教師登録

家庭教師ファースト教育コラム音楽・楽器

家庭教師ファースト教育コラム音楽・楽器

子どものピアノをより「上達」させるコツ・練習方法8選を解説

  • 音楽・楽器
  • 音楽家庭教師ライター H.K

時代の流れと共に習い事の種類が多種多様化し、音楽に関する習い事も非常に幅広くなってきています。「音楽」と一括りにしても、楽器の演奏だけではなく、声楽やリトミックといったものがありますが、やはり最もメジャーであるのは、楽器の演奏の中でも鍵盤系の楽器なのではないかと思います。

特に、ピアノは楽器に関する習い事の中でも比較的古くから多くの方が取り組んでいるものであり、「習っている以上は上達したい」、また、「せっかく幼い時から続けているため、上達出来る環境を整えたい」と考えられる方も多いと推測します。

「上達=練習量」ということは、音楽に限らずよく耳にする言葉ですが、音楽の場合、特に子どもとなると、練習を重ねたからといって、それに比例するように上達するのかというと、必ずしもそのようになるわけではありません。

では、ピアノをより上達させるには、特に子どもの場合においてどのような方法やコツがあるのか、本記事では主に練習に対する姿勢や方法にフォーカスしてご紹介していきます。今回は、ピアノをメインに取り上げますが、その他の楽器にも共通する部分があるため、楽器を習い事にされている方のご参考になりましたら幸いです。

なお、家庭教師ファーストでは音楽の家庭教師も紹介しております。練習に困った際にはぜひ私たち家庭教師にもご相談ください!

【練習時間内編】子どものピアノをより上達させるコツ・方法

子どものピアノをより上達させるコツ・方法~練習時間内編~

はじめに、練習時間内に取り組むことが出来る内容についてご紹介していきます。これは、前提として日頃どのような練習を行っているのかということが関係してくるため、既に練習の中に取り入れているものは省いて頂き、必要な部分をピックアップして活用して頂けたらと思います。

また、記載順は特にレベルや段階に分けているわけではないため、理解しやすい項目や、取り入れやすい項目から順番に、これまで行ってきた練習の中に取り入れて頂けたらと思います。

①自分の演奏を録音する

ピアノの上達に最もと言って良いほど効果があると考えられるのが、自分自身の演奏を録音し、いつでも聴くことが出来るようにしておくことです。この方法は、子どもだけではなく、どの世代、どのレベルの演奏者にも幅広く効果がある上達方法と考えることが出来ます。

基本的に、ピアノを習っている先生から指導を受けていたり、独学の場合はレッスン動画を閲覧したりして練習に取り組んでいると思いますが、その教えやアドバイスを自分の演奏に反映出来ているか否かについて、演奏をしながら確認していくことは難しい作業です。

ピアノに限ることではありませんが、「客観的な視点」というのは非常に大切で、アスリートの方の場合は、フォームを動画で撮影して確認したり、競技の内容をデータとして保管したりしている場合があります。

これは、どのような一流の選手やプロの方でも、自分自身のフォームや競技の内容について客観的に見つめ、さらなる高みを目指すプロセスの一つとなっており、楽器の演奏にも通じる部分が多いです。

ピアノの場合、自分が思っているほど表現が音に表れていなかったり、スムーズに弾くことが出来ていると思っている部分もよく聞くとつっかかりが感じられたりということはよくあります。特に、子どもの場合はどうしても物事を主観的に捉えがちになるため、「自分の演奏が聴き手にどのように伝わっているのか」を考えながら演奏することは難しいです。

そこで、子どもでも自分自身の演奏について知ることが出来る手段として録音があります。録音といっても、演奏を録って振り返るためであればスマートフォンのレコーダーで十分であるため、手軽に、子どもだけでも取り組むことが出来る方法というところがポイントです。

