
家庭教師ファースト教育コラム理科・科学の雑学
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今回の記事では、世界をここまで発展させた「発明」について、個人的に10個ピックアップさせて頂きます。みなさんが意外と見落としがちな、しかしかなり身近に存在するようなものに絞ったつもりです。ぜひ最後まで読んでいって下さい。
なお、お勉強の事でお困りごとがありましたら、是非私たち家庭教師にもご相談ください!また、家庭教師の仲間も募集中です。ご興味のある方は下記リンクより是非ご検討ください。
この記事の目次
発明と聞くとどんなものをイメージするでしょうか。私の友人たちにこれを質問してみたところ、ある人はトーマス・エジソンの発明した電球が思いついたそうです。エジソンは19世紀半ばにたくさんの功績を残した人として有名で、「発明王」という異名を持っています。他にも音を記録していつでも流せるようにする蓄音機(phonautograph)を発明したことでも知られていますね。
またある人は、スティーブ・ジョブズCEO(当時)率いるアップル社の開発したスマートフォンが最も有名な発明だと言いました。私も真っ先に思いついたのはこれでした。何と言っても我々現代人の大半が日常的に使っていますからね。もはや生活必需品となったと言ってもよいレベルです。当時はガラゲーが主流で、画面に指でタッチして操作できる携帯なんて誰も考えつかなかったでしょう。スマートフォンの最初の端末として2007年にリリースされたのが「iphone」です。アップル社はその何年も前からこれの開発をしていたと思うと、いかに彼らがクリエイティブだったかと思い知らされます。
スマートフォンは21世紀の発明で最も世界を変えたものだと思います。他の21世紀の発明として個人的に思いつくものは大体このスマートフォン関連であることが多いですね。
例えば通信規格の進歩です。現在は5Gが普及しつつあり、数年前の規格の通信速度・通信容量を大幅に凌いでいます。さらに有機EL液晶なども思いつきます。コンピュータ技術の進歩(特にAIによるデータ処理技術の躍進・集積回路の超微細化)も最近のトレンドでしょう。
このように、世界の中核を担うシステムには必ずと言ってよいほど組織や個人によって生み出された発明が大きく関わっています。例えば白熱電球は20世紀の家庭の照明のほとんどを占めていました(現在はLEDを採用することが多いですが)。明かりがないと生活できないので、これはとても偉大な発明といえます。スマートフォンもそうですね。この情報化社会において、常に膨大なデータを含むネットワークにアクセス可能にしたのはスマートフォンです。
前置きが長くなりましたが、次の章からここまで世界を発展させた、その礎となった発明10選紹介していきたいと思います。早速見ていきましょう。
一つ目にピックアップしたのは「水道・下水処理技術」です。
実は日本の水道事業の水準は世界一位なんです。つまり日本は、他のどこの国よりも安全な水を得ることができる国ということです。さらに日本のように水道の水を安心して飲める国は世界に11国しかないんです!日本ってすごいですね。さらに、アラブの石油王が日本に来日して「日本の技術の中で最も自分の国に欲しいものは何か」という質問に、ウォッシュレットが欲しいと答えたのは有名な話です。
ここで、ここまで洗練されるまで発展した「日本の水道の歴史」について触れることにしましょう。日本の水道事業は、明治20年(1887年)に横浜で初の近代水道(川から取り入れた水をろ過して家庭に普及する水道ライン)が敷設されたことから始まっています。当時横浜は外交の玄関としての役割を果たしていました。それにより外国からの寄生虫を含んだ水を、日本の水と分離する必要がありました。これがないとパンデミックが蔓延してしまいますからね。そしてその後も同じような目的で2年後に函館に、4年後に長崎に水道は整備されていきました。
その後、第1次世界大戦及び第2次世界大戦によって、数十年間は整備が停滞してしまいますが、高度経済成長期を転機として水道技術は飛躍的な進歩を遂げ、あっという間に国中に水道ラインが整備されていきました。その普及率は2011年の統計では人口1億人越えに対して97.5%となっており、いわゆる「国民皆水道」がほとんど達成されています。
日本の水道のろ過技術が世界トップレベルなのは言うまでもないですが、水漏れの発生率が低いとしても知られています。日本は都市部の人口密度が高く、プレートの境界に位置しているためか地震によるインフラへの悪影響が多い国にも関わらず、漏水率は東京水道局で約3%と、先進国の平均値である約30%の10分の一しかないんです。このように日本の水道技術はおよそ120年の間に、まさに世界最高峰の水道として進化してきました。
今や私たちは蛇口をひねればキレイに殺菌された安全な水を、極めて安い値段で得ることができます。毎日キレイな水で美味しい料理が作れるのも、お風呂に入れるのも、夏に都市部でプールに入れるのも、トイレを水で流すことができるのも、そして今生きているのも、すべてこの発明のおかげなのです!
