家庭教師ファースト教育コラム大学受験

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【大学受験】もしも浪人したら?浪人経験者が語る、浪人生の勉強方法

  • 大学受験
  • 2022.01.23
  • 現役医学部生ライター I

浪人は、過酷な時間です。筆者にとっては、人生で一番つらい時期でした。
浪人するからには、第一志望に合格してほしいですし、一浪で済ませてほしいです。
浪人は、現役と同じような勉強法では大幅な成績アップは望めないです。
 
今回は、浪人生に適した勉強法をお伝えしていきます。
宅浪をする人はほとんどいないという前提のもと、予備校で浪人するという前提で話を進めていきます。
最後に浪人生が陥りがちな注意点もご紹介しますので、ぜひ最後まで御覧ください。
 
浪人をすることは一見後ろ向きに捉えてしまいがちですが、これを読んで前向きに有意義な一年を過ごしていただければと思います。
メンターとして「浪人を経験した家庭教師の先生」をつけるという選択肢もあります。
必要であればぜひご検討ください。

浪人スタート。大学受験不合格から予備校の授業開始まで

浪人スタート。大学受験不合格から予備校の授業開始まで

国公立の前期試験の合格発表は3月上旬~中旬です。
そして予備校の授業スタートは、4月の第2~3週です。
予備校によっても違うかもしれませんが、授業スタートは高校の新学期スタートより大体遅いです。
前期試験の合格発表から予備校の授業スタートまでは、実に1カ月以上あります。
この時期を遊んですごすか、勉強して過ごすかで翌年の合否が決まるといっても過言ではありません。

不合格のその日から浪人生活はスタートしている

浪人生に春休みはありません。
春休みを遊んですごす、つまり1か月も勉強から離れると、せっかく受験までに身に着けた勉強習慣を失うことになります。
しかし、現実問題として卒業・進学する友だちと遊ぶと思います。
それを止めようとは思いません。
しかし、勉強習慣を失うという事態は避けなければなりません。
なので、無限に遊ぶのではなく、重要な1,2回に絞って遊ぶことをお勧めします。

なぜ不合格になったかの分析をしよう

すぐにでも勉強を再開するべきであると上述しましたが、はじめに「なぜ不合格になったか」の分析が必要です。
この分析によって、この時期にすべきことが決まってきます。
次の受験まで1年あるし、時間に余裕があると思うかもしれません。
しかし、焦りや不安によって体感する時間はかなり短くなります。
メンタルを保つ秘訣は後述しますが、不合格のショックよりも、翌年の受験への焦りや不安の方が、メンタルに悪影響を及ぼします。
 
この分析が自分でできればもちろん良いのですが、なかなか自分を客観視するのは難しいものです。
何故なら、人間は自分に甘い生き物だからです。
そんなとき、学校や塾の先生に相談が出来ればよいですが、この時期はなかなか難しいかもしれません。
その点、家庭教師はそんなところもカバーできるのでお勧めです。

この時期にすべきこと

この時期は、予備校の授業がなく1日中自分のやりたい勉強ができます。
いわば、夏休みと同じ状態です。
夏休みは、予備校の前期の授業を踏まえて演習を積み重ねる時期です。
授業が始まる前のこの時期は「本当に自分の分からないところはどこなのか」を徹底的に探すことのできる、最初で最後のチャンスです。

教科書レベルからの確認

自分の分からないところ探しでぜひともやってほしいのが、教科書レベルからの確認です。
場合によっては、中学内容からやり直す覚悟が必要です。
現役の頃、秋に入試問題集を解いていて、分からない問題に出会ったとき、解説を見て次に進んでいたと思います。
 
しかし、解説だけで本当に完全に疑問点は解消したでしょうか。
おそらく答えはノーだと思います。
分からないところの根源はほとんどの場合、教科書レベルにあります。
問題集には解答に至るプロセスが書かれている場合がほとんどで、その前提となる部分は書かれていないことが多いです。
もし、問題集の解説に前提知識の確認や補足などかなり詳細な解説があるとすると、その問題集の解説は、問題編の5倍ほどの分厚さになっていると思います(そのような問題集はおそらくないと思いますが・・・)。
普段、問題集の解説を読むときは、横に教科書や教科書傍用問題集を横に置いて調べながら解説を読む必要があります。
夏休みに、教科書レベルからやり直すのは時間的に厳しいので、この春休みの時期に教科書の例題や応用例題、教科書傍用問題集を解き直すという作業をすることをお勧めします。
 
