家庭教師ファースト教育コラム大学受験

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【医学部受験】志望校の決め方・選び方は?現役医大生が解説!

  • 大学受験
  • 2022.02.05
  • 現役医学部生ライター I

医学部志望、あるいは医学部を検討しているみなさん。
東大や京大志望なら、志望学部が決まっていれば、実質二択です。
しかし、医学部を設置している大学は、数が多すぎて志望校を絞り込むのが難しくありませんか?
 
それもそのはず、国立で42大学、公立で8大学、私立で31大学、あと、防衛医科大学校(正式には大学校なので大学ではありませんが、一応、卒業して医師免許を取れるという観点で大学としてカウントしています)の合計82大学あるのです。
※文部科学省―令和元年度・医学部を置く大学一覧より。
 
今回はその中から、自分にふさわしい1大学を決定する方法をお伝えしていきたいと思います。
なお、私も含め現役の医大生は志望校選びの際に少なからず同じような経験をしています。
家庭教師ファーストでは現役医大生の家庭教師も多数在籍しているので、家庭教師を付けて相談してみるのも一つの手かもしれません。

志望校の選び方① 国立・私立・特殊な医学部の違い

志望校の選び方① 国立・私立・特殊な医学部の違い

まずは、性質の違いで分類します。
初めに、国公立と私立という二項対立で語っていきます。
のちに、国立と公立の違いを説明し、最後に一部の私立と防衛医科大学校といった特殊な医学部についてまとめます。
ここでは、各大学への詳しい言及は特殊な医学部のみとし、国公立については次のテーマで書いていきます。

公立高校

都道府県立や市立などの高校を公立高校と言います。入試科目は5教科(国語・数学・英語・理科・社会)が一般的で、試験の時期は2月上旬~3月上旬に行われます。入試の難易度や学科の種類は様々で、選択肢も豊富なのが特徴です。
 
都道府県によって、また学校ごとによって基準などは異なりますが、入試の点数と学校の成績(内申点)によって合否が決まることは共通しています。都道府県によっては中学1年生の内申点も評価の対象になるため、その場合は1年生からしっかり定期テストで点数を取っておく必要があります。
 
また授業進度については公立高校では全国的に同じようなカリキュラムで授業を展開しており、私立高校に比べると進度が遅い学校が多いです。

国立と公立の違いは入学金くらい

国公立と国立の違いですが、こちらは入学金が異なるくらいで他は同じです。
国立の入学金は25万円ですが、公立の入学金は、県内出身者は25万円、県外出身者は75万円としていることが多いです。
公立大学は、運営主体が国ではなく、都道府県なので、県内出身者を優遇している、あるいは、県外出身者を冷遇していることになります。
公立大学の方が、地方国立大学より、より強く地域医療を推進しているように感じます。

特殊な医学部

最後に、一部の特殊な医学部と防衛医科大学校について書いていきます。
この記事では、特殊な医学部とは、産業医科大学、自治医科大学、東北医科薬科大学、防衛医科大学校を指すこととします。
なぜ、これらの医学部は特殊なのでしょうか。
各大学とも、義務年限(多くは9年)を設けることで、学費の負担を和らげるプランを学生の一部または、全員に提供しています。
 
産業医科大学では、卒後9年間産業医として勤務する(勤務地の指定はない)ことで、学費が30,490,000円から11,296,800円に安くなります(産業医科大学ホームページより)。
 
自治医科大学は、選抜方法から特殊で、各都道府県から2~3人の合格者を出すというシステムを取っています。
これは、都道府県がお金を出し合って、各都道府県のへき地医療を支えるスペシャリストを養成するという趣旨から各都道府県から均等に採用するようになっています。
卒後9年間出身都道府県のへき地医療に従事することを条件に、学費は、約3000万円から無料になります。
 
東北医科薬科大学は、卒後9年間、出願時に選択した東北の県で働くことで、学費が約3000万円から400万~1000万円(選択する県によって異なり、宮城県が約400万円)となります。
 
