家庭教師ファースト教育コラムその他の受験

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【英検とは?】英検の概要と、級別の勉強法・対策法を解説

  • その他の受験
  • 2021.09.25
  • 現役東大生ライター H

「英検をとりたいけれど勉強法がわからない」
「そもそも英検の仕組みが知りたい」
そんな方に向けて、この記事では英検の勉強法について解説していきます。
 
英検は細かく級が分かれており、各級ごとに勉強法も変わってきます。
受験などでも有利になる英検について、この記事で少しでも参考になることがあれば幸いです。

英検とは

英検とは

英検は、正式名称を「実用英語技能検定」といい、公益財団法人日本英語検定協会が主催しています。
文部科学省も後援しており、メジャーかつ国内最大級の英語資格試験ともいえます。
級も「1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級」の7つと幅広く設定されているので、小学生から社会人まで多くの人が受験しています。
また、年に3回受験機会があります。
 
英語に関する検定には、英検のほかにもTOEIC, TOEFL, TEAPなど様々なものがありますが、これらに比べて英検は
・受験料が安い
・4技能(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)を一度に測定することができる
・スコアのほかに合否が存在する
などの特徴があります。
英検は比較的手ごろな検定なので、特に初学者や中高生にはおすすめです。

英検取得のメリット

英検取得のメリット

入試においての優遇

中学入試、高校入試、大学入試すべてにおいて英検の結果が有利になる場合があります。
例えば、推薦型入試の場合、一定以上の級を取得していると加点になる場合や、さらには学校が定めた水準をクリアしている場合に英語試験が免除される場合もあります。
 
また学校に入学した後も、英検が単位認定に活用できたり、奨学金、給付金の条件になっていたりと幅広く活用することができます。
受験を控えている方は、自分の志望校がどのような制度をとっているのか、英検を活用することができるのか、あらかじめ調べておくと良いでしょう。

海外留学に有利

英検は海外留学時の語学力証明資格として世界各国の教育機関に認定されているため、海外留学をする場合に英検の取得は海外留学に有利に働きます。
また、英検はスピーキングやリスニング力も総合的に測定するため、生きた英語力を鍛えることができ、さらに英検に合格することにより海外で自信をもって過ごすことができます。
海外留学を視野に入れているなら、早い段階で英検に合格しておくことが望ましいです。

自分の実力を知る

英検は4技能を測定するため、総合的な実力を試すことができます。
さらに文部科学省後援のため、検定内容や結果の信ぴょう性も非常に高いです。
定期テストなどの学校単位での学力測定とは異なり、全国での自分の実力を推し量ることができます
 
また、それぞれの級で目安となるレベル(高校卒業程度など)が設定されているため、学習計画も立てやすく、無理なく自分に合った級の受験が可能です。
総合的な英語力を伸ばしたい、全国で自分の英語がどれほどのレベルなのか確かめたいという人には最適な試験です。

英検各級の難易度と出題傾向

英検各級の難易度と出題傾向

ここでは、1級から5級の難易度、出題傾向とポイントについて、5級から順に解説していきます。

英検5級

5級のレベルは中学初級程度であり、中学校1年生で習うような比較的簡単な内容が出題されます。
そのため、中学生の受験者はもちろん、小学生の受験者も多くいます。
形式としては、筆記・リスニング・録音形式のスピーキングテストとなっています。
 
5級では文法的な事項はあまり多く出題されず、比較的シンプルな単語を問うような問題が出題されます。
そのため、中学校1年生レベルの単語を重点的に学習すれば合格に近づきます。
また、5級を受けるほとんどの人は英検受験が初めてだと思うので、あらかじめ過去問や予想問題を解いておいて試験形式に慣れておくのも良いでしょう。

英検4級

4級のレベルは中学中級程度であり、中学校1、2年生で習う内容を中心に出題されます。
難易度は5級に比べいきなり難しくなることはないですが、there is構文が出題されるなど、扱われる文法事項が増え、単語数も増えてきます
形式としては、筆記・リスニング・録音形式のスピーキングテストと5級と同様です。
 
