略BON!(Gakken)

こちらのシリーズからは歴史編(上・下)、歴史年代暗記編、地理編(上・下)、政治・国際編が出版されています。
まんが仕立てになっているので、無理なく全体の流れを把握できるようになっています。
本格的な演習を始める前に読んでおくと、背景知識が身についてその後の演習にスムーズに移行できます。

(2)小学高学年 自由自在 社会(受験研究社)

自由自在は各教科において出版されている昔から有名な参考書ですが、これが1冊あるとほとんどの事項を網羅することができます。
内容も濃いため、ある意味辞典のように使うこともできます。
基礎から応用まで効率的に学習したい人におすすめです。
また、図解が多く理解しやすいのもポイントです。

(3)中学入試 小学用語&資料集 社会3300(旺文社)

社会を学ぶ上では用語の把握が重要になってきますが、その用語について詳しく解説しているのがこの一冊です。
たくさんの用語を小学生でもわかりやすいように解説しています。
読み物として読んでも手ごたえが得られます。
社会を勉強する際、資料集は必ず役に立つので手元に置いておきたいですね。

(4)中学入試 出る順過去問 社会 合格への1008問(旺文社)

一通りインプットし終えたあとに確認用として使用するのに最適な問題集です。
内容は基礎的なものが多く、この一冊が身につけば必要最低限の知識は身についているはずです。
また、実際の入試問題を分析してよく出題される問題をピックアップしているので、効率重視の人にもおすすめです。

(5)中学入試 社会 実力突破(受験研究社)

バランスよく問題演習したい人におすすめです。
ボリュームもちょうどよく、基本から応用まで、中庸で使いやすい問題集になっています。
とくに、応用問題では難関高レベルの問題を収録しているので、腕試しとしてももってこいです。

(6)中学入試 最高水準問題集 社会(文英堂)

こちらの問題集は難易度こそ高いですが、良問が多く収録されています。
基礎~標準的な問題集が一通り解き終わった、難関校を目指している方におすすめの問題集です。
難関校に見られる、思考力を問うような問題も多く収録されています。

(7)分析力で合格!公立中高一貫校適性検査問題集 社会的分野(朝日学生新聞社)

こちらは公立中高一貫校の適性検査に特化した一冊です。
公立用の問題集はあまり多くないですが、こちらの本は表やグラフの読み取りなど適性検査に頻出な問題分野を網羅しているので、適性検査を受ける方には演習用として充実した一冊になっています。
 
ちなみに、家庭教師ファーストでは市販の問題集での指導も可能です。
もちろん塾のカリキュラムに沿った指導もできます。
下記のページも参考にしてみてください。

まとめ

今回は中学受験の社会のコツについてご紹介しました。
少しでも参考になればうれしいです。
 
また、社会は難しい言葉や考え方がたくさん出てくるので、一人で勉強するのが難しい場合もあると思います。
そんな時のためにも身近に頼れる先生がいると頼もしいですね。
わからないことは、すぐ解決して自分の力に変えていってください。

この記事を書いたのは

現役東大生ライター H

家庭教師ファースト登録教師。東京大学工学部。中学受験、大学受験を経験。中学受験の指導には自信あり。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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