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家庭教師ファースト教育コラム理科・科学の雑学

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【身近な有毒物】身近にある危険でヤバイ有毒物質13選~理科が好きになる話~

  • 理科・科学の雑学
  • 現役上智大生ライターM.A

はじめに

みなさんは風邪をひいたら薬を飲みますか?頭が痛かったら痛み止めを飲みますか?乗り物に酔いやすかったら酔い止めを飲みますか?どれも当たり前のように「薬」として口にしますね。

もちろん、薬には副作用という薬の効果とは違ったものがでるという危険性を私たちは知りながら飲みますね。有名な副作用としては眠くなるなどあまり重大なものには感じません。では、副作用などの危険性を全く考えていなかったものが危険だった場合どうでしょうか?

私たちの身近には口に含んでいるものや毎日のように使用するのにも関わらず、危険性が知られていないものが多くあります。薬には副作用などの記載がありますが、それらにはありません。今回はそうした身近な危険な有毒物質について学んでいきましょう。最後には有毒物質のヤバさのランキング付けもしようと思います。是非最後まで読んでいただけると幸いです。

なお、大丈夫だとは思いますが、今回はあくまで身近な危険な有毒物質について学ぶことで、皆さんの「学び」になること、また理科を好きになってもらえるキッカケになる目的で執筆しております。くれぐれもいたずらに利用する等、悪用はしないようお願いいたします。

お勉強の事でお困りごとがあった際には、是非私たち家庭教師にもご相談ください!

有毒物質とは何か?

有毒物質とは

有毒物質とは

有毒物質、そのまま言葉通り、「毒」が「有る」物質です。毒とは生物の生命活動において不都合を起こすものです。みなさんがよく知っている毒でいうとダイオキシンやシアン化合物(青酸カリ)、水銀などがあります。有毒物質は先ほど例にあげたような天然のものもあれば、化学技術の発展により作られた化学物質もあります。ダイオキシンなど排気ガスやゴミの燃焼が主な発生源です。つまり、工業が発展したからこそ、有毒物質の影響を受けるようになったと言えます。

しかし、化学技術は私たちの生活をより快適にするためになくてはならないものです。もちろん、私たちの健康、生命はかけがえのないものです。この両立をしっかりと考えて化学技術を発展するために、有毒物質をしっかりと知っていきましょう。

化学物質とは

化学物質は私たちにとってなくてはならないものです。毎日食べる食品や自動車、医薬品や電化製品など数えきれないほど私たちは化学物質に囲まれています。ただ、化学物質にも欠点があります。みなさんはプラスチックのゴミ問題をご存知でしょうか?プラスチックは安価で耐久性もいいため身の回りの様々なところに用いられています。

しかし、プラスチックは燃焼が困難であるため、ゴミが燃やせないのです。自然界でも分解しにくく、ゴミが溜まっています。こうしたように生活の快適さと環境を両立することが化学物質の課題です。有毒でない、環境にもいい化学物質を私たちは選んでいかないといけませんね。

有害性(急性、慢性)とは

有害性とは化学物質の有害さを示す度合いです。化学物質の有害性は症状が現れるまでの時間を急性毒性と慢性毒性に分けられます。つまり、有毒物質の種類によって症状が現れるまでの期間が違うので対処が違ってくるということです。急性毒性は数日以内に発症や死に至る毒をさします。慢性は長期間摂取し続けた時、数ヶ月後に発症、死に至る毒をさします。急性に比べて少ない量でも発症します。有名なフランスの革命家ナポレオンも慢性のヒ素中毒で亡くなったとされています。(諸説あり)当時はワインの樽を洗うのにヒ素を使用していました。ワイン好きであったナポレオンは毎日のようにヒ素を口にしていたといえるでしょう。このようにずっと大丈夫だと思って食べていたものが突然ダメになる日もくるのです。本当に毎日身の回りにあるものが安全かを確認していきましょう。