不合格になった理由の分析で、明らかに勉強不足でほぼ未習のような単元がある場合は、先にそちらをつぶしておきましょう。
現役の頃は、限られた時間を有効に使うため、出題頻度の少ない分野は捨て去られることがしばしばありますが、浪人したからにはマイナーな分野もしっかりと取り組まなければなりません。
具体的には、数学Ⅰのデータの分析、数学Aの図形やn進法、数学Ⅱの恒等式や指数対数、数学Ⅲの二次曲線などです。
いずれも国公立の二次試験に出題される可能性は低いですが、共通テストに出る可能性はありますし、万が一、二次試験に出題されたときに対応できるようになっておく必要があるので、基本的なレベルまではやっておきましょう。
ほぼ未習のような状態では、予備校の授業についていくことは出来ません。
最低限、教科書の例題は解けるようになっておきましょう。

基礎力を高めておく

また、英単語の暗記不足のような一人で解消できる問題も解消しておきましょう。
英語において、単語が分からなかったから解けなかったというのは最悪です。
予備校の授業で扱う英文は、高校のリーディングの文章よりも難しいことが多いので、語彙力は高めておきましょう。
語彙力を高めておくと、授業の復習として単語を覚えることに追われず、文法、構文の復習に時間をあてることができます。
 
春休みは、夏休みに次いでまとまった時間を取れる時期なので、教科書レベルまで戻って勉強し直しましょう。
勉強習慣を維持できていれば、サクサクとこなしていけるはずです。
また、未習部分、暗記不足も解消し、基礎力の増強を図りましょう。
これらのことをこなそうとすると、春休みは遊んでいる暇はありません。
 
参考までにですが、春期講習は取る必要はあまりありません。
上記のようなことをこなすには、一人で十分だからです。
予備校の前期後期の授業だけで基本的には賄えます。
前期の授業を受けて不安要素があれば、夏期講習で受講するという形がいいと思います。

浪人生の勉強方法①:予備校の授業がスタートしてから

浪人生の勉強方法①予備校の授業がスタートしてから

予備校の授業が始まると、1日中自分のやりたい勉強ができるわけではありません。
午前から夕方まで、授業があり、予習復習に追われる日々となります。
高校生のような忙しさに舞い戻ります。
予備校の授業には新しく習う単元はないので、めちゃくちゃ大変というわけではありませんが、ゆっくり教科書レベルまで戻る時間はないので、日々習った内容の復習に努めましょう。

予備校の授業における予習・授業・復習の意義

高校の頃から予習復習の授業スタイルを取っていた学校はたくさんあります。
しかし、高校生にとって新しく習う単元の予習は負担が大きく、時間のわりにあまり意味はありません。
復習の方が大切です。授業で習った問題とその類題を繰り返し解いて、新しい単元になれることが重要です。
 
しかし、予備校の授業は新しい単元はありません。
授業のレベルは教科書レベルではなく、入試基礎から入試標準くらいまでとレベルアップしますが、すべて、一度は習った単元になります。
このような場合、予習の段階である程度解けてしまうことが重要になります。
解けたうえで、自分の考え方は遠回りじゃなかったか、解くうえで注意しなければならないポイントは何かを確認するために、授業を聴講する必要があります。
逆に解けなかった場合は、どこで分からなくなったのか、どこでミスしたのか、そもそも全く基礎力が足りていなかったのかなどを判断するために授業を聴講します。
 
このように、予習の出来具合によって授業に求める内容が変化してきます。
復習に関しては、別解の検討、正解していても誤解があったり、無理に丸暗記していた定理の導出の復習をしたりなど、ただ問題を正解する以上のことを復習するようにしましょう。
もちろん、予習の段階で全く分からなかったところは、教科書傍用問題集で徹底的に基本の反復をしましょう。

前期の授業は極めて重要

予備校の授業は圧倒的に前期の内容が大切です。
英語や数学は、前期で一通り学習して後期に同じ内容のハイレベル版を行います。
前期の内容は、入試基礎から差がつく問題までをメインに扱っており、各テーマの導入も丁寧に行われます。
ここをしっかりとものにすれば、ほとんどの大学に合格する力をつけることができます。
理科は、前期と後期を合わせて一通り学習する形になるので、一年間丁寧に学習していく必要があります。