2つ目に取り上げるのは、どこの家庭にも1つはある「電子レンジ」です。
電子レンジがどうやって動くか知っていますか。電子レンジに冷凍ピラフを入れてスイッチを入れて数分待ったらできたてアツアツのピラフの出来上がり、なんてよく考えたら不思議ですよね。調理が完了した後の電子レンジの中はそこまで熱くありませんし、火も使っていない…私も最初はどうやって食べ物に熱を加えているのか理解できませんでした。
そこで電子レンジの原理を書いていくことにしましょう。食べ物をあっためるのにはトースターやオーブン、また直火を使うのが一般的だった時代に、一体どうやって電子レンジは誕生したのでしょうか。
この原理の発明は1940年頃のアメリカにさかのぼります。レイセオン社という、当時の国の大きな需要となっていたミサイルを開発している会社で働いていた、パーシー・スペンサー氏率いるチームによって開発されました。逸話によると、レーザー光線を用いた軍事用兵器の実験中に、ポケットに入れていたチョコレートがなぜか溶けてしまっていたことから着想を得たと言われていますが、実際のところは定かではありません。そう、電子レンジが物をあっためる仕組みはレーザー、つまりは電磁波(microwave)なんですね。
一体どうやって波なんかで食べ物の温度を変えているのでしょうか。そしてトースターなどの他の電気調理器とは何が違うのでしょうか。
まず電気トースターの仕組みに触れておきます。これは主にニクロム線などの発熱体に直接電気を流して熱を発生させています。どうして熱が発生するのかというと、電流を通しづらい金属に無理に電流を流すと、金属中の自由電子(自由に動きまわれる電子のこと、これによって電流は発生する)が活発に動き回り、他の原子の粒と衝突します。この衝突によってエネルギーが生まれて発熱します。要するに電子と原子がぶつかるエネルギーを熱として利用していたのです。
一方の電子レンジは大雑把には仕組みが似ていますが、それとは根本が異なっています。物質の「温度」というパラメータを決定してる変数である「振動数」という別のパラメータを直接操作することで、ダイレクトに温度の調整を行っています。ある分子がいっぱい振動していたら、他の分子との衝突回数も増えて熱エネルギーが発生しやすくなるんですね。そして振動数を変化させるために、物質に大きな電界を加えるのです。この電界によって物質を構成する分子の電気的なバランスが崩れて、それぞれの分子が回転したり振動したりするようになるわけです。こうして物質を加熱するプロセスを「誘電加熱」と言ったりもします。
みなさんの家にも必ずある電子レンジは、分子の振動数を変化させることで食べものをあたためていたのでした。
3つ目にピックアップしたのは、運搬のすべての基本となる「車輪」です。
移動手段と聞くとどのようなものを思い浮かべますか。自動車、電車、自転車など…きっとあなたの思いついたものにも車輪はついていると思います。ベルトコンベアやエスカレーターなども、一見は車輪と関係がないように思えますが、仕組みとしては車輪を回転させてベルトや階段部分を上下左右に移動させています。つまり、物を運ぶための発明が車輪と言ってよいのです。
どうして車輪で物を楽に運ぶことができるかご存じでしょうか。例えばトロッコに大きな石を載せて、ゆるやかな斜面を登る感じで運んでいくことを考えてみましょう。そしてトロッコに車輪がついている時と、ついていない時に分けて議論していきます。
まずは車輪がついていないトロッコで石を運ぶとどうなるでしょうか(そんなものはもはやトロッコとは呼べませんが)。手でトロッコを引くための力は、石が地面に作用させる力に比例します。車輪がない場合の力としては、
1a.地面とトロッコの間での摩擦力
2a.石の重力の一部の力
の2つの力が生まれています。そしてこの摩擦力というのは石の重さと、地面とトロッコの触れる面積に比例しています。なので、重さの大きなものを運ぶ時には1aの力と言うのはかなりバカでかい大きさをもつことになります。
次に車輪がついた、一般的なトロッコで運ぶ場合を考えています。この時にトロッコが地面に作用させる力について考えてみると、
1b.地面と車輪の間での摩擦力
2b.車輪を回転させるための摩擦力
3b.石の重力の一部の力
3bの力は、前者の場合の2aの力と全く同じなので、違いとしては前者の1aの力と、この場合の1bと2bの力を足した力の違い、ということになりますね。まずは1bの力です。摩擦は車輪と地面が触れる面積に影響されますが、車輪と地面の触れている面積というのが常にほとんど0になっているというのが重要なポイントです。これによって、1bの力の大きさは、1aの大きさと比較すると非常に小さくなるのです。これがいわゆる「転がり摩擦」のマジックです。2bの力は、車輪の根本にある部分のなめらかさを、潤滑油などを利用して大幅に上げることができて、これによってこの力もほとんど0とみなすことができます。