身近にある危険な有毒物質~食べ物編~

みなさんはどんな食べ物が好きですか?食事は生命活動をする上でなくてはならない物です。しかし、その食べ物は本当に安全でしょうか?栄養をバランス良くとることや添加物がない物を選ぶなど健康を気遣う人は少なくないです。もちろん、全ての食事に対して気遣うことは難しいです。何が危ないのかをしっかりと理解して食べ物を選択していくことが大切になってきますね。

では、この章では食べ物に含まれる有毒物質について考えていきましょう。もしかしたら、毎日食べている物に有毒物質が含まれているかもしれませんね。

身近な有毒物質① はちみつ

はちみつ

はちみつはミツバチが花の蜜を採集、巣の中で加工や貯蓄をしたものです。人類が初めて使用した甘味料です。ビタミンB1、B2やカリウムなどの栄養素を多く含んでいます。栄養素だけでなく、ダイエットや美肌にも効果があります。しかし、はちみつには有毒物質が2つ含まれています。1つ目の有毒物質はグラヤノトキシンです。ツツジ科の植物などに含まれており、その花の蜜がはちみつに混入してしまう場合があります。2つ目は、ボツリヌス菌といいます。ボツリヌス菌が作るボツリヌス毒素は極めて毒素が高いです。大人の場合、ボツリヌス菌は腸内細菌との競争に負けてしまうため影響はありません。しかし、1歳未満の乳児は腸内でボツリヌス菌が繫殖して乳児ボツリヌス症になってしまいます。乳児ボツリヌス症は便秘や脱水状態、首のすわりが悪くなります。治療によって完治しますが、稀に亡くなってしまいます。つまり、1歳未満は、はちみつを与えないようにしましょう。

身近な有毒物質② アーモンド

アーモンドはバラ科サクラ属の落葉高木です。この果実の種から作られるのがナッツです。アーモンドは食物繊維が豊富で腸内環境を整える効果やビタミンE、B2なども多く含まれていて健康いい食品です。しかし、アーモンドには、刑事ドラマなどで耳にすることも多いシアン化合物という有毒物質が含まれています。シアン化合物は一定量摂取すると急性中毒症状を起こします。頭痛や嘔吐、高濃度の摂取では死に至ることもある危険な物質です。致死量、死に至る量が少なくとても危険な有毒物質です。ただ、少量であれば健康に問題はありません。それどころか、健康に良い食品であります。もちろん、日本では食品衛生法によってシアン化合物を多く含むものは販売されていないので、スーパーなどで購入したものは安心して食べることができます。

身近な有毒物質③ じゃがいも

みんな大好きじゃがいもは食卓に並ぶことも多い食材です。姿形を変えて様々な料理に用いられていますが、実はじゃがいもにも有毒物質が入っているのです。ナス科ナス属の多年草のじゃがいもの芽にはソラニンと呼ばれるステロイドアルカロイド配糖体という有毒物質が含まれています。これは、嘔吐や下痢、腹痛、意識障害、呼吸困難などを引き起こします。芽だけではなく、黄緑から緑色に変色した皮や芽の周りにも含まれていることがあるので気をつけましょう。

また、じゃがいもだけでなくら未熟なトマトなどにも含まれていることがあります。身近な食材でもしっかりと調理しないといけないとわかりましたね。

身近な有毒物質④ ジャスミン

ジャスミン

ジャスミン茶でお馴染みのジャスミンはモクセイ科ソケイ属の植物です。お茶といっても様々なハーブや花など種類が豊富にありますね。そんなお茶として目にすることが多いジャスミンには種類が300種以上あり、その中に有毒物質を含むものがあります。それはカロライナジャスミンと呼ばれてマチン科の植物です。

一般的にジャスミン茶と呼ばれるハーブティーに用いられるジャスミンはモクセイ科であるので安心して飲むことができます。しかし、誤ってカロライジャスミンを使用してしまった事例もあるので気をつけたいですね。カロライナジャスミンは脈拍増加や呼吸麻痺、血圧降下、心機能障害などの中毒症状がでます。もちろん、見る分にはとても美しい花です。美しい花には毒を持っているのもあることを覚えていきましょう。

身近な有毒物質⑤ 保存料(食品添加物)