試験内容のトピックとしては、友達、学校、買い物、スポーツ、道案内など日常的な内容になっていて、学校で習うような典型的な会話文なども多く出題されます。
また、5級と同じようにやはり単語、語彙が中心になるため、語彙力の強化により得点率が大幅に上がります。
もし勉強時間が足りず、直前でどうにかする必要がある場合は、単語を重点的に学習しましょう。

英検3級

3級で求められるレベルは中学卒業程度であるため、中学1年~3年で習ったことが出題されます。
4、5級と大きく異なる点は、3級から二次試験が加わり、英語での面接試験が課されるということです。
形式としては、筆記(ライティングあり)・リスニング・面接となっています。

テスト内容は中学卒業レベルのため、中学で習う文法をひと通り理解している必要があります。
過去完了などの少し複雑なものも出題されます。
中学英語の文法が危うい人は良く復習しておきましょう。
また、3級は中学英語の定着の確認としても活用できるため、英語の基礎について不安が残っている、準2級を受ける前に英語力をチェックしたい人におすすめです。
 
筆記問題のトピックとしては、4,5級と同様に日常的なもの、さらに少しアカデミックなものも出題されます。
過去問を使用してしっかり対策しておきましょう。
忙しい人は数ヶ月の計画を立てておくと安心です。

面接については、簡単な英語のやり取りができれば問題ありません。
面接と聞くと緊張してしまいそうですが、自信を持って臨みましょう。
3級レベルであれば、間違った答えを言ってしまっても最後まで受け答えができれば合格できることが多いです。
とにかく最後まで自信をもって、あきらめないことが重要です。
面接の内容としては、短いパッセージとイラストが描かれたカードが渡され、それらについての質問と、受験者に関する質問がなされます。
聞き取れなかった場合、もう一度聞き返すことも可能なので落ち着いて臨みましょう。

英検準2級

英検準2級から全体の難易度が少し上がります。
準2級で求められるレベルは、高校中級程度です。
出題トピックは日常的なものに加え、科学などのアカデミック、専門的なジャンルが増え、大学入試や共通テストと同様の問題が出題されます。
出題形式は、筆記(ライティングあり)・リスニング・面接となっています。
 
準2級になると、必要な語彙力が上がるのに加え、長文の穴埋め問題が加わるなど、基礎力と応用力が試されるテストとなっています。
また、ライティングではさほど内容は難しくないものの、自由英作文が課されるため、習った文法でミスなく確実に作文することが求められます。
一夜漬けの対策では難しく、日頃からコツコツと英語の学習をしておく必要があります。
 
面接については基本的には3級と同様ですが、面接時間が少し伸び、単語数も増加します。
内容としては、短いパッセージとイラストが描かれたカードが渡され、それらについての質問と、受験者に関する質問がなされます。
聞き取れなかった場合、もう一度聞き返すことも可能なので落ち着いて臨みましょう。
とにかく最後まで自信をもって、あきらめないことが重要です。

英検2級

英検2級で求められるレベルは高校卒業程度です。
高校英語の総まとめで、大学入学共通テストレベルが出題されます。
英検2級レベルになると、大学入試の問題が解ける、海外留学の選考に通過する、単位認定に活用できる、など実用的な活用が可能になります。
2級は長文をスラスラ読める、習得した知識を英語で説明できるなどの能力が必要とされ、3~5級と比較すると高い英語力が求められますが、その分メリットも多いので頑張って合格を目指しましょう。
出題形式は、筆記(ライティングあり)・リスニング・面接となっています。
 
またトピックとしては、医療やテクノロジー、ビジネスなど専門的なジャンルがさらに多くなります
日常英会話に加え、専門用語や知識が求められることもあります。
これらの文章に慣れるためには、過去問が欠かせません。
さらに、ライティングは問題数が少ないにもかかわらず配点が大きいため、念入りに対策しておく必要があります。
あらかじめ、内容を予想しておき、大方の解答の方針を決めておくと本番であさらず解答できるでしょう。
 