録音の方法は様々ですが、演奏しているリアルタイムでは分からないことを後から振り返ることが出来るようにするため、ワンポイントで用いることがはじめの一歩になります。表現において物足りなさがある、不具合があるという場合は、その前後のフレーズから録音し、自分の演奏がどのような表現になっているのか確認して前後とのバランスを取った表現に改善していきます。

演奏技術に不具合がある場合(連符の滑りやアーティキュレーションの乱れ等)は、その箇所をピンポイントで録音し、どのように聞こえているのか子どもに伝えます。子どもとしては、「自分では出来ている」と思って弾いているため、口頭で完成度が十分ではないことを指摘しても中々理解出来ないことが多いです。表現の向上にも録音の効果はありますが、どちらかというと演奏技術の向上により効果があると考えられます。

録音は、自分自身の演奏を客観的に捉えることが出来るため、上達には欠かせない方法ですが、子どもに活用する場合は、指摘ばかりにならないようにする注意が必要です。事実をそのまま知ることが出来るという点では、録音は大変便利な方法ですが、子どもにとって自分の出来ていない部分、足りていない部分を常に感じながら練習しなければいけないというのは苦痛になります。

そのため、改善のために録音するのは必要な場合に留め、録音で振り返る習慣がついてから徐々に増やしていくことをオススメします。また、良い演奏の場合も録音し、褒めて伸ばすことも大切です。課題の解決だけに録音を用いることが無いように気を付けてください。

そして、ここまではポイントごとの録音をご紹介してきましたが、本番が近い時期や、練習している曲が完成に近づいてきた時には、通しの録音をすることも効果的です。音楽は、部分的な完成度も重要ですが、全体を聞いた時のバランスも同じくらい重要になります。

本番に必要な集中力を高めることにも繋がるため、通しの録音も取り入れてみてください。その際は、何度も通しを行うと、「また次頑張ればいいや」と1回に力を出し切る気持ちが薄れてしまうため、練習終わりに1回といったように回数を限定するようにしましょう。

ピアノの上達に有効な方法の1つ目として録音を挙げましたが、録画も同じように効果があります。その場合は音にだけフォーカスするというよりも、映像として収めることが出来ていることを活かし、演奏フォームやペダルの使い方等にも着目してみてください。

②細かい部分的な練習を増やす

②細かい部分的な練習を増やす

子どもの場合、練習を始めて間もなくは長さが短い曲を練習する機会が多いですが、その場合は基本的に1曲を通す練習を多くすると思います。そこから1曲の長さが長くなると、それまでと同じように1曲を通す練習を継続するよりも、部分的に細かく区切った練習をオススメします。

1曲の長さが短いと、部分的に区切るほどにはならないため、そのままの練習方法で良いですが、長い曲をただ通す練習だけ重ねていても、完成度としてはあと一歩というところです。例えば、漢字のテストに向けて練習している時、1問目から最後の問題までをひたすら繰り返して練習していても、その中で誤りが多い漢字はクリア出来ない状態が続いてしまいます。

そのような時は、その部分の漢字をピックアップして繰り返し練習し、正しく書くことが出来るようになったら再度1問目から最後の問題までを通して練習するかと思います。この過程を、ピアノの練習においても行っていくということです。

ピアノにおいても、1曲の中でスムーズに演奏出来ない部分や、頻繁に演奏が止まってしまうという箇所が人それぞれあり、その部分をピックアップして繰り返し練習し、通しの練習に戻していくと、より細部までこだわりをもった演奏になります。

1曲の全体的な練習の流れとしては、譜読み→部分練習(1日に数回通し練習)→通し練習という形で進めていくと、比較的練習に方向性を持って取り組むことが出来ます。練習を始めた時期から見て、その時どのような練習をメインに行うのが良いのか、ただ練習をするだけではなく、課題や目標を考えながらコツコツ練習するようにしましょう。

③練習の術を学ぶ

練習時間内に上達するための3つ目の方法ですが、練習の術を学ぶことです。練習の術と一言で言っても色々なテクニックがありますが、前項でご紹介したように練習の内容をより濃くする方法を取り入れるイメージになります。