食品添加物という言葉を聞いたことがあるでしょうか?よく食品の成分表示で目にすることが多いと思います。その中でも今回は保存料について考えていきたいと思います。保存料とは食品の腐敗や変色、味の変化などの原因となる微生物を抑える役割をしています。つまり、その名の通り保存性を高めるものです。保存したい物によって保存料は変わります。

主な保存料としてはソルビン酸や安息香酸などがあります。ソルビン酸は発がん性や遺伝毒性の危険性があります。安息香酸は鼻炎や皮膚のアレルギー症状などを引き起こす場合があります。どちらの摂取量が多くないと発症しませんが、気をつけなければいけません。しかし、保存料は食中毒のリスクを減らすことができます。有毒物質だけではなく、安全性を考えているのです。それだけではなく廃棄食品の軽減、広範囲の流通によって大量生産を可能にすることで商品価格を下げることが可能となりました。

このように、保存料とは私たちの食生活においてなくてはならないものです。もちろん、有毒物質であることは認識しないといけませんが、生活を豊かにするものであります。

※補足~食品添加物とは~

食品添加物についたもう少し詳しく見てみましょう。

食品添加物には保存料の他に甘味料や着色料、発色剤、酸化防止剤など、様々な用途に合わせた種類があります。食品添加物は加工や品質を保つため、栄養素の補充、味の嗜好性を高める役割をしています。保存料にも有毒物質が入っていたように他の食品添加物にも含まれています。

では、なぜ有毒物質が入っているのにも関わらず様々な食品に使われているのでしょうか?それは食品添加物がしっかりと安全管理されているからです。食品添加物が安価で美味しいものを提供できる上に食中毒や保存期間を延ばすことができます。食品添加物が悪いものであるという認識を変えていかないといけませんね。もちろん、食品添加物を多く含んだ食品の食べ過ぎは良くはありません。食品添加物の有効性をしっかりと意識して、食品の成分表示などを見てみてください。

身近にある危険な有毒物質~生活編~

食べ物の有毒物質について考えていきましたが、今度は生活の中にある有毒物質について考えていきましょう。生活において科学技術はなくてはならないものになりました。より便利に、より快適にと人間にとって生活のしやすさはとても良くなったといえるでしょう。しかし、安全性も重要になります。この両立をする上で、有毒物質がどのように危険であるかを理解して利用すること大切になるでしょう。では、この章では生活にある有毒物質について考えていきましょう。

身近な有毒物質⑥ 洗剤

洗剤

洗濯やお風呂、トイレの掃除、お皿を洗うために用いるなど洗剤とは幅広い場面で使われています。用途に合わせた効果を発揮できるように種類がたくさんあるのです。その中でもアルカリ性や酸性、塩素系などといった種類を聞いたことがあるでしょうか?塩素系はシミや汚れ、カビなどの色素を分解する力があります。漂白力が強いのが特徴です。酸性は尿石や石けん、水アカなどを落とす効果が優れています。このようにそれぞれの用途に合わせて使えば便利なものですが、間違った使い方をすると有毒物質になります。

「混ぜるな危険」という表示を見たことあるでしょうか?その通りで、塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜると有毒ガスが発生します。有毒ガスは目や鼻、喉に強い刺激があり、呼吸器の組織を破壊される場合があります。万が一混ぜてしまった場合は、換気をすぐにしましょう。また、塩素系は水に溶けるため水で洗い流すことも有効です。まず、1番の予防としては塩素系と酸性の洗剤を一緒に使用するのを控えることになるでしょう。

※補足~洗剤の化学反応について~

塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜた際に有毒ガスが発生することに対して、少し科学を交えて考えていきましょう。少し難しい話になります。塩素系に含まれる主な成分は次亜塩素酸ナトリウム、化学式ではNaClOといいます。次亜塩素酸ナトリウムは弱酸性液体の次亜塩素酸と強アルカリ性液体の水酸化ナトリウムからできています。次亜塩素酸ナトリウムは安定して存在するのが難しいので、酸性の洗剤と簡単に反応を起こします。

NaClO(次亜塩素酸ナトリウム)+2HCl(塩酸)