以上の原理より、車輪は地面からの摩擦から解放されてとても小さい力でものをはこぶことができるのです。
現在の物流の根源にある「発明」こそが、この車輪だったのでした。
4つめに取り上げるのは、眼鏡とかに使われている「レンズ」です。
これも車輪と系統が同じで、この原理が世の中の他の発明に大きく貢献しています。というのも、このレンズの最たる活用例が「顕微鏡」だからです。顕微鏡の発明によって、学術分野は大きく発展しました。特に医学的な研究では、何をするにせよこれが必要です。人間や動物の体液からサンプルを採取して、それを顕微鏡で観察するというのが研究の基本です。ノーベル賞を受賞した研究で、顕微鏡を使わなかったものはありません。他にも物理学や化学の分野でも電子顕微鏡というさらに高倍率高精度なものを用いて、原子レベルの解析を行っています。現在の研究レベル、研究精度はその大きさまで微細化しています。
実は人間の目もレンズの仕組みを利用して、景色を脳に送っています。それではレンズの基本的な原理を解説することにします。
レンズの基本的な仕組みは、光の屈折です。物体というのはどこにあるものでも光を受けて、それを反射させて目に入ることで、それを「見ること」ができるわけですが、それだけだと目の前にでかでかと広がる景色を、数センチの幅しかない目の奥でとらえることはできないですよね。そこで光の屈折を使います。まず目に入ってくるあらゆる光をレンズに集めます。それをレンズで屈折して、目の奥に光を集めます。
ではどうやって目のレンズは、光を正しく屈折させているのでしょうか。目のレンズは「水晶体」というのですが、遠くを見るか近くを見るかによって水晶体は厚みを変えます。それによって目のピントの合う距離、つまり焦点距離を変化させています。これによって注目しているところにある物体ははっきりと見え、後ろの景色はぼやけてみえています。
顕微鏡なんかでは、この焦点距離を直接調整しています。
いまや至るところで用いられいるレンズ、これは人間に元来備わっていた発明だったのです。
5つ目に取り上げるのは、海外旅行には必須な「飛行機」です。
私が子どものころは、鳥がどうやって飛んでいるのかとても不思議でした。自分が手をいくらパタパタしても飛べないのに、鳥はその速度や高度をいとも簡単に調整しています。一体どんなマジックを使っているのかと常々疑問に思っていました。飛行機なんてさらに意味不明でした。あれだけ大きな鉄の機体が、どうして2枚の翼で空を駆けることができるのか。魔法を見ている気分でしたね。最近になってようやく工学が理解できるようになってから、原理かだんだんわかってきました。
まずは飛行機がどうやって飛んでいるのかを説明することにします。飛行機はジェットエンジンによってめちゃくちゃ速く水平に動くことで、2枚の翼が空気を切るときに「揚力」という上向きの力を得て上昇することができます。この揚力と言うのは流体力学の一分野である航空力学の専門用語で、細かく説明すると難しいのでざっくりと。翼が速度を得ることで空気を切り、周りの空気に循環作用が生まれます。翼の上側の気圧と下側の気圧が異なっているため、圧力の差が循環によって生まれて上向きの力が生じるのです。ちなみにこの強さは速さの二乗に比例しているので、少しスピードを上げるだけでぐんぐん上昇することができます。
次に鳥の飛ぶ仕組みを考えてみます。これはもっと単純で、翼を振り下ろすときに下に空気を押して、その反作用で鳥は上に力を受けています。逆に翼を振り上げるときには翼をタテにして空気を切るようにして力を受けない工夫をしています。
しかしあんなに思い鉄の塊を飛ばそうだなんて、普通の発想では思いつきませんよね。すごいです。
6つ目に紹介するのは、私が今最もお世話になっている「インスタント食品」です。みなさんもきっと一度はカップヌードルとかUFOとか食べたことがあるのではないでしょうか。私は毎日のように食べています。自分の中では、冷凍食品もインスタント食品に含めていて、大体休日起きてご飯を作るのが面倒な時は、冷蔵庫にためてある冷凍ピラフを食べたり、日清のシーフードカップラーメンを食べたりしています。
インスタント食品は、これまで紹介してきたものとは違って原理的には特に難しくありません。大きい麵生地を持ってきて、それを均一な太さ長さに伸ばし、それを蒸してから乾燥させるのが一般的です。私がいいたいのは、このインスタント食品がいかに優秀かということです。
