家庭教師ファースト教育コラム勉強のコツ
家庭教師ファースト教育コラム勉強のコツ
家庭教師ファースト教育コラム勉強のコツ
読書感想文は夏休みの「ラスボス」ですよね?
読書感想文、と聞くと大変なイメージもあるかもしれません。
ですが、コツを掴めば誰でもとてもスムーズに感想文を書くことができるようになります。
今回のコラムで、自分なりの「読書感想文の書き方」を見つけてみてください!
(なお、こちら小・中学生向けの内容となります。)
また読書感想文に限らず、宿題や勉強でお困りの際には、家庭教師を付けて相談してみるのも一つの手かもしれません。
なぜ学校の課題やコンクールで読書感想文を書くのか、学校は次の3つの理由から、読書感想文を書かせています。
・普段あまり本を読まない子供たちに本を読んでほしい
・ある程度本が好きな子には、今まで読んだことのない本を読んでほしい
・本の内容を理解しまとめること、自分の考えをまとめることができるようになってほしい
上記3つを踏まえた上で読書感想文の書き方をお伝えします。
これが全ステップです。
見通しをもって取り組みましょう。
読書感想文にはどれくらいの期間で取り組めば良いのでしょうか?
筆者は、本選びから読書感想文の完成までに費やす期間の理想を、全体で約2週間くらいかなと考えています。
読書感想文を書くことは、ただ面倒くさいだけではなく、成長するチャンスでもあります。
1・2日で楽に片付けようと思わないで、焦らずじっくり読書感想文に取り組むといいです。
まずは自分が「読む気になる本」を選ぶことが大事です。
学校から本について特別な指定がなければ、「好き」や「興味がある」ものを選びましょう。
読書感想文はとにかく一通り読むことから始まります。
例えばスポーツをしている人は、それをテーマにした作品を選ぶのも良いでしょう。
登場人物の中で自分と似たようなキャラがいると感情移入しやすいため、あきずに読むことができます。
また、自分の体験と重ねあわせながら感想を書くことができます。
また、みなさんの中には、面白いマンガを読んだ後、友達に紹介した経験がある人もいるのではないでしょうか?
この「紹介」することも立派な読書感想文です。
作文用紙に書くときは丁寧な言葉遣いに直したりする必要がありますが、普段やっていると思うと気持ちが楽になるのではないでしょうか?
とは言え「紹介」は自分が興味を持ったものでないとできないため、やっぱり好きなものや興味のあるものを選びましょう。
また長い文章を読みたくない、という人におすすめなのが、文豪と呼ばれる大物作家が書いた、短編の「名作」です。
「本を読むのが嫌いなのに文豪の作品なんか読めるわけない!」と思うかもしれません。
しかし、長く多くの人に読まれ続けている作品だからハズレがないし、難しい分大きく成長するチャンスになります。
最近では小学生でもわかりやすいようにアレンジされた作品も販売されています。
1つ作品を紹介すると、
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』がおすすめです。
分量も30ページほどしかなく、絵本にもなっているため、想像力が膨らみ感想が書きやすいでしょう。
みなさんは、読書感想文を書くとき、どのように本を読んでいますか?
1度苦しみながら本を読んだ後、しばらく放心状態になってから、改めて作文用紙に手を伸ばすのではないでしょうか?
読み終わった頃はまだ、あらすじくらいは覚えているかもしれません。
しかし、テスト前日に詰め込んでもテスト本番では忘れているのと同じように、心の中で「おもしろい」「感動した」と思っていたシーンやセリフが、作文用紙を見る頃にはしばしば忘れてしまっています。
その「なぜおもしろかったのか」の部分を忘れてしまうと、読書感想文は一気に書きにくくなるので、ここを覚えておくことが大切です。
本を読みながら、「わっ、ここおもしろい!」「感動!」と思った場面にはしるしをつけ、なぜそう思ったのかをメモしましょう。
これが『読書メモ』です。
手順を一通り記します。
一回、最後まで読み通しましょう。
まずはそこからです。
1度目より速いスピードで再読しましょう。
この2回読む作業の間で、「気になるところ」があればそこに付箋を貼っていきます。
具体的には次のような場所です。
などです。
付箋を貼り終えたら、次はそれぞれの付箋に気になる本文を短く書き写します。
一文を丸ごと抜き出すのです。
この時、本文のページ数も一緒に書いておきましょう。
次に、付箋を台紙に貼ります。
この時の台紙は全部の付箋が貼れる程大きなものが良いです。
その後、抜き書きしたものについて「感想」や 「気づいたこと」を書きます。
感想が書きにくかったら、さっきの①~⑦の気持ちを書いてもかまいません。
一通りコメントを書いたら、最後に付箋をグループ分けします。
おそらく今台紙の上に張られたコメントは、物語の場面ごとに、10個ほどの似たようなグループに分かれるはずです。
グループを10~12個にしぼると、作業は終わりです。
グループごとに付箋をまとめてあげたらこの作業は終了です。