ノートの取り方

高校生のころまでは、前に書かれた板書を映していただけの人が多いと思います。
解答方法を習得することが目的の場合は、それでよかったです。
しかし、予習である程度解答を作れる予備校の授業では、そのようなスタイルではもったいないです。
予習・授業・復習の項目でも言いましたが、授業では、解くうえでのポイントをメモしなければなりません。
例えば、解答を書き始める前に何を思うのか、どこで場合分けの必要性に気付くのか、どこで迷いやすいポイントがあるのかなど、板書(解答)を写しているだけでは、得られない情報を記録しましょう。
 
上記のようなポイントは、口頭説明で済まされることが多く、メモ出来なければ復習することが難しくなります。
講師によっては、考え方なども板書してくれる場合がありますが、それでも情報量は口頭説明に比べるとやや劣ります。
ですから、しっかり口頭説明を聞いて、自分が必要だと思う情報をメモしましょう。
ぶっちゃけ、模範解答をプリントで配ってくれる講師の場合は、解答を写さずに思考内容をメモするだけでも十分だと思います。

前期の模試は要注意

5月か6月に記述式の模擬試験があると思います。
その模擬試験の偏差値は見なくていいです。
なぜなら、あなたが昨年取っていた偏差値よりはるかに高いことが多いからです。
これは、あなたの実力がついてきた可能性もありますが、そうでない可能性が極めて高いからです。
では、実力が付く以外に、偏差値が上昇する要因は何でしょうか。
 
それは、模試の受験母体の変化にあります。高3と浪人生は同じ模擬試験を受けます。
人数は、高3の方が圧倒的に多いですね。
高3になりたての人と、すでに高校内容を習い終えて更に勉強を積んでいる人が成績を比べたら、それは後者の方が成績が良くて当たり前です。
高3の伸びは9月以降に顕著ですので、夏までの模試は大体偏差値が10くらい上振れします。
このことを念頭に置いて返却された成績表の偏差値を見ましょう。
 
言い換えると、秋に受ける模試の偏差値は夏までのそれよりやや下がりますが、それはあなたの成績が落ちてきたのではなく、現役生の伸びの方が大きく、相対的に下がっているように見えるだけで、絶対的にはあなたの成績は伸び続けているので安心してよいです。
詳しくは、後期の過ごし方で口述しますが、この秋の見かけ上の成績下降で心を病んでしまう人が一定数います。
しかし、過度に心配する必要はありません。(本当に成績が下降している可能性を排除してから安心しなければなりませんが・・・)

浪人生の勉強方法②:夏休みの過ごし方

浪人生の勉強方法②夏休みの過ごし方

「夏休みを制する者は受験を制する」とは、よく聞く言葉ですよね。
実際その通りです。では、どのように過ごせば夏休みを制することが出来るのでしょうか。
ここでは、夏休みの過ごし方を詳しく説明していきます。

夏休みは演習メイン

前期の授業を受けてきて解法テクニックの習得がはかどり、賢くなったような気がしているかと思います。
しかし、ひとつ重大な問題があります。
それは、演習不足です。各単元について数問ずつの例題解説があったのみで、前期を3カ月過ごして、各科目解いた問題数はとても少ないのが実情です。
これは、前期は解くための型の習得期間であるため、正しいのですが、夏休みに演習量を増やしていかなければなりません。
 
演習にふさわしい問題集は、理科で言えば数研出版の重要問題集のような、標準的な問題集を一冊しっかりと仕上げることが大切です。
現役の頃、教科書傍用問題集を足早に終わらせて、入試問題集を解いて、共通テストの過去問をこなし、二次試験の過去問を解くというように、時期によって目まぐるしく使う問題集が変わって(仕方のないことではあるが)しまい、それぞれの問題集が手薄になっている人が多いです。
浪人したからには、教科書傍用問題集を解く必要は無いです(これが満足に解けない人は春休みと前期の放課後にこなしておく必要性あり)し、前期で入試問題集を解くための力を十分つけてきました。
なので、夏休みは、思う存分時間をかけて入試問題集を解いていきましょう。
時間があるからこそ、1周で終わらせず、3周くらいして問題を見ただけで解法や注意点がパッと浮かぶくらいにしておきましょう。
このレベルの問題は、解けて当たり前~差がつくところであり、このレベルでほぼ合否は決まります。
2周目以降は、書いてばかりいると時間を消耗し過ぎるので、眺めて解法が浮かべば解答に目を通すだけで良いです。
周回することが大切なので、1周に時間をかけ過ぎないようにしましょう。
もちろん、考え方に迷うような問題は、書いてじっくり取り組みましょう。
書いて1周している間に、眼を通すだけなら5周くらいできます(筆者の経験から)。
そして、周回した回数に比例して記憶に定着します。
書いた方が記憶に強く残りますが、周回した回数の方が、記憶への定着との相関が強いです。
 