防衛医科大学校は、そもそも、筆記試験が10月末にあります。
出願も夏休み明けなので、受験を検討している人は、出願期限を過ぎないように注意しておく必要があります。
一般的な大学とは出願期間が大きく異なるうえ、受験する人はそんなに多くはないので、学校から適切な案内がなされない可能性が高く、自分で情報収集しなければなりません。
筆記試験は、国語、英語、数学の3科目90分のトリアージ式(試験時間内に全科目の問題用紙と回答用紙が配られ、自分で解く順番や優先順位を決めて、点数が取れそうな部分からアプローチしていく方式のこと)のマーク試験と、一般的な国公立二次のような記述式の試験が国語数学英語理科2科目あります。
二次試験では、面接、小論文、身体検査があります。
身体検査があるのが、防衛医科大学校が防衛省管轄であることを物語っています。
防衛医科大学校は、卒後9年間医官として勤務することで、約5000万円かかる学費が無料になり、そのうえ、在学中は特別国家公務員という身分の扱いで給料がもらえます。
お金をもらえて医者になれるという素晴らしい大学校ですが、在学中は医学部の勉強に加えて自衛隊的側面からの訓練があり、また、全寮制、外出制限があるなどの様々な制約が伴います。
安易にお金がもらえて医師免許も取れるという理由だけで進学しないほうが賢明です。

志望校の選び方② 前期・国公立医学部

志望校の選び方② 前期・国公立医学部

医学部を受験したい、あるいは検討している人の大半が国公立前期を視野に入れていると思います。
国公立は、多くの大学がよく似た教育方針を掲げていて、所在地が違うだけの大学が50校もあって、暗中模索と言ったところでしょうか。
おそらく、ほとんどの人が盲目的に、自分の住んでいる都道府県の医学部と近隣の都道府県の医学部を模試の志望校判定の欄に書き連ねているだけではないでしょうか。
それを一刻も打破していただきたいです。
ここから先は、河合塾が出版している全国の大学の配点が載っている、分厚いのに文字が小さくて見にくい本を横に置きながら読むことを強くお勧めします。

共通テストの配点比率

まず、共通テストの配点比率を見てみましょう。
共通テストは、素点が900点です。
各大学は、この素点から自大学が設定した配点で計算し直して、出願者の共通一次の点数を決定します。
各大学が設定する配点(これを一般的に傾斜配点という)には、2種類あります。
 
1つ目は、共通テスト本来の配点と同じで、満点を操作して、圧縮する方法です。
例えば、同じ配点比率のまま、全て半分にすれば、450点満点になります。
この方法は、いたって標準的で多くの大学が採用している方法です。素点から得点率は変わらないので、純粋に共通テストと二次試験の配点比率を確認するだけで大丈夫です。
 
2つ目は、科目ごとの配点を変える方法です。
例えば、滋賀医科大学では、同じ配点比率のまま全て半分にして450点満点とした後、国語だけ2倍にして550点満点としています。
これには、共通テストしか国語がなく、二次試験で国語力を測れないので、共通テストで重視していることが分かります。
他の例では、奈良県立医科大学では、同じ配点比率のまま全て半分にして450点満点とした後、国語を更に半分に、理科を1.5倍にして合計点は450点のまま、配点を変更しています。
他にも、大学によってはさまざまなパターンがあるので、全国津々浦々調べてみてください。
一見、無駄な時間に思えるかもしれませんが、自分の得意科目の配点が高くて、苦手科目の配点が低い大学と出会うことができれば、素点よりも得点率が大幅に上昇することも夢ではありません。
 
実際、私自身、国語が圧倒的に苦手で約100点でした(もちろん200点満点です(笑))。
しかし、得意の理科で200点満点をたたき出しました。
結果、素点の得点率は84パーセントでした。
先の例に挙げました、滋賀医科大学と奈良県立医科大学の傾斜配点で私の得点率を算出したところ、滋賀医科大学で77.8パーセント、奈良県立医科大学で90パーセントとなります。
驚いたでしょうか、同じ素点でも傾斜配点によって得点率は素点から5パーセント以上も上下するのです。
 
一般的に、このような傾斜配点の裏側を知らない保護者様は、下宿代を浮かせたいという安直な考えから、住んでいる都道府県の医学部を提案してくることが多いと思いますが、この例を知っていれば、全国に視野を広げてみようという気持ちになったのではないでしょうか。
もし、私のような偏った得点をしている人が、滋賀県在住という理由だけで保護者や学校の面談で滋賀医科大学を提案されていたら地獄ですね(笑)。
ぜひ、自分の得点パターンでいちばん得点率が高くなる大学を探してみてください。

二次試験の試験科目、配点

次は、二次試験の試験科目及び配点比率です。
私立大学の説明の時にも書きましたが、基本的に英語、数学、理科2科目でそれぞれ200点満点ずつで合計600点満点としている大学が多いです。
配点は、理科を独立させて200点ずつとして合計800点満点としている大学もあります。
 
入試方式で特異的な大学は、奈良県立医科大学が挙げられます。
この大学は、各科目試験時間が決まっているわけではなく、防衛医科大学校のマーク試験と同じトリアージ式の試験を採用しています。
3時間で英語数学理科1科目を解きます。理科は事前に受験科目の登録をしないので、問題用紙を見てからどの科目を解くのか決めて良いという非常にユニークな大学です。
 