今回は、多くの子どもが難しいと感じる連符の練習方法についてご紹介します。連符は、複数の音の連続であり、滑らかに演奏出来ない、滑ってしまっているという状態に陥ることが多いですが、そのような場合、楽譜に書かれた通りの練習だけを続けていても、完成度を高めることが出来ない場合があります。

そのような時に効果を発揮するのが、アーティキュレーションを活用した練習です。最も基本となるのはスタッカートで、楽譜上ではスラーやレガートの指示がある場合でも、連符の練習としてあえて全ての音をスタッカートで演奏します。

例えば、「ドレミファソラシド」という連符があった時、その部分の連符を抜き出し、はじめは楽譜に書かれた指示通りに演奏してみます。その際に、先ほどご紹介したようなつまずきや滑りが見られる場合には、「ドレミファソラシド」の全ての音にスタッカートを付けて練習します。

はじめは、ゆっくりとした演奏可能なテンポでスタッカートを付けて練習しますが、慣れてきたら少しずつテンポを速くしていきます。この練習は、連符を楽譜通りの指示で演奏した結果、滑ってしまっている場合に効果的な練習で、一つひとつの音をクリアに演奏出来る状態に近づけるための方法です。

明確な目標を持つことでより取り組みやすくなるため、メトロノームを使用して練習することをオススメします。スタッカートで演奏した場合に演奏可能なテンポを把握し、そのテンポから実際の楽譜通りのテンポまで1目盛りずつ速くしていきます。

この練習方法は、アーティキュレーションを無くして楽譜通りに演奏した時も同様で、最終ゴールを楽譜通りのテンポとし、そのテンポに向かって演奏出来る速さから順番に地道に練習していきます。

アーティキュレーションを付ける練習はスタッカートだけではなく、付点、逆付点を付けた練習も効果的です。はじめは奇数の音符に付点を付けて練習し、完成度が高まったら付点を付ける音符を偶数にし、逆付点の形で練習します。指の番号や形によって滑りやすさが異なるため、付点だけではなく逆付点も練習するようにします。

この他、連符の練習方法については、2つの音を繰り返しながら進む方法があります。例えば、「ドレミファソラシド」という連符があった時、「ドレドレミファミファソラソラシドシド」という形にして演奏するということです。

この方法でスラスラ演奏出来るようになったら、「ドレドレレミレミミファミファファソファソソラソララシラシシドシド」というように先ほどの終わりの部分の音と始まりの部分の音も繰り返すようにします。

一つひとつの指の動きをクリアにすることで音の滑りを防止し、粒立ちの良い連符に仕上げていくことが出来るため、楽譜通りの音の羅列を一度崩し、指の形や動きを整えたところで再度楽譜通りの音の羅列で練習します。

今回は、連符の練習方法を取り上げましたが、このような練習の制度を高めたり、効率をよくしたりする方法や術は多くあります。ただし、効果的な方法を知らなければ実践に移すことは出来ないため、レッスン動画を視聴したり、習っている場合は困っていることや課題を先生に説明し、課題が解決出来たりするような個人に合った方法を教えてもらうと良いです。

ただ何となく練習するという方法は、時間も練習に必要な労力も浪費してしまうため、1曲の中で部分ごとに課題を見つけ、その課題解決に適した練習方法をいくつか引き出しとして持っておくことで、効率よく上達に近づくことが出来ると思います。

ここまでは、子どものピアノをより上達させるコツ・方法として、練習時間内に実践可能なものをご紹介してきました。どの方法も難しいものではありませんが、年齢によっては子どもだけで実践することが難しい場合もあるため、周囲の大人が手を差し伸べながら取り組みやすい環境を作って頂けたらと思います。

【練習時間外編①】子どものピアノをより上達させるコツ・方法

子どものピアノをより上達させるコツ・方法~練習時間外編①~

「ピアノの上達」と聞くと、練習時間内に出来ることを考えがちですが、練習だけをしていたら上達出来るものかというと、そうではないことが多いです。ピアノは、実際に音を出して練習する時間の他にも上達のためのコツや方法があるため、本章では練習時間外編としてその内容をご紹介していきます。