まず、インスタント食品は、特に冷蔵を必要としないものなら信じられないほど長持ちします。風味を保証する賞味期限も、8か月程度ありますし、別に多少風味が変わっても食べられることを意味する消費期限に至っては2年程度が一般的で、10年程度もあるものもありました。
長持ちすることで、いくつかのメリットがあります。1つ目は料理をつくるのが面倒なときにいつでもサッとお湯を沸かして食べられる、という安心感を得ることができます。特に忙しくて時間がない社会人の方や、食材を選んだり保存したりするのにまだ慣れていない大学生(私はこっち側です)などには必須級の食品でしょう。
2つ目は、インスタント食品は非常食としても役に立つことです。災害が発生してスーパーやコンビニが閉まってしまった…でも大丈夫、なぜならインスタント食品があるから、となるわけです。お湯が作れるかどうかにもよるかもしれませんが、例えばガス給湯器も一緒に保存しておけばよいですし、他にも非常食としては、乾パンやサプリメントといった、解凍処理すら必要ないのに長持ちするものもありますね。
3つ目は夜更かしして何かするときにかなり役に立ちます。個人的な意見ですが、カップラーメンのカロリーは、ちょうど夜お腹がすいたときに体が欲している量に合っています。腹が減っては戦ができぬ、というようにお腹がすいていては作業に集中できないし眠れなくなってしまいます。このような手っ取り早く必要十分なエネルギーを満たしてくれるものの存在は、特に私が経験してきた受験や資格試験の前にはとても大きいものでした。
自分はもうこれなしでは生きていけません。ただ、添加物が多いので、頻繁にこれを食べるのは体にはあまりよろしくないでしょう。そのようなデメリットはありながら、インスタント食品は人生を大きくサポートしてくれる「発明」なのです。
7つ目に取り上げるのは、人類の叡智の結晶である「数学」です。
実は自然というのは数学で構成されていることがしばしばあります。
最も有名な例としてヒマワリが知られています。ヒマワリの真ん中の種が集まった部分には、数学的な規則が潜んでいます。あれだけ種を凝集するために「フィボナッチ数列」というものをヒマワリは用いています。ヒマワリの一番中心の種の位置の半径を1とすると、そこから90°回っていくごとに、1,2,3,5,8,13…という風に、前の数字と前の前の数字を足したものを、どんどん半径として用いているという規則があります。他にもオウムガイの殻の形にも同様の見られており、オウムガイは古代から長い間生き残っていることから、生物が生き残るための1つの最適解として、この規則は存在しているのではないかと考えることができます。
ほかにもエジプトにあるピラミッドの高さと底辺の比率や、モナリザの絵画の比率には、黄金比という、自然界で最も美しいとされる比率が用いられています。そしてなんとこれはフィボナッチ数列の隣り合う数字の比と一致しており、世界文化遺産となるようなものにさえ、フィボナッチ数列は潜んでいることが分かります。このように、自然界には元来数学的な秩序が備わっているのです。
そして言うまでもなく科学の発展には数学が使われています。例えば何かを設計するにしろ、大体これくらいで大丈夫かなというのでは問題で、きちんとルールに基づいて値は決定されます。ビルを設計するときには建築学の理論を用いますが、これを最も深くまで掘り下げていくと、数学の三角比とか無理数の概念が利用されています。
コロナウイルスの感染拡大状況を見通すのにも数学的な解析を使うとはっきりした値が得られます。これには微分方程式という微分の概念と方程式という概念を組み合わせたものを用います。そしてこれを解くと、ネイピア数eという定数がどこからともなく現れます。数学と言うのは不思議なものです。
こういう例を挙げていってもキリがありません。なぜなら数学と言うのはどういう学問体系においても、物事を論理的に一貫したものにするためには必須だからです。
日常的にも数学を理解することは役に立ちます。例えば人とあるテーマについて会話をする時でも、集合論の一つの概念である、いわゆる「因果関係」への理解がなければ進展性のある会話は成り立ちません。AならばBを理解するのは簡単ですが、AならばBでBならばCを満たすならAならばCといういわゆる二段論法を理解するのは少し難しいですし、AでないならばBでないということがBならばAでない、という対偶関係を理解できる人はあまりいません。
数学を理解することによって、日常の行動はより深い意味を持ち、数学によって世界は成り立っています。
8つ目としてピックアップしたのは、最近のプリンターや昔の活版印刷を用いたものも含めた「印刷機」です。