面接については、パッセージとイラストが描かれたカードが渡され、それらについての質問と、受験者に関する質問がなされます。
パッセージは単語数が増え、単語のレベルも上がっていきます。
質問内容は、日常的なものだったのがアカデミックなものになり、やや難しくなります。
さらにイラスト説明も短い漫画の展開説明など、発展的になっているため事前によく練習しておきましょう。

英検準1級

英検準1級で求められるレベルは、大学中級程度です。
難関大学の入試に値するレベルで、2級と比べると格段にレベルがアップします。
日常生活はもちろん、学校や研究で英語を活用できるほどの英語力が必要です。
高校生で受験する場合は、しっかりとした対策が必要不可欠です。
出題形式は、筆記・リスニング・面接となっています。
 
準1級では、これまでよりもよりアカデミックな場で活躍できるような英語力が問われます。
例えば、科学など専門ジャンルのレポートや論文を読める、大学の授業を理解できる、学会での発表内容を理解できる、などです。
ライティングでは、エッセイが書けるほどの力を必要とされます。
このため、普段から学術的な内容に慣れ親しんでおく必要があります。
また、言わずもがな、語彙力も格段にアップし、専門的な用語も覚える必要があります。
 
面接については、イラストの描かれたカードが渡され、これについての質問がなされます。
イラストは漫画形式になっており、与えられた時間で漫画の内容に沿うような英文をつくり、ナレーションする必要があります。
またその他の質問では、教育的なものやアカデミックなもの、社会問題など少し複雑な質問がなされます。
しっかり自分の言葉で答えることができるように練習しておきましょう。

英検1級

英検1級に求められるレベルは大学上級程度です。
社会生活に必要な英語を十分に理解し、活用する力が必要です。
また出題トピックも教育や芸術、テクノロジー、政治など専門ジャンルに絞られており、やはりアカデミックな内容になっています。
出題形式は、筆記・リスニング・面接(自由会話、2分間のスピーチ、スピーチに対する質疑応答)となっています。
 
とくに面接の内容が今までと異なり、実用的な英語力が問われます。
海外留学に行っても差し支えのない英語力が必要であると心しておきましょう。
準1級以下ではイラストの描かれたカードが渡されるのに対し、1級ではいくつかのトピックが書かれたカードが渡され、そのうち1つを選びスピーチすることになります。
自由度が高い分、難しい試験と言えます。
 
英検1級は合格率も低く、大変難しい試験です。
しかし、合格すると世界的に通用する資格でもあるので、受験予定の人は万全の準備をして挑みましょう。

英検各級の勉強法

英検各級の勉強法

英検4・5級

4、5級は基本的な英単語をおさえられているかどうかが合否の分かれ目になります。
中学レベルの語彙に不安がある場合は、まず語彙力の強化を図りましょう。
 
また、4、5級を受験する人は英検に慣れていない場合が大半であると思われるため、問題形式については過去問でしっかりと予習しておくことが大切です。
何度か解いて、本番で落ち着いて解くことができるようにしておきましょう。
さらに、日常会話の典型的な文、挨拶なども出題されるため、そちらも確認しておく必要があります。

英検3級

3級は中学3年までの範囲が出題されます。
語彙、文法ともに抜けのないよう、よく復習しておきましょう。
語彙については、単語のほかに熟語の意味も問われます。
とくに、動詞と前置詞からなる熟語は、動詞が同じでも前置詞によって意味が異なってくるので覚え分けることが必要です。
また、長文読解ではEメールなど、よく出るパターンの問題があります。過去問で慣れておきましょう。
ライティングも、その場でスラスラと書くことが難しい場合は、いくつか型を覚えておくと便利です。

さらに、3級からは2次試験も課されます。
2次試験の対策をできるような参考書や問題集を使って、十分に対策しておきましょう。
面接形式もほとんど決まっているので、慣れてしまえば本番で焦ることもないでしょう。