練習時間外編は、内容で本章と次章の2つに分かれております。自分自身の演奏に直接関わる内容で、かつ、練習時間外に出来ることは本章で、自分自身の演奏に直接関わりが無い内容で、かつ、練習時間外に出来ることを次章で見ていきたいと思います。

①楽譜に書かれている用語や記号を調べる

楽譜には、音符以外の情報も多く書かれており、その用語や記号の意味を理解しているか否かで演奏のクオリティーが変わるため、その内容を自主的に調べることが上達のコツの一つです。練習している曲の楽譜に書かれている情報について、何も分からないことは無い状態で演奏の練習が出来ることが理想になります。

楽譜に書かれている用語や記号等、音楽の基礎的な理論のことを「楽典」と言いますが、楽典を学ぶための本に用語や記号の意味が書かれているため、辞書のように本から探して楽譜に書き込んでおくようにします。

楽典に関する本が手元に無い場合は、インターネットで調べると基本的な楽典に関する情報は得ることが出来ます。用語や記号は、基本的にイタリア語で表記されることが多いため、イタリア語の用語や記号については比較的調べやすいですが、作曲者によってはドイツ語や英語、フランス語で表記されているものもあり、そのような言語で表記される場合は専門書で調べる方が正しい情報を得ることが出来ます。

楽譜に書かれている情報を理解して演奏することで、実際の演奏にどのような効果があるのかということですが、一番のポイントは表現の幅が広がったり、演奏に奥行きが出てきたりする点です。

なぜ、音符以外の情報が楽譜に書き込まれているのかというところに遡りますが、基本的には音符だけで表現することが出来ない表現や、作曲者の意図が記号や用語となって書かれています。そのため、それらにフォーカスして演奏することにより様々な表現を付けて演奏することに繋がります。

音楽の表現というのは、演奏者がその曲に対して感じることや、曲が作曲された背景を考えながら演奏することで生み出されるものですが、その土台には作曲者が表現したかったことを表現するということがあり、楽譜に書かれている記号や用語は、いわば作曲者からのメッセージと捉えることが出来るわけです。

演奏するという観点で考えると、音符だけ分かっていれば演奏自体は成り立ちます。そこに、表現の土台となる情報を取り込みながら演奏することによって、演奏全体のクオリティーが上がるというわけです。曲に対する理解を深め、表現豊かな演奏を目指していきましょう。

②楽典を学ぶ

前項と関連する内容ですが、練習時間外に出来る上達への方法として、楽典を学ぶことをオススメします。楽典と言っても、子どものうちから難しい理論を頭で覚えるということは難易度が高いため、楽譜に頻出する用語や記号を覚えたり、作曲者について理解を深めたりするといったことです。

音楽用語や音楽記号は、言語を問わず様々なものがありますが、その中で「この用語、記号はよく出てくる」と子どもでも感じるものがいくつかあります。前項では、書かれているものをその都度調べる方法を挙げましたが、頻出するものは覚えておくと曲が変わる度に調べるということをしなくても良くなるため、練習の早い段階から表現を付けて取り組むことが出来ます。

また、作曲者については、インターネットを活用して調べることも出来ますが、子ども向けの伝記が書籍として書店や図書館に置かれています。伝記と聞くと難しそうな印象を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、子ども向けとして書かれていることもあり、漫画のように描かれていたり、活字の中にも挿絵がされていたりと幅広い年齢の子どもが読むことが出来るようになっています。

年齢が小さい場合、インターネットを活用することは大人が付いていないと難しいケースもありますが、書籍の場合は練習の合間に読書の代わりとして子どもだけでも楽しむことが出来るため、読書をしながら作曲者について学ぶ機会を設けてみてください。