なぜなら印刷機によって、新聞や本が誕生したからです。印刷機のない時代には本は一冊一冊手書きで作成されており、満足な量を読むことができるのは一部の限られた人だけでした。新聞なんて存在しておらず、世間情勢がどうなっているかは人づてで知るしかなく間違ったり誇張されたりした情報が広まっていたような時代がありました。
そういった時代は活版印刷術によって終わりを迎えます。政府の声明は逐一新聞の記事で報道されるので、どんな人でも目新しく正しい情報を得ることが出来るようになったのです。さらに活版印刷によって本も量産化が可能になり、あらゆる人が文学を楽しむことができるようになりました。それによって知識人が増えて政治に意見する人が多くなって、よりよい行政が実現していきました。
現在となっては電子書籍、電子新聞が主流となってきましたが、これもある意味印刷技術の延長線上にあるものですよね。印刷術は今の文明と過去の文明の橋渡しをしてくれた「発明」といって良いでしょう。
9つ目に紹介するのは、特にこれからの暑い季節では欠かせない「エアコン」です。
私の友人に、夏はいつも扇風機で乗り切っている人がいますが、いつ熱中症になってしまうのか心配です。彼は山の上に住んでいるので、確かに山の涼しさや吹く風で十分なのかもしてませんが、私のように蒸し暑い街に住んでいる人間にはそれは不可能です。エアコンをつけないと、すぐに部屋はサウナのようになってしまいます。7月に入ると、家にいるときは100%エアコンをつけていますね。
それくらい夏を乗り切るのには必須の発明品ですが、その原理をきちんと理解していますか。一体どうやって室内に冷たい空気を送り込んでるのでしょうか。
この仕組みのキーワードは「相変化」です。基本的にあらゆる物質は温度によって決定する3つの相を持っています。例えば水だと、高い温度をもって水蒸気になってる「気体」と0~100℃の間の「液体」、0℃以下で氷になっている「固体」という3つの状態になりますよね。この相が変化するときに、外部から熱を吸収したり放出したりします。
水をあっためてお湯にすると湯気が出ますよね。これは水の一部が水蒸気になっているからです。つまり「液体」から「気体」になるときは外部のエネルギーを吸収しています。その逆で「気体」から「液体」になるときには外部に熱を出すのです。
エアコンは、水よりも相変化をコントロールしやすい物質である「冷媒」を用いています。開発された初期にはフロンガスなどがよく使われていました。エアコンで室内に空気を送り込むときには、フロンガスを液体の状態にしておき、それを気体にしようとするように機械を操作します。そうすることで室内の熱を奪ってくれるので、部屋が冷えることになります。そうすると気体になったフロンを液体に戻す必要があり、室外機でそれが行われています。室外機の前がやたら暑いのはそのためです。
エアコンの発明は、物理学の一分野である熱力学とも大きく関係しています。エアコンも高度な学術の下に生み出された「発明」なのです。
最後に選んだのは、もう完全に個人的にすごいと思った発明品である「VR(virtual reality)」です。ヘッドセットをつけるだけで、頭の動きと完全に同期して、あたかも自分がゲームをはじめとした仮想世界の中にいるかのような気分を味わわせてくれます。目に入ってくる映像の立体感もすごく、在宅でできる最高の娯楽なんじゃないかと思っています。
仕組みを細かく語ると長いし複雑すぎるので割愛しながら説明します。あるゲームを、VRヘッドセットを装着しながらプレイしているとしましょう。まず頭の動きを検知するとそれを微小時間でゲーム内での位相変化量に変換します。そしてそれを反映したゲームの景色の情報がゲーム機から送られてきます。その情報をさらに左右に分割して立体的な風景データにしてからVRの中のスクリーンに映しています。この操作をフレームレート毎に行っているので、映像はとても滑らかに見えるのです。
VRを使ってプレイするゲームはかなり最高です。個人的にはのんびりしたい時にはオープンワールド系のゲームを、刺激が欲しいときにはホラー系を選んでやることが多いですね。これまで紹介してきた「発明」とはいささか次元が異なっていますが、私の生きがいとなっている機械です。
これまで10個の発明品を紹介してきました。それがもたらした恩恵や原理的な仕組みに焦点を当てて解説してきたつもりです。みなさんも身近なところで、先人たちの知恵がつまった発明を見つけてみてくださいね。
なお、お勉強の事でお困りごとがありましたら、是非私たち家庭教師にもご相談ください!また、家庭教師の仲間も募集中です。ご興味のある方は下記リンクより是非ご検討ください。
現役阪大生ライターS
家庭教師ファーストの登録教師。大阪大学工学部に在学中。TOEICのスコアは900点台。