無理にいい作文を書こうと思うと、本当の感想とはちがうものになったり、誰でも書けそうな文章になったりしてしまいます。
何より、書いていて楽しくないはずです。
感じることは人それぞれ違うので、自分らしい感想文を書くために心がけると良いことをお伝えします。
ここで気をつけて欲しいのは、この段階ではまだ作文用紙に書かないということです。
(汚い字でもかまわないので、別な紙に考えをまとめるようにしましょう。)
先ほど付箋をグループ分けしたと思います。
その各グループがどういう場面なのかを、「小見出し」として台紙にまとめてみましょう。
コツは「一言でどういう内容か表すこと」です。
例えば、たぬきの糸車では、「たぬきが捕まる」「たぬきが糸を紡ぐ」等とまとめると良いでしょう。
ただし、この小見出しは感想文の清書で書くわけではないので、自分がわかれば多少雑でもかまいません。
次は付箋ではなく小見出しに注目します。
10個ほど出てきた小見出しの中には、1つながりの流れがあるはずです。
物語は全体を通して1つのテーマで書かれているため、場面は違っても同じテーマであることが多いです。
そのテーマをまとめるのが次のステップです。
コツとしては、
①誰(主人公)が、②最初は~だったが、③いつ、④どこで、
⑤何をした(された)ことで、⑥どのように変わったか
を全てそろえると良いでしょう。
このまとめが清書の「はじめ」になるので、100字から200字の間でまとめてみましょう。
この時、「はじめ」があまりにも長くなりすぎると、ただの本の紹介になってしまうので気をつけましょう。
ここに来てやっと、文全体を意識します。
国語で習う文章には、「はじめ・なか・おわり」の3つがあることは皆さんご存じでしょう。
感想文もこの3つで組み立てると、まとまりのある文になります。
「なか」の部分は、主人公の変化がどうしておこったのか、主人公の気持ちの変化に注目してまとめます。
この時、気持ちが変化する場面をしっかり、たくさん見つけるために、グループ分けした付箋を使います。
付箋のグループそれぞれが、主人公の気持ちの変化に関わっているはずなので、あとはそのグループ(場面)ごとに、
①何が起こった→②主人公の気持ちが変化した→③もし自分だったらどう考える(する)か
の順で1つの段落にまとめれば大丈夫です。
ここで気をつけて欲しいのは、段落を多くしすぎないことです。
段落が多すぎると文章に落ち着きがなくなるので、「なか」の段落は最大でも4つにしましょう。
そのため、付箋のグループの中でどの内容が大事なのか、どの内容を伝えたいのか、優先順位をつけましょう。
「なか」ができたら、次は「おわり」です。
と言っても、終わりですることは、「なか」でまとめた自分の考えや学びをコンパクトにまとめるだけです。
具体的には、①何を考えた(学んだ)→②自分はこれからどうするかを書くと良いでしょう。
最後に「はじめのはじめ」を書きます。
「はじめのはじめ」って何だ?と思った人も多いと思いますが、これは筆者が勝手につけた名前で、書く内容はとても簡単です。
①何の本を読んで、②何を考えたか、これだけです。
《最後に「はじめのはじめ」を考えると、「おわり」でまとめたことを上手く使えるため、わざとこの順番にしています。》
上記のようにして文章を書いていくと、文字数が足りなくて困る事があるかもしれません。
そのときは、文章を肉付けしましょう。
肉付けするときのコツのひとつに、『オノマトペ』を使うという方法があります。
オノマトペとは、「カンカン」「ドンドン」などの擬音語、「どきどき」「わくわく」などの擬態語のことです。
また、「うれしかった」「悲しかった」などの単純な言葉は、読書感想文だと何回も書いてしまいがちです。
その時はぜひ別の言い方で表現してみましょう。
「うれしかった」自体を別の言葉にしたり、「~できてうれしかった」のように変化させたりするとよいです。
読書感想文の題名のつけ方を気になる人も多いでしょう。
よくあるのは「○○を読んで」というパターンですが、これではありきたりすぎます。
8割の子どもがこの題名で読書感想文を書いている、というデータもあります。
せっかく自分の心と一生懸命向き合ってできた、自分にしか書けない読書感想文なので、ここまでで使用した付箋のメモからキーワードを拾ってみるなどして、自分らしいタイトルをつけるところまで頑張りましょう。
いよいよ、作文用紙に書いていきます。
先ほど紙でまとめたとおりに原稿用紙に書いていきましょう。
文章を書き終えたら終わりではなく、きちんと見直して日本語の間違いを直したり、より的確な表現をさがしたりしましょう。
感想文はあくまで人が読むものなので、相手が読んで意味が伝わるかなどが必要です。
人が読むと言うことを考えながら、いったん頭をクールダウンさせて、冷静なもうひとりの自分の目で読みなおしてみることが大きく完成を左右します。
書き終えたあと、必ず読み直して、次の点をチェックする必要があります。
という点です。
このうち、テニヲハや主語・述語の関係、漢字の正しさについては、読み直したときに自分で気づけると思います。