英検準2・2級

準2級、2級になるとこれまでに比べ難易度が上がります。
必要単語数が増え、各技能においても求められるレベルが上がり、きちんとした対策が必要です。
引き続き、単語や熟語の語彙力強化は欠かせません。
模試問題を解いていて、わからない表現があれば覚えるようにしましょう。
必要に応じて前の級に戻って復習しても良いでしょう。
 
また、長文読解の文章量も多くなります。
すべて読み込んでしまうと時間が無くなってしまうため、重要なところを見分け、緩急をつけて読めるよう練習しておきましょう。
さらに、リスニングでは英文が一度だけしか読み上げられません。
一度で英文の大意がつかめるよう、CDなどを聞いて耳を慣らしておくことが必要です。

英検準1・1級

準1級、とりわけ1級は合格率もとても低く、大変難しい試験です。
語彙レベルもよりアカデミックになり、専門的な用語もおさえる必要があります。
英検対策用の単語帳などでしっかりと対策しましょう。
 
また、長文レベルも上がり、速く正確に内容を把握する必要があります。
日頃から長文を読んで、読解力の強化を図りましょう。
 
さらに、ライティングでは自分の意見を英文でまとめたり、エッセイを書いたりします。
自分の意見がスラスラかけるように、試験前にいくつかネタを考えておくと良いでしょう。

2次試験でのレベルも上がります。
準1級の場合は、過去問に繰り返し取り組み、受け答えの練習をしておきましょう。
イラストカードの説明では、難しく考えず、単純明快な説明ができれば簡単な英文で答えることができます。
自分が自信をもって答えられる文法を使うことを意識しましょう。
 
また1級の場合、自由度が上がる分対策が難しくなります。
一人で対策するのは難しいので、先生などについてもらって面接対策をするのが良いでしょう。

おすすめの問題集・参考書

おすすめの問題集・参考書

最後に、おすすめの参考書、問題集を紹介していきます。
ここでは、英検2級の場合を想定してご紹介しますが、他の級の場合も同じシリーズから本が出ている場合がほとんどなので参考になるかと思います。

2021年度版 英検2級 過去6回全問題集(旺文社)

こちらの問題集は6回分の過去問が収録してあり、リスニングに加えて面接の音声もダウンロード可能なため、1次試験、2次試験両方の対策を1冊で行うことが可能となっています。
また、面接の流れなども詳しく解説してあるため、初めて受験する人も安心です。
どの級を受験するにしても過去問での対策は必須であるため、役に立つでしょう。

【CD付】英検2級総合対策教本 改訂増補版 (旺文社)

こちらの問題集は、筆記から二次試験まで、すべての問題の対策が1冊でできるようになっています。
覚えておくべき知識の確認から、実践問題までついているため実力をグンと伸ばすことができます。
この1冊をやりこむことができれば、合格に必要な力は十分に身につけることができます。

【音声アプリ対応】英検準2級 でる順パス単 5訂版 (旺文社)

語彙力の強化には、単語帳が必須です。
特に上級のレベルになると英検独特の単語が出題されるため、英検対策用の単語帳を使うのが良いでしょう。
この本は、単語が英検で出る順に掲載されているため無駄なく学習することができます。
さらに音声データが付属しているため、リスニング対策としても使用することができます。

まとめ

英検の勉強法についてここまで解説をしてきました。
英検について全体像は把握できたでしょうか。
英検では問題の出題形式が決まっているため、過去問や予想問題集を使って対策することが必須です。
無理のない計画を立てて合格をつかみ取ってくださいね。
 
また、3級以上では面接が課されます。
一人での面接対策は難しいので、先生についてもらうことで的確な対策をしてもらうことが望ましいです。
家庭教師ファーストでは、英検対策のコースも設けております。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いたのは

現役東大生ライター H

家庭教師ファースト登録教師。東京大学 工学部。中学受験、大学受験を経験。英検1級所持。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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