人によっては、より難易度の高い問題集に手を出したい人がいるかもしれませんが、夏休みはとりあえず、入試標準くらいまでを迅速かつ確実に正答出来る力を身に着けることが重要です。
余裕のある人は、理科のまだ予備校では習っていない分野の入試問題集を解いておくと後期に楽できます。

夏は共通テストの科目も少しやっておく

夏以降は、マーク式の模試がちらほら入ってきます。
この時期に目標スコアを越えておく必要はありませんが、古文の文法や単語、漢文の句形、社会の基本事項の暗記が不十分であれば、それはしっかり復習しておきましょう。
演習を積むのは、後期の授業時間と、冬休みからで大丈夫です。
 
医学部志望者などで、共通テストでハイスコアを求められる人は、ついつい共通テストのスコアばかり気にして夏休みに二次試験の勉強がおろそかになってしまう人がいます。
しかし、共通テストのみの科目と二次試験でも使う科目の配点比率を考えてみましょう。
一般的な理系の場合、国語と社会が共通テストのみで英数理が二次試験でも使う科目となります。
国語と社会で200+100=300点くらいです。
英数理は共通テストで200+200+200=600点、二次試験でそれ相応の配点があり、共通テスト:二次試験という得点比率ではなく、国語+社会:英数理で見た時、英数理のウエイトが極めて大きいことに気付くと思います。
仮に、共通テスト対策を推し進めて、国語と社会が高得点を取れるようになったとしても、英数理の仕上がりがいまいちだった場合、国語と社会だけでは、カバーしきれません。
理系であれば、英数理で確実な得点アップを考えましょう。

夏休みに記述模試は1つ受けておく

夏休みは、マーク式こそあれど、記述式はないということが多いのではないでしょうか。
夏休みの取り組みの成果を可視化するための記述模試がいい時期にありません。
自分の勉強の方針は正しいのだろうかという不安を抱えたままでは勉強は全くはかどりません。
自分の夏休みの過ごし方を可視化するためにぜひ、記述模試を八月中に受けましょう。
 
9月に記述模試はあるかと思いますが、その結果が帰ってくるのが10月中旬であることを考えると、夏の努力の成果を見るのが少し遅いです。
8月中には、東大、京大の冠模試がありますので、その大学を志望していなくてもぜひトライしてみて、夏の自分の成長を感じましょう。
9月中旬に結果が帰ってくるので、そこから夏休みの過ごし方について反省をすることができます。
科目のバランスが悪かった、特定の分野が全く駄目だったなどの分析を加えて後期の過ごし方に改良を加えていきましょう。

夏期講習受講のポイント

夏期講習は何講座取ればいいのでしょうか、という質問を毎年かなり受けます。
正直、最適解はありません。
しかし、こうするといけないというポイントだけはあるので、それを回避してください。
 
まず「各期間、最低一つは受講しましょう」といった、アバウトな選択をしないということです。
講習は、自分の実力を底上げしたい科目や分野に絞って受講できるのがメリットです。
特に考えずに、各期間1つ受講するといった思考は、勉強習慣のない人向けでしかありません。
勉強習慣を身に着けている人は、自力で計画を立てられますし、不必要な講習を受ける必要はありません。
 
次に、後期の内容を先取りするような講習は取らないほうがいいということです。
後期になるといずれやりますから、焦って先にする必要はありません。
もし、本当に夏までにやるべき内容であれば、前期に習っているはずです。
夏に焦って前期の復習が不十分なまま、後期の先取りをしても意味がありません。
 
最後に知らない先生の講習は受けないほうがいいということです。
レギュラーの授業を担当している先生の方が、授業スタイルが想像できてどのような講習かわかりやすいと思います。
また、講習の選択で迷っている場合は、その講習を担当している講師に自分の悩みを相談しに行きましょう。
本当にあなたにとってその講習が必要か、親身になって相談に乗ってくれるでしょう。
事務の人に相談しても、事務の人はあなたのレベル感や科目の細かい特性までは把握しきれていないので相談してもあまり意味がありません。
 