そして、曲によってはある出来事や、絵画が作曲背景となっていることがあります。作曲者に加え、作曲された背景についても学んでおくと、曲全体に対する理解を深めて演奏することが出来ます。作曲背景が描写ではない場合でも、音楽的な形式が緻密に組まれている曲も多くあるため、作曲者の意図を学び、考えながら実際の演奏に活かすことが出来るとレベルアップした演奏になります。

【練習時間外編②】子どものピアノをより上達させるコツ・方法

子どものピアノをより上達させるコツ・方法~練習時間外編②~

ここでは、練習時間外に出来る方法のパート②として、練習時間内でもなく、自分の演奏にも直接的な関係は無い部分での方法をご紹介します。「自分の演奏に大きく関係しないのにそのような方法があるのか」という疑問があるかもしれませんが、子どもでも楽しく取り組むことが出来る方法があるため、本章も是非参考にして頂けたらと思います。

①演奏会に足を運ぶ

音楽に限ったことではありませんが、「本物に触れる」ことが上達の近道になるため、音楽の場合はプロの方や、プロではなくても公に開催されている演奏会に足を運び、本物の音に触れることが重要になります。

演奏会の種類は、ピアノに限らず興味があるものを選んだり、子どもの場合は学校からフライヤーをもらったりする機会もあるため、その中から選んでいくことも一つの方法です。ピアノに限定したい場合は、ピアノのソロを選んだり、ピアノをソリストに迎えているコンチェルトの演奏会を選んだりします。

CDや有名な演奏家の動画の視聴も効果的です。可能な限り、ホールでの鑑賞が望ましいですが、どのような形であっても本物の音、本物の演奏に日頃から触れておくことにより、目標を持って練習に取り組むことに繋がります。

また、ホールでの鑑賞は、ホールの音の響きを学び機会にもなります。「練習では出来ていたのに本番のピアノや会場になった途端上手く出来なかった」という言葉を耳にすることがありますが、これは緊張による要因と、そもそもホールという場所に慣れていない要因が考えられます。

特別な事情が無い限り、日頃の練習をホールで行っているという方は少ないと考えられ、場数を踏んでいないとホールの特性を理解することは、子どもであればあるほど難しいです。一定の年齢に達して、本番をただ楽しむだけではなく目的を持って取り組むようになると、本番で練習通りに演奏出来なかった悔しさは、より深い記憶として残ってしまいます。

そこで、自分自身がステージで演奏しなかったとしても、演奏の鑑賞をホールで行うことにより、音がどのように響いているのか、客席にはどのような聞こえ方をしているのか等、身をもって体感することが出来ます。

ホールという場所に慣れていないことが要因で練習通りの演奏が本番で出来ない時は、「日頃自分に返ってくる音の響きとは違う」、「いつものような聞こえ方ではない」という状況から焦りが生じるケースが多いですが、演奏会に足を運ぶことでホールでの音の聞こえ方に慣れていると、焦ることなくいつも通りの演奏がしやすくなります。

「本物に触れる」ということは、演奏者としての目標を考えるきっかけとなるだけではなく、ホールでの演奏に慣れるという貴重な経験に繋がるため、直接的な練習には関わりませんが、ピアノを演奏している以外の時間で出来る上達に効果的な方法です。

②読書をする

②読書をする

本章の2つ目の方法ですが、読書をすることです。「音楽と読書に何の関係が?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、想像力を働かせるという意味で、読書で培った力は演奏の表現に活かすことが出来ます。

すなわち、読書の際に読む本は何でもよいということではなく、小説が良いという解釈になります。小節のジャンルは問わないため、好きなジャンルや、あえて日頃は読まないジャンルに挑戦してみるのも良いです。

読書は、活字を頭の中で場面として想像したり、シチュエーションを思い浮かべたりして読むため、音楽において「ここの部分をこのように表現したい」という状況になった時、具体的に想像することを補助してくれる役割があります。