試験科目が特徴的な大学がいくつかあります。
大学によっては、英語と数学の二科目で受験出来たり(例:前期旭川医科大学)、逆に国語が必須の大学があったり(例:東大、京大、山形大)、理科が1科目で良い大学(例:奈良県立医科大学)、理科2科目のみの大学(例:後期旭川医科大学)もあります。
6年くらい前までは、数学と理科2科目で受験できるという理数科目が得意な人向けの配点で有名な大学(例:高知大学)もありました。
近年は、最初に挙げたような英語、数学、理科2科目という配点の大学が増えてきています。
まだまだ入試科目数にバリエーションがあるので、自分の苦手な科目が試験科目にない大学を検討してみるのも一考です。
例えば、現役生は後手になりがちな理科がどうしても最後まで煮詰まらなければ、理科は共通一次対策に専念して、二次試験は英語と数学で勝負することなどが考えられます。
しかし、一般的に試験科目が減れば減るほど、ある科目で大きなミスをしたときのリスク回避が難しくなるので、安直に苦手科目を諦めて試験科目を減らすことはお勧めしません。
試験科目及び二次の各科目の配点から、自分にとって有利な大学を見つけることはできましたでしょうか。

各大学の二次試験の問題

次に、二次試験の問題についてです。ここからは、旺文社が出版している全国大学入試問題正解を手に取って読むことを強くお勧めします。
先ほど、一般的に英語、数学、理科2科目のパターンが多いと書きましたが、配点からは見えてこない情報があります。
それは、各大学の入試問題です。各大学が設定する共通一次の圧縮及び傾斜配点と二次試験の試験科目と配点から、自分に有利な大学は十数個に絞られているのではないでしょうか。
ここからは、各大学の入試問題を見ていきます。大まかな基本パターンを書いていきます。

Ⅰ.国公立総合大学で他学部と共通問題の大学

1つ目は、国公立総合大学で他学部と共通問題の大学です。
これは、さらに2種類に分類され、旧帝型と地方型に分類されます。
旧帝型は、そもそも問題がある程度難しく、(東大と京大はかなり難しい)、医学部受験者にとってもかなり歯ごたえのある問題が並び、6~7割の得点率を目指す型です。
これは、他学部を受ける人と基本的に同じ対策をして、他学部の人より各科目2割程度、得点を上乗せするだけで大丈夫です。
 
地方型は、他学部と共通問題である点は、旧帝型と同じです。
しかし、受験者層が異なります。医学部と他学部で学力格差が著しいのです。
そんな大学で他学部の人向けの入試問題を医学部受験生が解くと、平均得点が8割に乗ることもザラです。
何が言いたいのかというと、得点のインフレが著しいということです。
このような場合は、もはや完答はあたり前でミスをしないかが合否の分かれ目になってきます。
逆に、難しい問題は出ないので、よく本屋に売っている「最難関を目指す人向け」(例:難問題の系統とその解き方)、「東大京大医学部を目指す人向け」(例:ハイレベル理系数学)といったタイトルの参考書や問題集に手を出す必要はありません。
理科の重要問題集といった基本~標準レベルでいいので、完璧を意識して仕上げて行く必要があります。

Ⅱ.地方大学だけど医学部だけ独自問題の大学

2つ目は、地方大学だけど医学部だけ独自問題を課してくる大学です。
独自問題は、数学のみに設定してくる(数学の中でも特定の大問だけ医学部独自問題というパターンもある)型と全科目独自問題の型が多いです。
独自問題は、医学部受験生専用問題なのでやや難であることが多く、また計算量も多めなため負担が大きいです。
しかし、合格者の得点率もそれほど高くなく50パーセントほど得点できればまずまずといったところです。
例えば、医学部独自問題の数学と他学部の英語と理科共通問題の大学を受験している場合、ここで気落ちせず(大体数学が最初の試験科目でメンタルに大ダメージを与えてくる)、他学部と共通問題で点をしっかり回収することが重要です。
医学部独自問題が3割しか取れなくても、合格者と2割しか差がついていません。
それより共通問題で、大ミスをやらかして2割の得点差をつけられるほうが痛いです。
独自問題が3割しか取れなかった場合、メンタル的には1割くらいの得点率のテンションになりますが、他の受験生も苦労しているので、みんな苦戦していると割り切って気持ちを切り替えることが重要です。
全科目独自問題の大学は、次の3つ目の大学と対策が全く同じなのでここでの説明は割愛いたします。