とはいえ、予備校には多数の浪人生・現役生がいるので、一人ひとりをしっかりフォローしてくれるとは限りません。
自分で分析するのが難しければ、家庭教師をつけて相談するのも一つの手段として覚えておいてください。

浪人生の勉強方法③:後期の過ごし方

浪人生の勉強方法③:後期の過ごし方

夏休みが終わるといよいよ後期の授業がスタートします。
前期では、授業が入試基礎から入試標準くらいまでで万人が習得すべき内容であったのですが、後期は少し毛色が変わってきます。
その特徴を踏まえたうえで、どのように過ごせばよいのかを説明していきます。

後期の授業の活用方法

後期の授業は、基本的に前期よりも高いレベルであることが多く、授業の負担感は前期に比べて大きいです。
後期の内容は、受験においてやや捨て問っぽい問題も含まれていますので、前期のように完璧な予習復習をする必要はありません。
この問題は自分にとって難しすぎるなあと感じれば、同じ内容の前期の問題を復習するのも一つの手です。

模試が多い

後期は毎月記述模試があります。
マーク模試もたびたびあります。
また、防衛医大を受ける人は10月下旬に試験を控えています。
これらの模試や入試は、後期の授業より優先度が高いです。
なぜなら、この時期の模試の結果を見て志望校の変更をするかしないかを決断することが多いからです。
この時期の模試は、夏までの模試とは違い、現役生も成績を上げてきていますから、偏差値や判定の信ぴょう性が極めて高いです。
この時期の模試は、本気で点数を取に行きましょう。
 
授業を疎かにしてよいとはあまり言いたくありませんが、土日に模試があるとその復習や反省に追われて、翌週の予習等がはかどらない可能性が高いです。
無理に全部やろうとせず、今の自分には何が一番必要かよく考えて取捨選択しつつ勉強を進めてください。
 
無理に全部やろうとして、睡眠時間を削って模試を欠席したり授業中に居眠りをしたりすると、一番効率が悪いです。
筆者は、防衛医大の受験を控えていたため、試験2週間前から授業の予習を断念して、空いた時間を防衛医大の択一式の過去問演習に充てました。
防衛医大の記述式の過去問は、やりませんでした。
それをやるよりも、後期の授業の復習や、夏休みに取り組んだ入試問題集の復習の方が効率が良いと判断したからです。
 
私立の公募推薦入試を受けられる方も11月に試験があるかと思いますので、無理に予備校の授業に拘泥せず、柔軟に自分のスケジュールを立ててください。

秋の模試の結果が悪かった人

秋の模試は、志望校を決定するうえで重要な因子になりますが、この結果が悪かったからといって落ち込むのはまだ早いです。
夏までの模試では、現役生の勉強が不十分で、伸びがありません。
その分、浪人生の偏差値が実力以上に高まって表示されています。
ですから、夏前の模試と比べるよりも、昨年の同時期の模試と結果を比較してください。
それで偏差値が上昇していれば、あなたの成績は絶対的に上がっています。
 
もし、あなたの昨年の成績よりも下がっていれば、夏休みの過ごし方に問題があった可能性が高いです。
秋の模試が返却されるのは11月であり、まだ時間は残されています。
ここで腐ると完全に不合格ルートまっしぐらなので、腐らず、何が悪かったのか、偏差値だけでなく、大問別の正答率を見て、平均正答率が高い問題で自分が間違えた問題をピックアップして解けなかった理由を徹底的に考察してください。
そうすると、何が足りなかったのか具体的に見えてきますので、それを残りの期間で必死につぶしてください。

浪人生の勉強方法④:入試直前期の過ごし方

浪人生の勉強方法④入試直前期の過ごし方

後期の授業が終わると、共通テストのカウントダウンは始まっています。
今まで以上に共通テスト対策に時間を充てましょう。
国語、社会、リスニングなどを毎日少しずつ取り組みましょう。

共通テスト対策一辺倒にならない

注意点としては、共通テスト対策一辺倒にならないことです。
共通テスト対策に専念した後、国公立二次の勉強を再開すると、かならずブランクの影響を食らいます。
具体的には、数Ⅲの衰え、英作文の技術低下、などです。
二次試験でも使う科目は、共通テスト対策はそこそこにして二次試験の勉強を引き続きやりましょう。
二次試験の勉強をしていると、大体共通テストの内容はカバーできます。
カバーできない部分は、過去問で補っていきましょう。
具体的には、数学Aの図形や互除法、数Ⅱの微分積分、理科の正誤問題、物理の減少の説明問題などです。
理科に関しては、直前に教科書の通読をしておくと共通テスト対策に大変効果的です。