音楽の表現にどのような方法を取るかは演奏者によって異なるため、全ての人に当てはまる方法ではありませんが、例えば「表現として、この部分では柔らかい音を演奏したい」という思いがあった時、どのような方法で柔らかい音をイメージするのか、その考える材料を蓄えておくということです。

「柔らかい音」のイメージ方法は様々ですが、ただ漠然と柔らかい音を奏でたいと思っていても奏でることは難しいです。色で表現を考える方法をメインにしている演奏者は、「この場面に合う柔らかい音は黄色に近い」と想像して、そのイメージに近くなるような打鍵を心掛けます。

物で表現を考える方法をメインにしている演奏者は、「この場面に合うものはマシュマロのような感じ」とイメージします。このように「柔らかい音」一つとっても、どのようなイメージをメインにしているのか、重要視しているのかということが演奏者によって異なり、イメージの材料や引き出しは、様々な人生経験や読書といった空想の世界からヒントを得ていることも多いわけです。

「読書」と聞くと、慣れていない場合は苦痛に感じることもあるかもしれませんが、難しく考えずに様々なことを想像しながらイメージを膨らませて、楽しんで読んでみてください。読書から得たことがいつ、どの曲を演奏する時に役立つということは誰にも分かりませんが、引き出しとしてもっておくことで演奏の表現がより幅広く、豊かになると思います。

③舞台芸術に足を運ぶ

続いて、本章に関する3つ目の方法ですが、舞台芸術に足を運ぶことです。この方法についても、読書と同じ理由で、演奏の表現をより豊かにする役割があります。舞台芸術としたため、演劇やミュージカルは必然的に当てはまりますが、映画も同じような効果があると考えられます。

音楽に限ったことではありませんが、「経験」というのは大きな意味のあるもので、経験があるからこそ形作ることが出来るものは沢山あります。音楽の場合、音楽以外の経験を活かすことが出来るのはやはり表現の部分であり、様々な経験を積めば積むほど深みのある演奏になると言われています。

今回は、子どものピアノがより上達する方法であるため、沢山のことを吸収出来る時期であるからこそ、舞台芸術の鑑賞や読書といった芸術表現やお話の世界に触れることを大切にして頂けたらと思います。培った経験を表現に活かし、曲ごとに違った持ち味を発揮することが出来るようになると、また一歩演奏者として上達出来るかと思います。

おわりに

本記事では、子どものピアノをより上達させるコツをテーマとして、練習時間内編、練習時間外編に分け、さらに練習時間外編を2つに分けてご紹介してきました。本記事のテーマとしては、「何をもって上達していると捉えるのか」であると感じています。

「上達」と一言で表した時、技術だけが向上しても上達と考えることが出来、それは表現に関しても同様のことが考えられます。一方で、コンクールや試験において良い結果を残すことが出来ることを「上達した」と捉えることも出来ます。

このように、「上達」という言葉の捉え方は人それぞれであるため、本記事においては、なるべく多くの「上達」に寄与することが出来る内容をご紹介させて頂きました。また、冒頭でも述べましたが、膨大な練習量が上達に必要かというと、必ずしもそうではない部分があります。

練習によって力が身に付くこと、練習以外のことで音楽に活かすことが出来る内容の積み重ねによって身に付くことがあるため、ただただ練習をこなすというイメージよりも、練習以外の時間で培ったこと、蓄えたことを活かして練習に励んで頂くと、演奏者としてさらにレベルアップが出来るのではないかと考えます。練習に行き詰っている場合や、様々な視点からピアノの上達を捉えようとする際に、本記事が少しでもお役に立ちましたら幸いです。

なお、家庭教師ファーストでは音楽の家庭教師も紹介しております。練習に困った際にはぜひ私たち家庭教師にもご相談ください!

この記事を書いたのは

音楽家庭教師ライター H.K

家庭教師ファーストの登録家庭教師。5歳からピアノを始め、ピアノコンクール全国大会に複数回出場、上位入賞経験あり。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

記事を検索

カテゴリー

新しい記事

人気の記事

TOPへ戻る