Ⅲ.単科医の大学

3つ目は、単科医といわれる大学です。
単科医とは、「~医科大学」や「~県立医科大学」といった大学名を指します。
公立大学で多いです。
このような大学は、そもそも医学部と看護学部しかないことが多く(和歌山県立医科大学は例外的に薬学部もあり、医学部と薬学部は共通問題である)、全科目、医学部独自の入試問題です。
単科医の入試問題は、良問を集めた一般的な問題集(例:プラチカ)とは、まったく性質の異なる問題が多いです。
計算量がありえないくらい多くて、挫折しそうになる問題もあります。
例えば、微分して増減表書いてグラフを描くだけの問題が、微分自体がとてもめんどくさかったり、極値を計算するためだけにわざわざ解の公式を使わなければならないほどめんどくさかったりすることがあります。
また、明らかに習っていない分野(大学数学の焼き直しのような内容)の問題を出題してくる大学(例:後期奈良県立医科大学)も昔はありました。
さらに、習っているか微妙なラインを攻めてくる大学もあります(例えば、京都府立医科大学の数学の空間図形を座標で処理する問題です)。
上記のうち、計算が煩雑な問題は正解しないと不合格になる可能性が高いですが、後者2つは、ほとんどの人が正解していないので(1)だけ解いてササッと次の大問に行く方が賢いです。
理科は、医学と絡めてきた問題も散見されます。生物では、実験の考察問題がやたらと難しいことがあります。
物理では、細胞膜の内外の電位差の話から、コンデンサーを中心とした電位の問題が出題されていることがありました。
これらの問題は、一見したところ、難しそうなリード文がずらずらと書いてあってやる気がそがれますが、結局、高校の理科に落とし込めるはずだと信じて、何が何に対応しているのか落ち着いて考えると、割と解ける部類の問題になります。

共通テストと二次試験の配点比率

最後に、共通テストと二次試験の配点比率です。
一次試験の圧縮と傾斜配点、二次試験の試験科目と配点、そして、二次試験の各大学の問題の特性を研究し終えたところで、候補はほとんど絞り込めているかと思います。
最後に、1次と2次の配点比率を見て、自分は共通一次と国公立二次のどちらが得意かで、最終的な志望校を選定することができると思います。
 
ここまでに述べてきた医学部志望校選定方法は、合理的にいちばん得点率が高くなり、合格する可能性が高い方法です。
地理的な考察は一切していません。
この方法では、盲目的に地元の医学部を志望校とすることに批判的な姿勢でしたが、この方法をもってして、それでも地元の医学部に行きたいと思うのならば、その気持ちを否定する気は毛頭ございません。
地元の医学部に向けて、共通一次と国公立二次の得点バランスを調整するように勉強時間を再分配し、その大学の国公立二次の問題の研究を行い、その大学に自分が合わせていけば良いのです。
 
自分が住んでみたい都道府県の医学部を受験するために自分をその大学に合わせるのも同じことです。
実際に、私の友人で、東京に行きたいという思いを3年間持ち続けて、東京医科歯科大学医学部に合格した人がいます。
その人は、周りに東京医科歯科大学を目指す人がほとんどいなかったので情報収集には苦労したし、独特な英語の出題傾向には本当に苦労したといっていました。
東京医科歯科大学の英語は、長文が与えられて小問は一切なく「400字で要約せよ。」という問題のみです。
この要約は、和訳できるとか、空欄補充できるとか、指示語の指す内容が分かるとか、内容一致問題が解けるといったレベルの話ではなく、1つの読み物として内容を把握しまとめる力が要求されており、一種の国語の試験とも言えます。

志望校の選び方③ 国公立後期、推薦、私立一般入試

志望校の選び方③ 国公立後期、推薦、私立一般入試

大半の人は、前のテーマである国公立前期がメインだと思いますが、他にも、国公立後期、推薦、私立一般入試があります。
以下にそれぞれについて、説明していきます。

国公立後期は狭き門だが、チャンスはある!