でも、「自分の伝えたいことが説得力をもって読み手に伝わるか」など、自分ではなかなか判断しづらい部分もあるはずです。
他人にわかりづらい文章になっていないかをチェックするために、読書感想文を提出する前に、一度他の人に読んでもらうとよいです。
保護者の方に一度読んでもらうのがベストです。
また、自分で音読をしてみてもいいでしょう。
書き終わった次の日に、昨日書いた作文を「声に出して」読んでみます。
声に出して読んでみて、気づくことがあれば、赤ペンで書いていきます。
こっちの文が先に来た方がいい、この文はもう少し強調しよう、この文はやっぱりいらない、など、そういう気づきはどんどん書き込みます。
音読すると、不思議と、書き入れたい言葉や、書き直したい言葉が出てきます。
改めて読んでみると、文と文のあいだに入れたい言葉も自然に出てくるはずです。
細かな表現の修正に加えて、構成そのものを変えたくなることもあるでしょう。
その際は、文単独ではなく段落ごと移動させてください。
そうしないとバランスが崩れてしまいます。
これは低学年だとまだ難しいので、保護者の方からアドバイスをしてあげましょう。
こうして下書きの原稿用紙に赤字を入れ終わったら、最後に新しい原稿用紙を用意して、清書をしてください。
改めて、原稿用紙の使い方をおさらいしておきましょう。
保護者の方であっても、原稿用紙で作文を書いたのは十数年前という方が多いはずで、忘れていることもいくつかあると思います。
きちんとルールを守れている原稿用紙は、読み手に良い印象を与えます。
学校名や学年などの記載法のほか書き方の形式については、通う小学校や応募するコンクールの決まりがある場合もありますので、必ずその指定を確認するようにしましょう。
上手な文章が書けなくても、こういうところに注意が払われていれば、まちがいなく良い感想文になります。
読書感想文の内容で求められることは学年ごとに変わってきます。
低学年では自分が思ったことを中心にして構いませんが、上級生になるにつれて、具体的に学んだことや今後の人生への役立て方など、本から自分の人生に価値を付加できたかが大事になってきます。
自分の実体験を思い起こしながら書けるといいです。
「わたしも主人公と同じように〇〇というような経験がありました。
その時わたしは~と感じましたが、主人公は…」
というように、自分の体験とリンクさせて書くことができると、とてもよく伝わる文章になります。
本を読んだ後で、自分がどう変わったか、どうしていきたいかも書きましょう。
例えば「この本を読んで、本当に友だちの大切さに気がつきました。これからは、主人公のように友達を大切にしていきたいです。」などです。
小学生と同じく、自分の体験談にリンクさせるのはとてもいい方法です。
読書から得られた気づきを自分の言葉で表現できると、「さすが中学生」という文章になります。
例えば「真の友情とは…だということがわかりました。」「本当のやさしさとは主人公のように~ことなのだと気づかされました。」などのようにまとめてみてください。
あとは、できるだけ表現を豊かにすることも意識してみましょう。
比喩や慣用句、表現の変換を使うのもいいですね。
例えば、
「晴れ」ではなく「澄み切った晴天」
「うわさ話」ではなく「根も葉もないうわさ話」
といった表現を心がけると、ワンランク上の文章になり、読み応えが増しますし、国語の勉強にも繋がります。
高校生についても簡単に説明しようと思います。
小・中学生に示したポイントを踏まえたうえで、さすが高校生という文章を目指すならば、自分の体験はもちろん、実社会の事例や課題などとリンクさせて書いてみると良いでしょう。
「いじめ」がテーマの本なら、最近ニュースで見たいじめの問題に触れてみる。
「環境問題」がテーマの本なら、近年問題視されている環境問題を取り上げてみる。
「戦争」がテーマの本なら、いま地球上で起きているテロや紛争について言及してみる。
今自分の身の回りに起きていることと本の世界は無関係ではありません。
小説でも主人公の世代によっては身近な題材となるでしょう。
より自分自身の考えと読書が結びつくように、読書感想文に工夫を凝らしましょう。
さらには、中学生同様、比喩や慣用表現を使って表現を豊かにすることも意識しましょう。
「正しい日本語で自分の気持ちを表現する」ことは、読書感想文を含め作文をする上で意識すべき個との1つです。
無理に難しい表現を使う必要はありませんが、文字数をコントロールできるため、ことわざなどの語彙力を上げるのはテクニックの一つです。
ただし、語句に頼りすぎて伝えたいことの本質が迷子にならないようにしましょう。
今回は読書感想文の書き方について、小・中学生を対象に紹介しました。
読書感想文に限らず、宿題や勉強でお困りの際には、家庭教師を付けて相談してみるのも一つの手かもしれません。
せっかく時間をかけるなら、周りの感想文とは違う自分なりの作品を作ってみましょう。
少しでもあなたの読書感想文に味がつくことを願っています!
現役京大生ライター H
家庭教師ファースト登録家庭教師。京都大学 法学部在籍。塾講師の経験もあります。文系教科に自信あり。