NaCl(塩化ナトリウム)+H2O(水)+Cl2(塩素ガス) (塩素ガス=有毒ガス)

このように、化学反応は様々なとこで良くも悪くも用いられています。日常の化学現象など、化学反応式を用いて考えてみてください。

身近な有毒物質⑦ ガソリン

車を動かすものとして有名なガソリンですが、これも私たちの身体に影響がある有毒物質です。ガソリンには炭素水素であるメタンとベンゼンが含まれています。ガソリンの煙を吸い込むと肺に影響を及ぼす場合があります。直接吸入すると一酸化炭素中毒を引き起こす場合もあります。その他の症状としては呼吸困難や頭痛、腹痛、嘔吐などがあります。また、ガソリン中毒、ガソリンを飲むことをやめられないという病気もあります。身体に悪いことはわかっていますが、それでも私たちの生活に欠かせないものです。

しかし、20030年にはガソリンを知らない人がいる世界があるかもしれません。SDGs「持続可能性な開発目標」では17個の2030年までの世界目標を示したものがあります。SDGsの目標の7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」を受け、日本では「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という目標を掲げています。2030年までにはガソリン車の販売が禁止されると言われています。全て電気自動車となり、ガソリンを目にする機会は減るかもしれませんね。そうした世界になれば私たちの健康も環境も良くなっていくでしょう。

身近な有毒物質⑧ 化粧品

みんなには(まだ)あまり馴染みのない化粧品ですが、そんな化粧品にも様々な有毒物質が含まれています。口紅、唇を彩るための化粧品には鉛という有毒物質が含まれています。鉛は蓄積性があります。体内に吸収されると骨に沈着して体外に排出されるには5年かかるとされています。それによって鉛中毒となり、健康に大きな影響を与えます。軽度では疲労感や便秘などの症状ですが、重度の鉛中毒では脳の損傷や死に至る場合もあります。もちろん、口紅などに含まれている鉛の量は非常に少ないので健康に問題はありませんが、日常的に使うものなので気をつけてください。

また、昔の日本では口紅だけでなく、肌を色白に見せる化粧品の白粉(おしろい)にも鉛が用いられていました。鉛製のものは安価で伸びがよく、落ちにくかったため愛用されていました。しかし、慢性(長期的な)鉛中毒によって鉛の危険性が知られるようになり、販売が禁止されるようになりました。白粉の後、ファンデーションが登場しましたが、もちろん鉛は使われていないので安心してください。しかし、化粧品には他にも様々な有毒物質が含まれているので使用の際には成分表などを確認してみましょう。

身近な有毒物質⑨ 接着剤

接着剤

シックハウス症候群をご存知でしょうか。建材や家具などに使用されている化学物質が空気を汚染し、健康に悪影響を及ぼすことである。それによって、頭痛や吐き気、呼吸困難などの症状を引き起こします。シックハウス症候群の主な原因はホルムアルデヒドと呼ばれる化学物質です。これは、家具やフローリングなどの接着剤に含まれています。つまり、接着剤も私たちにとって有毒物質なのです。

対策としてはホルムアルデヒドの拡散を抑制するためにアミン系やヒドラジン系の化合物を用いることがあります。また、ホルムアルデヒドを吸収分解するタイガースハイクリンボードというものもあります。タイガースハイクリンボードに吸収されると分解剤によって無害な物質と水に分解されるのです。もちろん、ホルムアルデヒドを使用していない接着剤を用いることが一番ですが、対策をしっかりと考えることが大切になりますね。家という安全な場所が有毒物質の悪影響を受けてない場所であってほしいものです。

身近な有毒物質⑩ 香料、お香

「香り」には個人差が大きく、悪影響を及ぼす場合もあります。強すぎる香りには頭痛や吐き気などを引き起こす場合もあります。香料が原因で、化学物質過敏症という微量の化学物質によって健康被害が引き起こされる病気を発症してしまうこともあります。これらは、合成香料と呼ばれるものですが、その中でもお香はさらに有毒な物質を含んでいるのです。お香には3-4「接着剤」にも含まれていたホルムアルデヒドと発がん性物質のベンゼンが含まれています。発がん性物質とはその名の通り、がんを発生させる可能性がある物質のことです。これらの物質はお香のみではなく、線香や蚊取り線香などにも含まれているのです。