不安と焦りとの向き合い方

ぶっちゃけめちゃくちゃ不安になりますし、焦ります。
でもそれは、それだけあなたが努力してきたからです。
現役の頃よりも不安と焦りで埋め尽くされて当たり前です。
当たらないとわかっている宝くじの当選発表を見てもドキドキしないですが、当たるかもしれない宝くじの当選発表はドキドキするのと同じです。
昨年よりも合格する確率が高まっているからこそ、より不安と焦りが高まっているのです。
決して、メンタル面で退化が見られるわけではありません。
 
合否のボーダーラインの近くにいる人はみんな不安なので、淡々と勉強を進めましょう。
不安でどうしようもないときは、自分の不安の内容を具体的に紙に書き出してみてください。
思っているよりも、不安は大したことなかったり、自分一人ではどうしようもない問題であったりということに気付くはずです。
 
自分は合格する人だと仮定して、「合格する人は何をしているんだろう」、そう考えながら過ごすと気持ちは楽になるかもしれません。
自分のしていることは合格に直結すると信じればよいのです。
 
不安な気持ちを抱えたまま勉強しても仕方ないので、どうしようもないときは、一旦勉強の手を止めることも考えてみてください。
2~3時間さめざめと泣くと吹っ切れることもあります。
人によって不安との向き合い方はさまざまですが、友達に相談することはお勧めしません。
友達も不安なので、共倒れになる可能性があります。
もし、どうしても誰かに話を聞いてほしいときは、チューターや担任の教務の先生、家庭教師の先生に相談してみましょう。

試験の前日、いや、試験が始まるその直前まであなたの成績は上がり続けます。
試験は、賢さ順で合否が決まるのではなく、当日のテストで合格点を上回れば合格です。
賢くても計算ミスで1点差以内で不合格になる人もいますし、E判定から逆転合格する人もいます。
直前期も丁寧に勉強し、早く寝ることを心掛けると、きっといいことが起こります。

大学入学後のギャップに注意

最後に、大学入学後のギャップについて解説します。
浪人してやっと第一志望の大学に入学しても、大学に馴染めなかったり授業をサボりがちになる人が一定数います。
 
浪人中、モチベーションを高めるために大学入学後の自分をイメージすることがあるでしょう。
また、すでに大学に入学している友人と会い、楽しい大学生活について聞く機会もあるかと思います。
こういった浪人中の大学への期待が高まりすぎると、入学後にそのギャップについていけなくなることがあります。
 
また、「大学に入学したら苦しい勉強から開放される」というのも大きな誤解です。
もちろん受験勉強からは開放されますが、そもそも大学は勉強するために入るものです。
そこを勘違いしてしまい、大学に入って遊ぶことばかり考えていると「馴染めない」「サボる」ということになってしまうのです。
皆さんは違うと思いますが、特に抑圧された1年を過ごす浪人生が陥りがちな罠なので、頭の片隅に置いておきましょう。

まとめ

以上、浪人生の勉強法についてお伝えしてきました。
最後の方は精神論っぽくなってしまいましたが、最後の最後は神頼みです(笑)。
伝えたいことは山のようにあるのですが、予備校の授業が始まるまでの春休みの重要性、前期の授業の重要性、夏休みの過ごし方、模試の偏差値の上振れに関する注意など、浪人したからこそ分かるポイントに重点を置いて説明してきました。
 
現役で一発合格するのが、理想的ではありますが、人生においてこれ以上努力できないというくらいまで追い込めるのは、後にも先にも浪人のときしかありません。
多感な青春時代を勉強にささげることはつらいことも多いですが、得られるものも大きいです。
人生最大のモラトリアムを有意義に過ごしてください。

この記事を書いたのは

現役医学部生ライター I

家庭教師ファーストの登録教師。和歌山県立医科大学 医学部に在学中。浪人を経験。学生ながら、家庭教師指導人数は20名以上。塾講師経験も。

著作・制作

家庭教師ファースト/株式会社エムズグラント

『質の高いサービスを、良心的な価格で』をモットーに、全国で20年以上家庭教師を紹介しています。実際に担当する教師による体験指導受付中。教育に関する相談もお気軽に。

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