国公立後期は、もともと実施大学が少ないうえに、年々実施大学が減りつつあり、また、定員を推薦入試に振り分けて後期の定員が減っており、かなり狭き門であります。
しかし、そんな医学部後期入試にもチャンスがあります。
後期は、2つのパターンがあります。
 
1つ目は、基本的に共通一次でほぼすべてが決まります。
なぜなら、二次試験が面接のみといった大学が多いからです。
面接は、対策しにくいので不確定要素が多く、確固たる自死因を持って出願するのが難しいです。
前期のように、各大学の入試問題を見て自分に適性のある大学を見つけることは不可能に近いです。
二次試験が面接のみの大学は、現役が有利だとか、地元出身者が優遇されるだとか、様々な憶測が飛び交いますが、どれも信ぴょう性に欠けます。
一か八かで出願するしかないというのが実情です。
 
2つ目は、二次試験で前期と同じように学科試験の入試をする大学です。
奈良県立医科大学、岐阜大学、山梨大学、旭川医科大学などの限られた大学のみですが、前期と同じように試験をしてくれる大学があります。
全国の前期試験の不合格者のうち、共通一次で高得点を取れなかった受験生が数少ない学科試験をしてくれる大学に殺到するので倍率は非常に高くなります。
また、前期よりも各科目の難易度が高く、厳しい戦いが強いられます。
それでも、一か八かの面接よりは、受かる可能性が高い、あるいは落ちても自分の学力不足と納得できるとの理由からこれらの大学に出願する人が多いです。
この方法を考えている人は、前期と同じようにして自分に適性のある志望校を見つけてください。
 
以上、2つの方法はいずれも難易度が高く合格率の極めて低い後期入試でわずかに合格率を上げる方法であり、基本的に前期一本だと考えておくのが賢明で、後期で合格すればラッキーというふうに考えておくのがいいかと思います。

推薦入試は出願資格を満たしているかがポイント!

次に、推薦入試についてです。推薦入試は1つしか受けることが出出来ません。
推薦にもパターンがいくつかあります。
 
1つ目は、学科試験を実施する大学です。
このタイプは、出願対象者を自県在住者に絞ったり、現役のみ絞ったりすることで、推薦入試を実施しています。
もし、自分が推薦入試の対象者であれば、出願する価値はあると思います。
 
2つ目は、多くの国公立後期のように共通テストと面接のみという大学です。
これは、後期同様、一か八かといったところなので、チャンスが増えるくらいの気軽な感覚で受けることをお勧めします。
また、この方式は、地域枠の募集であることも多いです。
地域枠とは、大学所在地の都道府県あるいは、枠によって指定された都道府県に9年間勤めるという条件付きで入学が許可される枠です。
一般的に地域枠の人は、卒業までに大学から約2000万円の奨学金が貸与されて、卒後9年間、大学に指定された地域で働くことでその奨学金の返済義務が免除されます。
要するに、卒後9年間、指定された地域で働くと2000万円もらえることとほぼ同義です。

私立一般入試の傾向と対策

私立は、基本的に英語数学理科2科目のマーク式の試験です。
国公立と違って記述式が出ることはありません。
なぜなら、短期間で膨大な一次試験(筆記試験)を採点し、合格者に速やかに二次試験(面接および小論文)の手配をしなければならないからです。
 
私立の入試問題は、単科医と同じで癖のある問題を出す大学と、一般的な問題を出す大学に大別されます。
単科医と同じような問題の大学は、日本医科大学の数学に代表されるような難問が中心ですが、得点率も低く、とにかく解けるところを確実に解くことが大切です。
首都圏の難関大学がこの傾向があります。
次に一般的な問題を出す大学ですが、こちらは地方の大学や、偏差値が低めの大学が多くあてはまります。
問題は一般的なマーク式で高得点が要求されることが多いです。
地方国公立の他学部と共通問題の大学と対策方法が似てきます。
 
しかし、一点注意しておかなければならないことがあります。
それは、試験時間に対して問題量がかなり多いことがあるということです。
こういった大学の問題は、基本的に易しい問題が多いのですが、ところどころ時間を要する問題がちりばめられていますので、時間がかかりそうだと思い次第、撤退して次の問題に行く必要があります。
このような大学は、案外最後の方の問題は簡単だったりすることが多いです。

まとめ

以上で、国公立と私立のあらゆるパターンの特徴、及び受験校の選定方法を書いてきました。
おそらく、予備校の医学部入試説明会に行ってもこのようなマニアックな話を聞く機会はほとんどないと思います。
 
また、学校の担任の先生レベルでは、その先生がよほど医学部の進路指導に慣れていない限り、ここまで知っている人は多くはありません。
この記事に出会えたあなたは、ラッキーです。
前期国公立の内容が複雑で分かりにくいかもしれませんが、是非じっくり時間をかけて自分の適性ある大学探しを行ってほしいと思います。
家庭教師ファーストでは現役医大生の家庭教師も多数在籍しています。
現役医大生に直接相談してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたのは

現役医学部生ライター I

家庭教師ファーストの登録教師。和歌山県立医科大学 医学部に在学中。浪人を経験。学生ながら、家庭教師指導人数は20名以上。塾講師経験も。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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