もちろん、どちらの物質も健康に影響する量ではないので安心してください。しかし、有毒物質を含んでいることは忘れないで下さい。

番外編:人間以外に影響を与える有毒物質

番外編:人間以外に影響を与える有毒物質

ここまでは人間にとっての有毒物質を考えていきました。しかし、地球に生きるものは人間だけではありません。人間にとって有毒物質でなくても、ほかの生物にとって有毒物質である可能性もあります。人間にとって生きやすい世界だけでなく、全ての生物にとっての生きやすい世界を目指していきましょう。ここからは、人間以外の生物に注目して、有毒物質について考えていきましょう。地球という環境を守る大切な一歩になるかもしれませんね。

身近な有毒物質⑪ 殺虫剤、農薬

まず、殺虫剤と農薬について考えていきましょう。その名の通り、特定の害虫を退治するものです。夏場や畑仕事など虫がいると大変な場面があります。必要に応じて、殺虫剤や農薬を使うことはあると思います。しかし、虫は全てが悪いといってむやみに用いてはいけません。虫は他の虫の死がいや汚物の処理、木の葉の分解などの役割があります。また、自然界のバランスを保つために全ての生物はそれぞれに生きる意味があるのです。

もちろん、これらは人や植物に用いると健康被害はあるので人にとっても有毒物質になりえます。一般的な殺虫剤はピレスロイド系という天然由来のものなので人体への影響は少ないです。しかし、直接吸収した場合はアレルギー反応が出てしまう場合もあります。また、ピレスロイド系でない殺虫剤は少し毒性が強いものもあるため、気をつけて使用しましょう。ただ、本来の使い方をした際に虫にとっての有毒物質となるのです。しっかりと用途に合わせた使い方をしましょう。

身近な有毒物質⑫ アボカド

「森のバター」とも呼ばれるアボカドはサラダやサンドイッチなど食卓に並ぶことは珍しくありません。しかし、そのアボカドは人間以外の動物にとってとても危険なものなのです。アボカドにはペルシンという殺菌作用のある毒素が含まれています。人間にはこのペルシンを無毒化する仕組みがあると考えられています。しかし犬や猫をはじめ、鳥類やモルモット、家畜類などには有毒物質なのです。つまり、家庭で食べる際に誤って飼っていた動物が摂取してしまうことなどもあります。

アボカドだけでなく、他にも動物にはあげてはいけない食べ物は多くあります。それは動物によっても違ってきます。何が良くて、何が毒となるのかをしっかり自分で調べてみましょう。もちろん、ペットフードは健康を考えて作られているものであるので、他の食品をわざわざ与える必要はありません。

身近な有毒物質⑬ プラスチック

化学物質の章でもお話した「プラスチック」についてもう少し考えていきましょう。プラスチックは人間にとって便利なものですが、環境にとっては有毒物質といえます。プラスチックは加工のしやすさ、耐久性の面から様々な場面で用いられています。しかし、ここ最近では「プラスチックゴミ問題」としてマイナスなイメージがついてしまいました。

プラスチックの問題点として3つのことがあげられます。1つ目が温室効果ガスです。プラスチックが燃やされる際に多くの温室効果が発生します。さらに燃焼しづらいため、多くのゴミが溜まってしまいます。2つ目はそのゴミが大量に海に流れ、海を汚染しているということです。海洋汚染問題はとても深刻であり、2050年では魚の量を上回るとされていす。そして3つ目は原料である石油資源がプラスチックの製造によって枯渇になるということです。石油はプラスチックにのみ使われるものではないのです。このようにプラスチックは人間にとっては便利なものでありますが、環境にとってはとても有毒物質です。これからの環境を考える上でプラスチック問題はとても大切にしてなるでしょう。

身近な有毒物質のヤバさランキング<TOP3>

これまで様々な身近な有毒物質について考えていきました。最後に有毒物質で、1番危険なのか考えていきましょう。はたして、どれくらい危険なのでしょうか。もしかしたら、全て危険だった場合もありますね。なお、ランキングの基準は致死量、死に至る量をもとに決めています。

3位 鉛

「化粧品」で出てきた鉛が第3位です。鉛はスズやビスマスなどと合金を作ることができるため、幅広い分野で使われています。化粧品の他にも水道管や鉛蓄電池、放射線の遮蔽板などに用いられています。致死量、死に至る量は300~4000mg/kgです。そして、前述の通り毒性と蓄積性が鉛の特徴です。

しかし、毒性が有名でありますが鉛は未だに使われています。鉛は融点、固体が液体になる温度が低く、柔らかいので加工がしやすい金属です。鉛蓄電池は二次電池、充電することで何回も使えることが電池として様々なとこで使われています。他の二次電池に比べて安全性は低いものの、高い電圧を出すことができます。また、放射線の遮蔽板も人体の放射線被ばくを防ぐ大事な役目をしています。ガソリンやはんだ付けなどでは鉛を使わない製品も出ています。しかし、鉛が全く使わない世界は難しいので、安全性を優先して上手く両立していきたいですね。

2位 シアン化合物(青酸カリ)

「アーモンド」に含まれるシアン化合物が第2位となります。シアン化合物はシアン化カリウムやシアン化ナトリウム、シアン化水素など種類がある。その中でも有名な青酸カリと呼ばれる、シアン化カリウムはとても毒性が強いです。シアン化カリウムの致死量、死に至る量は3~7mg/kgと微量です。シアン化物はバクテリアや菌類、藻類によって作られます。そのため、自然物のリンゴの種やアーモンド、キャッサバに含まれています。自然物はシアン化合物の中で、主に塩化シアンを含んでおり、人工物のアクリロニトリルやメッキ、農薬などにも用いられています。アクリロニトリルはタイヤやライター、電化製品などに使われています。毒性が強いシアン化合物ですが、他の化学物質同様になくてはいけないものなどに用途に気を付けていきましょう。

1位 ボツリヌス菌

身近な有毒物質で、1番危険なのはボツリヌス菌になります。ボツリヌス菌は「はちみつ」に含まれる有毒物質です。これまでボツリヌス菌を含むとして特定された食品は缶詰や瓶詰、レトルト食品などがあります。ボツリヌス菌の芽胞を含む食品が酵素の少ない状態で存在するときに毒素が発生します。また、幼児ボツリヌス症であげたはちみつ、コーンシロップなどがあります。

実はボツリヌス菌は、現在知られている自然界の有毒物質の中で1番毒素が強いとされています。ボツリヌス菌の致死量、死に至る量は0.00000037mg/kgと明らかに他の有毒物質よりも毒性が強いとわかりますね。ボツリヌス菌の最大の対策は口にしないことです。賞味期限や消費期限を守ることや乳児に与えないことを守れば問題はありません。口にするものなのでしっかりと自分で確認しましょう。

まとめ

身近にある危険な有毒物質13選はどうだったでしょうか。自分の身の回りにどれだけ有毒物質があるか知れましたね。このように私たちの生活に化学物質などは欠かせないものですが、それと同じくらい危険であることを忘れてはいけません。生活の快適さと安全性をしっかりと両立していくことが大切になります。

もちろん、安全でさらに便利なものの開発が進むことが1番ですね。これからは積極的に自分が使っているものや食べているものなどに、何が使われているか確認してみて下さい。もしかしたら、それが自分の安全に繋がるかもしれませんね。

なお、重ねてのお願いではありますが、今回はあくまで身近な危険な有毒物質について学ぶことで、皆さんの「学び」になること、また理科を好きになってもらえるキッカケになる目的で執筆しております。くれぐれもいたずらに利用する等、悪用はしないようお願いいたします。

お勉強の事でお困りごとがあった際には、是非私たち家庭教師にもご相談ください!

この記事を書いたのは

現役上智大生ライターM.A

家庭教師ファーストの登録家庭教師。上智大学理工学部在籍。家庭教師だけでなく、集団塾での指導経験もあります。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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